「私たちは本を通じて友情を深めていく」と、PinjamBukuの共同設立者はスタートアップピッチで語った。同社の書籍共有サイトで、ソーシャルな要素に重点が置かれているのはそのためだ。ユーザはPinjamBuku.org(「本を借りる」という意味のインドネシア語に由来)に本を提出したのち、600冊(現在も増加中)の蔵書を持つ貸本ライブラリーにアクセスすることになる。そこでは同じ本を好む人々と交流することが可能だ。
まずはじめに、このウェブサイトのユーザはPinjamBuku内のWordPressのようなブログインターフェイスからブログ記事のようなものを投稿する。本の題名と説明を入力し、検索のためのタグをいくつか付ける。少々複雑な感じがするのは、ユーザが本の出版社などの細かい情報を出し入れする必要があるからだろう。最後に、できあがった本のページが、本を探すユーザのに表示される。
ここから、ソーシャルな要素がリアルな生活の中に入り込んでくる。好みの本を見つけたサイトユーザは以後、本の持ち主とやり取りし、本を渡してもらう方法を決めるのだ。それは郵送かもしれないし、直接会っての手渡しになるかもしれない。
主催したStartup Arenaの場でピッチの中で、2人のコアチームメンバーは同サイトのユーザ登録数が2500名を超えるまでに成長していると強調。収益化については、サイトメンバー自身が価値のある重要な読書家層になっていることであり、それに「出版社やオンラインのブックストア」は関心を持つだろうという。よって、PinjamBukuで利益を生む一つの方法には、いくつかのブックページに有料のリンクを設け、本を借りたいという人が多すぎる場合にユーザがその本を買えるようにする手があるというのである。
テクノロジーが、読書のようなオフラインの趣味のために使われ、その上バーチャルなソーシャル要素を組み込んでいるのは素晴らしいことである。このスタートアップ立ち上げのヒントは、中国のDoubanではないかと思う。Doubanは今では同国最大の独立ソーシャルサイトである。
ピッチ終了後、全員の目が審査員に向けられた。Benjamin Joffe氏は、ユーザにとっても、本を貸す側であるスタートアップにとっても大変な作業が伴って面倒だろうし、あまりお金にもならないと語る。「正直言ってどうやって大きなビジネスや事業になるまで拡大させるのかわからない」と語った。さらに、本を追加するプロセスをもっと大幅に簡素化できるだろうとつけ加えた。特別パネリストAndy Zain氏も同感で、難しい展開が予想されるとのこと。そしていくつか可能性のある他の分野を提案した。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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