DECOLOGを運営するミツバチワークスの新サービス「タテヨコに動く写真アルバム”slidrop”」、CEOの光山氏をインタビュー

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約2年前、初めて”DECOLOG“という女の子のためのモバイル・ブログサービスを紹介しました。かなりの反響があって、その後もDECOLOGをあらゆるメディアで目にしてきました。当時60億だった月間ページビューは65億になり、未だ成長を続けています。とことんユーザの声を取り入れて作り上げられた大好きなサービスのひとつです。

そんなDECOLOGを運営するミツバチワークスが、新たに”slidrop“(スライドロップ)というサービスをリリースしました。現在iPhoneでダウンロードできるこのアプリは、多くの写真共有サービスに共通する縦のタイムラインだけでなく、横のスライドも取り入れた斬新でユニークなアプリ。ミツバチワークスの代表取締役の光山一樹さんに、アプリを作るに至った背景、つくる過程での物語り、今後などなどたっぷりお話を伺ってきました。

“slidrop”が生まれた背景

My_slidrop_top前述したDECOLOGというモバイル・ブログサービスは、どこまでもフィーチャーフォンに最適化して作ってきたもの。いかにフィーチャーフォンで使いやすいかを追求しまくり、その結果としてユーザである女の子がここまで使いこなすサービスになりました。

その一方で、ここ数年のスマートフォンの台頭は著しく、DECOLOGに関してもユーザーのスマホ利用率が45%、2012年3月はスマホだけで30億ページビューが見込まれるまでに成長。しかしながら、この成長を手放しで喜べないのは、前述の通り、DECOLOGがフィーチャーフォンに根差したサービスだから。

「スマートフォンはフィーチャーフォンの進化の延長線上に生まれたものではないため、まったく異なるハードとして認識する必要があります。フィーチャーフォンではクリックでしたが、スマートフォンではフリックさせるサービスの方が圧倒的に使いやすい。優れたユーザーエクスペリエンスを提供する為には、そのハードに最適な、新たな使い勝手のサービス提供が必要だと考えていました。

また、スマートフォン向けのサービスを企画するにあたっては、東にはTwitterやFacebookといった世界的なプレーヤーがいて、西には中国、ベトナム、インドといった人件費が安く開発力が優れた国々があるため、フィーチャーフォンのように国内向けではなく、世界中の人に使ってもらえるようなものでないと成り立たないのでは?という思いもありました。』

と話す光山さん。その為、スマホで最大限活用できる、世界中で使える(言語コミュニケーションが少なくて済む)、「写真、アルバムサービスを作る」ということは早いタイミングで決めていたそう。ただ、「それをどんな写真、アルバムサービスにするのか?」というテーマを決めれずにいました。そんなテーマを教えてくれたのは、他ならぬユーザーでした。

ヒントになったのは、DECOLOGの女の子たちの写真、アルバムの使い方。彼女たちはDECOLOGで、プリクラをはじめとして、同じ場面で撮影した複数の写真を自分のアルバムコーナーに一度にアップロードするそう。同じ場面で何枚も写真を撮り、厳選した一枚ではなく全部保存しておいたり、全部みんなに見てもらったりする。そんな使い方に気がつき、「他人にストレスを与えることなく、沢山の写真を共有できる」というテーマをスマホ向けのサービスで実現することを決定。光山さんがこのテーマに辿りつくまで1年かかったけれど、「テーマに対する解答(ソリューション)」は、取締役でクリエイティブディレクターの藤井利佳さんから、ほんの一日で出てきたそう。

テーマに対する解答は「タテとヨコに動けばイイ」

また写真共有サービス?と思う人は少なくないはず。でも“slidrop”は、既存の写真共有サービスにない、課題解決型のアプリ。Instagramやその他の写真系サービスで写真をアップするとき、何枚か撮った中から代表作や特にお気に入りの一枚をアップする。本当はいろんなシーンがあったけれど、みんなのタイムラインを埋め尽くしてしまうし、どれか選んで投稿するしかない。既存サービスの多くはこのつくりです。

でも、slidropは複数枚の写真をまとめて、横にページングできるスライドにして同時に投稿できる。例えば、子供と公園で遊んだときの写真、かわいい表情を何枚も撮ったけど全部共有するのは気が引ける。そんなときも、「今日は○○公園で遊んだよ」なんてスライドタイトルをつけて、最高12枚の写真をひとつのアルバムとしてアップロードできちゃいます。右のキャプチャにある、スライドタイトルの真下にある□□□が投稿された枚数を表しています。

ポイントは、ただアップロードできるだけでなく、それを横にスライドして閲覧できること。つまり、slidropにはタテとヨコ2つの動きがあるのです。個人的によくあるのは、コース料理なんかをいただいたとき。前菜、スープ、メイン、デザートという複数枚の写真があるけれど、Instagramではとっておきの一枚を共有するのみ。slidropなら、これをある夜のひとつの物語として共有できる。複数枚の写真が横に並ぶことで、自然と写真に文脈がつくから不思議。例えばこんな感じに。飲み会の写真なんかをオチつきで見せたいなんてときも、それが表現できちゃいます。

この記事はTechWaveへの投稿記事です。続きはTechWaveでお読みください。

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