Baidu(百度)が、Baiduブラウザの新バージョンをリリース

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

Baidu (NASDAQ銘柄BIDU)は去年、Baidu Browserという名の独創性あふれる自身のブラウザアプリケーションを立ち上げた。中国最大手サーチエンジンBaiduはそのバージョン2.0を発表し、大幅な改良点をアピールした。

初版ブラウザが開始された際は同僚のスティーブンが調査報告をしたが、今回のバージョンに関しては私が少し見てみることにする。ちなみにこのアプリケーションはWindows限定なので、Macユーザーはご了承を。

ブラウザと私のバトルは不吉なスタートで幕を開けた。まずインストールの過程で、デスクトップに自動でショートカットを作るかどうか聞かれたが、私は作らなかった。つまり、「いいえ」を選択したのだが、インストール後のデスクトップを見ると、そこにはなぜかHao123のショートカットがあった。これはよろしくない。

しかも、実はそれが2度繰り返された。スクリーンショットをまだ保存していなかったことに気づいたため一度アンインストールし、再度インストールしなおしたのだ。というわけで、どうやらショートカット無しでインストールする術はないようだ。中国のプログラムによくあるように、余計なソフトウェア(もしくはスパイウェア)をインストールされるよりはまだましだが。目障りなデスクトップショートカットは簡単に処理できるが、ウイルスだとそうはいかない。

Hao123のショートカットを削除し、本題のブラウザを起動させた。

最初の画面はだいたい同じで、よく訪れるサイト、アプリ、ゲームはChromeのようなページに表示され、下にはOSXのようなツールバーもある。バージョン1.0と同様に、あらゆるカスタマイズができる。例えば背景を変更したり、アプリとページを動かしたり、基本的には好きなように設定できる。

ページをめくって移動する動きはとてもスムーズで素晴らしく、マウスにもよく反応する。ただ、他の機能については明らかに微調整が足りない。アプリを起動するために何回クリックしても何も起こらない。アイコンをどこかにドラッグするためにクリックしているのだとブラウザが勘違いしているからだ。他のブラウザでこんなことが起こるとは私には思えない。

前回スティーブンが漏らしていた不満の多くが、いまだあちこちに残っていることが分かった。前回同様、「アプリ」は実際のHTML5のものではなく、他のサイトへの単なるリンクが多い。本物のアプリも少しはあり良くできてはいるが、アプリの数は多いほうが良い。もちろん、今述べたのは初期設定のもので、思いつくままに管理されている百度オンラインアプリストアから、他にもたくさんのアプリを選ぶことができる。しかし、ここでもまた多くがただのリンクである。

バージョン1.0を苦しめたレンダリングの問題も残っている。恐らく、WebkitとIEのレンダリングエンジンの「デュアルコア」を基盤にしているからだろう(百度がそう言っている)。中国のユーザーにとってこれは大きな問題にはならないだろう。閲覧者はみなIEを使っているという前提で中国のサイトの多くが設計されテストされているからだ。私が試してみた中国のサイトはどれも問題なく表示された。しかし、外国のサイトを開くときには上手くいかなかった。Tech in Asiaに関しては、FirefoxやChromeのユーザーが見たこともないような変な動きをしていた。

百度ブラウザに追加された素晴らしい機能には、ブラウザウィンドウの右上にあるツールボタンで、ここから一般的に多用されている機能に簡単にアクセスできるものがある。例えば、「インターネットバンキング」からは、中国全ての大手銀行のオンラインバンキングページにつながるロゴマークとリンクの記載されたウィンドウを開くことができる。また、今のところは中国語、英語、日本語しかないようだが、翻訳機能も追加されている。

ページの全体、もしくは選択部分のスクリーンショットを撮ることができるスクリーンショットボタンというのもある。残念ながら、画像は直接パソコンに保存されるのではなく、クリップボードにコピーされるだけであるため、他のアプリケーションを開いた上で編集か保存する必要がある。これはかなり期待外れだ。Chromeの「素晴らしいスクリーンショット」拡張機能を頻繁に利用している私としては、そういった類いの機能性(もっと言えば、異なる種類のファイルとして保存できるなど)などを期待していた。実際は、百度ブラウザのスクリーンショットの特徴は、キーボードの「プリントスクリーン」ボタンよりもわずかに優れたものでしかなかった。

最も謳っている改良点の1つに、新ブラウザのセキュリティがある。私には全くもってその安全性を確かめる資格はないのだが、もし本当により安全性が高いならば、その理由だけで新ブラウザにアップデートする価値があるだろう。

もちろん、これで百度ブラウザにとっての道のりが終わった訳ではない。百度Beatで広報担当のKaiser Kuo(郭怡広)はこう記している:

「今後、更なる改良をユーザーに提供できるような、百度ブラウザの新バージョンを予定しています。ユーザーの反応をつぶさに追い、人々がネット上で探しているものを見つけ出し、最善で最も公平な方法を提供するという使命を果たすべく、私たちは全力を尽くし続けます。」

というわけで、次回のバージョンに注目しよう。とは言いつつ、私はもう自宅のPCの百度ブラウザは削除し、Chromeに戻っている。(なんとも煩わしいことに、きれいにアンインストールされず、今は空の「百度」フォルダがCドライブの至る所に残っているが。)百度ブラウザはInternet Explorer(特に、IE 6といった旧バージョン)を使っていた中国のユーザーにとっては大きな躍進であろうし、ニーズにもよく応えられている。

百度のターゲットとするユーザーは困らないとはいえ、それ以外のユーザーにとっては、ChromeやFirefox(長いこと私は使っていないが)の方が比べ物にならないほどいいだろう。もし、ちょっと試してみたいということなら、ここから新バージョンが入手できる。(Windows利用を前提としているが。)

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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