「スタートアップとだけ付き合っても意味はない」ーーノボット小林清剛氏が語る創業に大切な8つのヒント

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たった一度の起業でも労力や時間は相当なものだ。そういう状況において、連続して新しい起業を試みる「シリアルアントレプレナー」と呼ばれる人物は、次世代の起業家にとっても様々なアイディアやアドバイスを与える存在だ。

アドネットワーク事業を手がけるノボットを2009年4月に創業し、2011年7月にKDDI子会社medibaへの売却を発表した小林清剛氏は、若手シリアルアントレプレナーとして注目を浴びている。

小林氏が「MOVIDA SCHOOL」でスタートアップに向けて、次の起業家候補に向けて語ったアドバイスを8つのヒントにまとめた。

3年後を予測し、常に仮説検証を心がける

ノボット創業時、まだスマートフォンの広告事業の分野は市場が少なく、前職もITとかけ離れた立場のツテもコネもない状態から、代理店などに対してヒアリングを徹底的におこない、次に何がくるか聞きまわりながら関係性を構築していった。

その結果、スマートフォンにチャンスがあると感じ、大きな展示会にてプレゼンする機会を得て、そこでいかにスマホの広告が重要かを熱く語り、代理店などからの注目をあびた。

大切にしている考えは「世の中の先に張る」ということ。3年後くらいを目処に世の中に普及して当たり前になっているであろうものをもとにビジネスを仕込んでいく。

ライフスタイルが日々変化していく中で、自身で常に仮説検証をおこない、どの分野や業種がくるのかを予想し動くことが大事。そのためにも、日々情報やトレンドを追いながら、様々な事業アイデアを膨らませることを習慣づける。

面白い事業なら仲間はすぐに見つかる

いかに優秀な仲間を見つけるかも大きな問題だ。多くの起業家が直面する課題もここにあることが多い。

いかに優秀な人を仲間にするか、このためには自身が語る「事業ストーリー」がどれだけ魅力であり、そしてそのワクワクをどれだけ相手に伝えられるかが勝負。

誰もみていない未来を見据えて事業を考えているからこそ、まだ見ぬ未来についていかに情熱をもって語れるか。未来は誰にもわからないからこそ、そのことに対してしっかりとした意識をもって相手に語ることで相手は信頼してくれる。事業ストーリーをどれだけ熱く語れるか--これこそ創業者に必須なスキルだ。

同時に、徹底的に仲間を探すべきだ。多くの人は仲間が見つからないと語るが、それは探すほどの行動をしていない場合が多い。SNSや各メディアを日々見ながら、面白いと思った人にはすぐに声をかけるべき。

面白い事業ならばすぐに見つかるはずで、それでも見つからないのならば自身の事業ストーリーが弱いと考える。「なぜこの会社に来ないのか?」と思えるくらい事業に自信と熱く語れるストーリーをもっているかが重要。

事業売却に必要な3つの意思決定ポイント

創業時にはIPOや売却など様々な選択肢を設定することになる。売却を目指す場合に必要な3つの意思決定がある。

まず、創業は3年後を見据えて事業を開始する。それによって、数年後に大手企業に一斉に自身が見据えたマーケットにきた際に先行していることでの優位性がとれる。

2つ目。事業を大きく進めるに際して浮気をしないこと。つい、事業を盛り上げようと多角化しようと考えてしまうが、それは意味がない。見据えている本業一本に絞れないものは、やるべきではない。

3つ目は、事業が一番いいときに売却をおこなうこと。そうでないと働いている従業員にいいポジションを与えることができない。また、事業が伸びているときにさらにその事業を伸ばすために会社を売却する、という意識を持つべき。

売却で終わりではなく、そこから続いていくというイメージを持って売却先と一緒にやっていくことにメリットを見出すことが重要。

メンバーのリファレンスチェックは必ずしよう

クライアントや創業メンバー、従業員など様々な人と関わりながら事業は進む。その際に、創業メンバーや従業員を集めるときは、リファレンスチェック(本人)をしっかりとするべきだ。

前の職場や友人などその人物に対する調査をおこなうことで、より理解が深まっていく。本人からリファレンス先を紹介してもらうのもいいだろう。紹介するほうもされるほうも、中途半端なことは言えない。創業時や従業員としての関係性をスムーズにつくることができる、という点において、リファレンスチェックはもっと日本でもやっていくべきだ。

資金は何に張るかを事前に考える

事業を進める上でもっとも大切なものは、やはりお金だ。資金調達のタイミングは重要で、ノボット時代において3度の資金調達をおこなったが、その際に大切にしていたのは、何に使うかを事前に考えておくことだった。

そのお金を何に張るか、どうやって一番になれるのかを説明できないと意味がない。業界において一番を目指すという強い意思が大切なのだ。成長スピードが大切な業界だからこそ、無駄な支出をおさえ、大きな成長戦略を考える。

自身を甘やかさない仕組みを作る

自身のモチベーションとして、投資を頂いた時から日報を投資家に送り、誰と会い、何をして、何を考えて、どうしたいのか、ということを書いて送っていた。

経営者や起業家はストイックであるべきで、自身を甘やかさないための仕組みをいかにビルドインできるかも大事だ。

あらゆることに期待しすぎない

もう一つは、多くの期待しないことだ。社会に対しても人に対しても期待をせず、日々油断せずに行動する。期待がうまくいなかくても対処できるための心の余裕とリスクヘッジをもっておくことが大切。

コーチングという点においても、たとえ従業員が結果を出せなくてもそれには理由があり、また結果がでないのは上の責任だと認識し、一緒に考え結果がでるようにすることだ。

スタートアップとだけ付き合っても意味はない

最後に、スタートアップの仲間と時間を過ごし過ぎないことだ。スタートアップがスタートアップとだけ付き合っても意味はない。もっと戦略的に自分の時間を使うべきで、あらゆる手段を使い、今は誰と会うか、半年後に必要な人といま会って関係性をつくる意識をしながら人と会うことで自分自身を日々成長させていくべき。

そして、誰に相談したり聞いたとしても最終的には自分自身が判断をする、という覚悟で事業を進めていってほしい。

【U-NOTEリンク】:スクール当日にライブで記録されたU-NOTEです。合わせてご参照ください。