はやく失敗を経験することで、中国はイノベーションを起こすことができるか?

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

先日、何人かの友人と夕食を食べながら、多くの中国人がとても厳しい規制に従わなければならず、彼らに新しいことを試みるチャンスがほとんどないということについて話をした。物事を「きちんと」しなければならないプレッシャーが大きく、失敗から学ぶ余地が全くないように見える。

世界中で発明されたものには、実験や失敗、微調整を通して、もしくは偶然に何かを発明するに至ったものも多い。失敗から生まれた象徴的な発明として今でも有名なのがコカコーラだ。アトランタの薬剤師John Pembertonは、頭痛薬を作ろうとしていたところ、ある日偶然美味しい飲み物のコカコーラができた。だから、中国が実験・失敗・学習という過程をもっと文化的に受け入れられれば、イノベーションを促進することができるのではないかと思う。

スタートアップ業界ではそれほどでもないが、従来通りのビジネス界では、上司から非常に厳しい命令を受ける中国人が多い。中国には競争が多く、就職口よりも人口の方が多いため、言われたことをやらないのは非常に危険だ。ある国際的な雑誌でさえも、日々の就労時間を管理するために従業員はタイムカードを押すように義務づけられていると耳にした。また、とある不動産会社員と取引条件について話をしようとした時、私がその担当員の上司と話がしたいと告げると彼女は急に怯え出したことがある。レストランの多くは、メニューを少しアレンジした料理を注文(例えば、メニューではチーズなしのハンバーガーにチーズを加える)は受けつけない。

上に挙げた例を見て考えることは数多くある。まず、中国において相手に対する信頼度が低いということは明らかだ。こんなに人が多い中国で、皆を信じることができるはずがないと、とある中国人がかつて言っていたことを思い出す。だから、人の能力やスキルを前向きに信じて何かをやらせてみるということをしない。次に、中国では若い頃から暗記学習を勧められ、先生に意見しないように教わることが多い。これによって、規則・ルールに歯向かうことや違った考え方をすることに不安感が生まれる。何か違うことをすることは自らを危険にさらすことを意味するからだ。だから、物事をより良くするにはどうしたらいいかを考えず、任務を果たすだけで満足する中国人が多いのだと思う。おそらく、これが中国があまり効率的ではない理由だろう。

数週間前、中国の有名なエンジェル投資家 Su Xiao Ping(徐小平)氏との対談で刺激され、私はある記事を書いた。「中国が本当に革新的なるにはまだ20年の歳月が必要」というタイトルで、1〜2世代の時間が必要なその主な理由は3つ挙げられる。教育、情熱、そして巨大企業が支配する不公平な競争環境だ。新しいものを創るための実験や失敗、また試行錯誤を経て発明にたどり着くことを受け入れる文化をつくることは中国にとって大きな変化となる。だが、難しい大きな問題は次の3つだ。1. どう始めるのか? 2. どこから着手するのか? 3. 誰が先導するのか?

私は中国人の考え方が間違っていると言っているのではない。物事には違った考え方もあると言いたいのだ。

さて、テック・スタートアップ業界に話を戻すと、アメリカで成功した有名起業家の多くは、Bill GatesやMark Zuckerbergなど大学を中退した人達だ。起業家はまた、物事に対し異なった見方をしたり異なったアクションを起こす反骨精神を持つ人達であることも多い。これが、彼らが他の人よりも卓越し、最終的に成功をおさめることにつながる違いなのだ。

反骨精神を持つことも失敗することも容認され、時には褒め称えられている。だが、中国では大学を中退することは事実上のタブーで、ほぼ自殺行為である。むしろ、尊敬されている起業家はBaidu(百度)やTencent(騰訊)などの確立された大企業で働いたことのある人達だ。なぜなら、そういう人達は「より安全」で投資家から資金を得るのも容易だからだ。

FastCompanyのビデオでは、SCVGRのチーフ忍者のSeth Priebatschが2種類のミスについて語っている。1つめはポイントミス、2つめはプロセスミス。「ポイントミスとは、あることで何かの間違いをすること。プロセスミスとは、あることで常に間違えた考え方をしたり、間違ったやり方をすること。実際、私達はポイントミスを試し奨励している。というのは、ポイントミスは何かを試しているということだから。」企業や人がいかに革新的になれるかは、こういった柔軟性と姿勢が大きく影響する。

とにかくやってみよう。その後はもっと上手くやってみよう。

【via Technode】 @technodechina

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