中国のエンジェル投資家「中国が本当に革新的になるには20年は必要」

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

先日、北京大学のXu Xiaoping(徐小平)が主催する北京修士同窓会のイェールクラブ(Yale Club)に行ってきた。Xu Xiaoping氏は、中国で最も傑出したエンジェル投資家の一人である。

彼の投資先は技術的なスタートアップに留まらず、映画や慈善事業などにもまたがる。2011年の終わり、彼のエンジェルファンドであるZhenfund(真格基金)は、ジョイントベンチャーによる3千万米ドルのシードファンドを設立のためSequoia Capital Chinaとのパートナーシップを発表している。

Xiaoping氏は、New Oriental Group(新東方)の前共同出資者及び副会長であったことで最も有名だ。New Oriental Groupは、中国人の米国等海外へ留学のお膳立てをする、NYSEで上場するエデュケーション・カンパニーである。

議論の論点は、「中国におけるイノベーション」だった。結論のひとつとして、中国の現世代からSteve JobsやBill Gatesのような人材が生まれることはないだろうと述べた。しかし物事は変わっていくし、それには時間がかかるとも話す。その理由は以下のとおりだ。

1.情熱を代償にしてでも教育を重視する中国の文化

アジア人はよく、アジアでは両親が子供たちの勉強や成績に厳しく偏執狂的ですらあることを好んでジョークにする。一般的には事実だが、アジアの親達みんながみんな必ずしもそうではない。

中国で、両親をそれほどまでに駆り立てる要因はいくつもある。主な要因は激しい競争である。たくさんの人々が最も優秀とされる学校に入学し、ベストと思われる仕事に就くために闘う。コネ精神(guanxi、中国語で「関係」と書く)以外に残された道は優秀な成績を取得することしかない。Xuは大胆にも、Gao Kao(高考)と呼ばれる最も重要な高校及び大学入学試験が、創造性に対する情熱を殺していると述べた。彼は、この自論を後押しする2つの物語を共有してくれた。

始まりはカナダにいた中国人少年だった。彼はプログラミングに対して非常に情熱的で、彼の両親も彼のスキル習得を奨励した。この少年は偉業を成し遂げ、非常に有意義なテック会社を設立した。

次も、プログラミングに情熱を持ち、あのAppleが使えそうな物を発明した中国の青年の話だ。しかし、彼の両親は彼のプログラミングに対する情熱をサポートせず、その代わりにGaoKaoの勉強に専念するように言った。長年の苦悩の末、彼は心身ともに疲れ、プログラミングへの情熱を失い結局会社勤めをしている。

人々の生まれ持っての好奇心や情熱を応援するのではなく、社会に受け入れられるために尽くすという中国の伝統的な考え方。それが、中国を本当の将来の可能性から遠ざけているとXuは考えている。

中国の教育システムはアメリカのような西側諸国よりかなり遅れていると彼は確信している。それゆえ、彼の元会社New Orientalは、中国人を海外で勉強させ視野を広げ、自分自身を発見させることを目的としていた。しかしながら中国の経済は急成長するにつれて、 海外に出るというトレンドは減速傾向にある。

最後に私は、Xu Xianopin「中国が、本当に創造的で革新的な国になるためにあとどれくらいの年月が必要か。中国が海外に留学生を送り続けなければいけない年数は?」と聞いてみた。彼の答えは、「少なくても20年」。

2. 中国の製品とサービスには、もっと魂が必要

Xuがユニークなのは、彼が音楽を学んだ北京大学の音楽教師であり、それゆえ芸術や文化に情熱的である点だ。中国のテクノロジー会社とその製品やサービスと関係を深める中で彼は、そこに不足しているのは「魂」、つまりより深い思考だと感じている。この言葉は何を意味しているのだろうか。例えば、Steve Jobsは技術者というよりも、むしろアーティストだった。彼は彼の製品がパーソナリティーを持ち、人々に感動を呼び起こす必要があると信じていた

この考え方と直感こそが中国に大きく欠けているものであり、それゆえこの世代に中国から次のSteve Jobsは誕生しない、とXuは話す。Lei Jun(雷軍)はXiaomi Tech(小米)の創設者で、中国で最もSteve Jobsに近い人物として知られている。しかし彼の友人でもあるXuは、LeiがSteve Jobsには匹敵しえないと考えている。

彼の説明によると、Lei Junは心底技術者であってアーティストではない。Xiaomiは現在、アーティストのような経営手腕を持つCEOを探しているが、中国で適任者を探すことは難しいだろうとXuは考える。

これは中国における複製の横行を一部説明している。中国のスタートアップの設立者は多くの場合、設計者やアーティストではなく、新しいアイディアやデザインを考えるための創造的精神を持たない技術者だからだ。

今のところ、市場に向けた準備期間を加速化するという点で複製が成り立っているが、中国人でさえも、そのような露骨な複製を批判し始めている。最近では、DianDi(点滴)と呼ばれる人気のモバイルマガジン、Pathの完全なパクリがある。人々が複製に対してもっともっと反旗をひるがえせば、模倣者たちは戦略を変更し始めるだろう。

3. 彼らを潰そうとする巨人たちに怯む革新者たち

米国、特にシリコンバレーでは、買収されることを目的として設立(”Build-to acquire”)するスタートアップがある。多くのスタートアップが、Facebook、 Google、 Apple および Microsoftのような巨大企業が求めるサービスを作りそれらを売却する。優秀なチーム欲しさにスタートアップを買収するケースはよく見られる。その他にも、彼らの技術を獲得することで自分たちで設計する為の時間を省くといったことが挙げられる。

しかし中国のBaidu、Sina、 Tencentのような大企業は、スタートアップを買収するよりも単にその製品をリリースするために大きなチームを雇い入れる余裕があり、またそうすることを好む。

とある中国のスタートアップが成功し可能性が感じられると、彼らはただそれらをコピーする。膨大な人数の既存ユーザにサービスを提供し、最終的にオリジナルのスタートアップ製品を潰してしまう。そのような巨大で強力な企業による脅威が、人々が革新的に運を試そうとする気概を打ち砕く。

しかし、物事は少しずつ変わってきているとXuは言う。Tencentのような企業は公平を目指しつつあり、ゲーム開発者に対して収益の 10〜20パーセントではなく70パーセント割り当てを提供するなど、開発者により寄った姿勢を見せている。このような方向で物事が進んでいくと良いのだが。

中国の革新を加速化するきっかけは何なのか、Xuの意見が気になり聞いてみた。「政府からのトップダウンのアプローチが必要なのか、それとも、中国を一旦離れたのち帰国した人々を中心とするボトムアップのアプローチから生まれるものなのか?」

Xu は言う、それはその中間に位置していると。文化や思想といった根深いものを変えることは非常に困難で、トップリーダーの立場からのみ起こりうる。 しかし、それは確実に起こらなければいけないことなのだ。

その一方で、中国は他国のように創造力や自由思想を推進していない。そのため革新者たちはこれからも、他の国々や 文化にさらされた人々から生まれていくことだろう。しかし中国は30年間で経済革新を成し遂げ、貧困を克服した。中国の更なる革新を20年以内に見届けることは可能に思える。

【via Technode】 @technodechina

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