360は数日前、静かに独自の検索エンジンをスタートさせた。Googleが中国の検索エンジン市場で第2位になるのに何年かかったか思い出せないが、360はこの座をたった5日で獲得した。
今日、360が中国の検索エンジンで市場シェア第2位に躍り出たというニュースが流れた。Baidu(百度)は依然として1位だが、360の市場シェアは10%でSogou(捜狗)に取って代わった。
一体、どうすればそんなことが可能なのか。360で管理職につく友人などに電話で聞いてみたが、多少の違いはあれどその答えはほぼ同じだった。市場シェアが10%というのはやや大げさかもしれないが、360による短期間のシェア拡大にさほど驚かないというのだ。
その理由は、360ブラウザと360ランディングページの2つのコアプロダクトを360が擁しているからだという。
360の第1四半期の財務報告書によれば、360ブラウザには月間2億7300万人のアクティブユーザがいる。また、ランディングページであるhao.360.cn(360ブラウザを開いたときの標準設定のランディングページ)には1日平均7700万の固定IPアドレスがアクセスしており、ランディングページからの1日の平均クリックスルーはおよそ2億9500万に上る。
ユーザのブラウザとランディングページの標準設定を自社エンジンにするために使った360の手品の種は何なのか(下のスクリーンショットを参照)。従来、360は標準設定でGoogleの検索エンジンを使用していた。ブラウザとランディングページのユーザはいずれも、標準設定の検索エンジンが変更されたことに気づかずに360の検索エンジンを使っている。巨大なユーザベースがあったために、360が第2位となっても驚かないというわけだ。
360は検索エンジン(Baidu、Googleなど)の標準設定をユーザが選択できるようにすると約束しているが、これは明らかにBaiduに対する宣戦布告だ。現時点ではBaiduにとって大きな脅威ではないものの、360が今後、大きな野望を抱く強敵となる可能性がある(読者にとっても360とTencentとの間の競争はまだ記憶に新しいかもしれない)。残念だが、360の支援を失ったGoogleの市場シェアはさらに縮小するだろう。
360の経営幹部クラスからの公式コメントは今のところまだない。同社が唯一確認したのは、「自社の検索エンジンをまだテストしている」ということだけである。
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