今、アジアとモバイルの事情を知る。StartupSchool vol.3 レポート

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前回は3月14日に開催した「StartupSchool」。vol.3は梅雨入り前の5月30日に開催しました。「アジアとモバイル事情」というテーマで開催した今回も多くの方にお越しいただき、メンバー一同感謝しています。

今後、アジアへの進出を考える方々に向けて、アジア市場の現状と、アジアに出るための有力なアプローチとなりうるモバイル事情に焦点を当て、様々な切り口でこれらの関わる専門家の方々にお越しいただきました。前回の開催の様子はこちらでレポート記事を掲載しているので、ご覧ください。

1時間目:明星和楽 −アジアを見据える福岡−

昨年の明星和楽の話

1時間目は、まず株式会社ヌーラボの代表取締役橋本正徳さんから、昨年の明星和楽の話を伺いました。2011年11月11日から3日間、福岡市で開催された、テクノロジーとクリエイティブの祭典「明星和楽」。世界最大のクリエイティブイベントSXSW(South By South West)を日本でも開催したいという強く思ったことが、このイベントをやることになったきっかけだそうです。

橋下さんにご寄稿いただいた記事がありますので、昨年の明星和楽の詳細はこちらをご覧ください。

スピーカーは山田 ヤスヒロさんに交代し、今年、2012年の明星和楽の話に移ります。福岡がアジアのハブになる役割を果たすために今年も、いろいろな仕掛けを用意しているそうです。明星和楽をITだけのイベントだけでなく、クリエイティブのイベントとしても捉えているので、音楽のイベントなども開催する予定だとか。これによって、ユーザと触れ合うチャンスを設ける狙いもあるそうです。


明星和楽は、「話楽」という考えを中心に設定しています。たとえば音楽があることによって、普段は交流がない人々が真面目な講演の次は、楽しむことができるようなコンテンツを用意することで、しっかり頭を使って考えた後は、リラックスして楽しむ時間を設けたり。起業家のほかにも、クリエイターなどいろいろな人にプレゼンしてもらう予定で現在準備中。

昨年に続き、今年もアジアのメディアなども来日予定、今年も目が離せません。

2時間目:アジア展開に挑戦するサービス開発者たち

Snapeeeを開発している株式会社マインドパレットの神尾 隆昌氏、株式会社コミューンの成田 佳雄氏、LOUNGEを開発している株式会社クオンの水野 和寛氏のお三方によるパネルトークをおこないました。各社がアジアに展開する際に気をつけたこと、展開のポイントなどを伺いました。

モバイルと一口に言っても、様々な種類があります。Snapeeeは最初アジア展開というよりはiPhoneユーザ展開に近い状況だったそうです。iPhoneユーザのクチコミ力が強い傾向にあり、Androidはアプリを出すマーケットが国によってバラバラ。そのため、まずiPhoneに注力し、最初の盛り上がりを作るためにiPhoneユーザが見るメディアに露出していきました。その時、大手のメディアはもちろん、モバイルで見るブログなどが増えているため、個人ブログ等にも露出していくことを意識したそうです。

アジアに進出しようとするなら現地の状況を知ることが大切。データ以外にも、実際にその国に行き、現地のデパートに足を運ぶと今流行りのスマートフォンはなんなのかといったことも知ることが可能です。スマートフォンの普及率のほかにも、商品を取り巻く、決済、物流、価格など、それぞれの国で事情が異なってきます。特にファッションスタイルジャパンのようなECは、現地の状況に左右される側面が多いため、そこにどう対応していくか、サービス以外のローカライズも心掛けているという話を教えていただきました。

LOUNGEのように写真や、デコメなど様々なコンテンツを使用するアプリは、インフラの面を考える必要があります。アジアはリッチなコンテンツを流すにはインフラが未成熟で、耐えられないことがあります。ただ、だからといってインフラの整備を待っていると、現地の企業が動き始めてしまい、波に乗れなくなってしまいます。タイミングをはかることが大切だということをお話いただきました。

3時間目:アジアに視線を注ぐ、ベンチャーキャピタリストの視点

サイバーエージェントベンチャーズの海老原 秀幸氏と、Startup Datingの池田によるトークセッションをおこないました。ベンチャーキャピタリストの目線から、どういった考えで出資や今後のアジアを見据えているのかをお話いただきました。

アジアに投資していこうと考えたきっかけは、大きく2つ。現地で一から事業を行なっていくことはリスクが高いため、まずは投資を行っていこうということがあります。もう1つは、タイムマシン投資ができるのではないかということ。アメリカや日本の成功事例をアジアに展開できるのではと考え、そういったスタイルの事業を狙って投資を行い始めたそうです。

Startup Base Campにいる起業家にも、アジア進出したいと考えている人が一時期より増えているそうです。ただ、アジアにネットワークがあったとしても、いつも出ていくことを奨励するわけではありません。その理由は日本で展開するよりも、海外に展開するほうが難しいと考えているため。アジア展開に向いている事業としては、日本の文化的な特徴を生かした事業が受け入れられると考えているそうです。

日本のスタートアップがアジアに進出して勝つためには、現地のイベントやコワーキングスペースで人とつながって情報を集めることが大切だそうです。カルチャーバリアを越えることも重要で、現地で使用する言語は、英語だけでなく可能な限り向こうの言語をしゃべることができるようにしておく必要がある、とお話いただきました。

トークが終わった後は、毎回恒例の交流の時間。ゲストの方に参加者の方が質問に行く光景や、参加者同士が交流する様子を多く見ることができました。6月には「スタートアップが気をつけるべきプライバシーとセキュリティ」というテーマでスクールイベントを開催いたします。関心のある方はぜひご参加ください。