ユーザの体験が最優先ーー約2億円を資金調達したメガネECサイト「Oh My Glasses」の想いと哲学

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ある商品を集中的に扱う特化型のコマースサイトといえば、靴からスタートしたザッポスが有名だ。ザッポスのCEO、トニー・シェイが執筆した書籍は、その経営哲学を多くの人に知らせる役割を果たした。ザッポスのほかにも特化型のコマースサイトは多く存在しており、日本にもメガネに特化したコマースサイト、「Oh My Glasses」がある。

同サービスを運営する会社はミスタータディ。数多くのブランド、商品を扱っており、メガネ量販店のメガネドラッグやマルイなどと連携し、リアル店舗でのフィッティングやアフターサービスを提供できるようにするなど、顧客の利便性向上のために様々なことに取り組んでいるチームだ。

ECサイトとしていくつもの挑戦をおこなっているOh My Glassesは、今月資金調達を実施した。調達の総額は2億1,500万円、ニッセイ・キャピタル、SMBCベンチャー・キャピタルからの第三者割当増資によって調達した。前回の資金調達は昨年の12月。前回の調達が終わった時点で、今回の調達は考えていた、と共同創業者、COOの六人部 生馬氏は語る。

サービスをリリースしてしまってからでは、期待感を煽ることは難しい。だからといって、リリースから時間が経ちすぎてしまうと成長が鈍化してしまいます。そのため、前回の調達はサービスのリリース前に実施しました。

前回の調達以降、「インターネットでメガネは売れるのか」という仮説をずっと検証してきました。仮説も検証でき、数字もある程度出せたので、検証できた数字をもって、今回VCのところを回って調達を行いました。資金が足りなくなったから調達した、というよりは、仮説が検証できたので、次のセッションのための資金を集めることにしました。

今回、資金調達に成功したOh My Glassesチームの、事業やチームづくりにかける想い、哲学について話をうかがった。

ECという形態と新たなビジネスモデル

メガネを選び、購入するという行動に関して、顧客に豊かな体験を提供することがOh My Glassesが大切にしていることだ。そのために、世界中のメガネを集め、複数のブランドを紹介し、本来ECサイトにとっては競争相手だと思われる小売店さえも紹介しているという。

私たちは、ただメガネを売っているわけではありません。メガネとお客さんの間に立ち、お客さんがメガネを買うときに、良い体験をできるような存在でありたい、そう思ってサービスを提供しています。

ユーザの体験を向上させるために必要なことはなんだって実施するつもりです。そのために自分たちのブランドや、自社のリアル店舗を構えることも十分考えられます。

モノづくりと職人に対する想い

Oh My Glassesはメガネを作っている職人への敬意を払うことを大切にしている。良いモノが、適切に評価されなくなり、売れなくなってしまうと、モノづくりは続けられなくなってしまう。そうならないように、Oh My Glassesではプラットフォームを職人に提供し、低いコストとリスクのない状態で、職人が自分たちのブランドの商品をを販売できるようにしている。これは職人にも、Oh My Glassesにも互いにとってメリットがある。

Oh My Glassesでは、「日本のモノづくり」を重要なものだと考えています。それはメガネに限らず、電化製品でも、ジーンズやシャツなどアパレル製品にも共通していることです。様々な領域で、良いものを作っているのに、モノは売れなくなってきてしまっている。

私たちは、モノづくりがと新しいビジネスモデルを組み合わせることによって、またモノが売れるようにする。そこに自分たちの存在価値があると考えています。次のTOYOTAやSONYのような、戦後に存在感を発揮した企業のような、次の時代を担うような会社を作っていきたいですね。

チームづくりの哲学

Oh My Glassesはチームのあり方にも強い想いを抱いている。Webサービスもプロダクトであると考え、そのプロダクトをちゃんと作りたいという想いを持ち、配送や出荷も自社で担っている。AmazonやzozoといったECサイトの大手は、自分たちでエンジニアを抱え、配送もおこなうことで顧客の体験を作り出している。Oh My Glassesも満足のいく顧客体験を提供するために、システム、出荷、配送も自分たちでコントロールしていきたいと考えているという。より多くの作業をチーム内でおこなわなくてはならないため、チームの結びつきがより重要になる。

チームが共通認識にしているのは、スタートアップとしての前提条件だ。それは資金の限界が決まっており、そこから決まる時間の限界がある。タイムリミットが来るまでに、どれだけのイテレーションを回せるかが非常に重要になってくる、と六人部氏は語る。

Oh My Glassesではユーザの体験を豊かなものにするために、仮説を立て、検証するというサイクルを一週間単位で回している。ハイスピードで改善を繰り返していくこのチームに新メンバーが入るとき、社員もインターンも関係なく、チームに対してどういった価値を提供できるのかを必ず聞くことにしているという。一流のメンバーが互いに価値を発揮しながら目的のために進んでいくのが、一番強い組織の仕組みだという考えからだ。

順調に数字を伸ばしているサービスの裏側には、自社のプロダクトやそれを作り出すチームへの強い想いがある。このチームが作り出すプロダクトに、今後も注目していきたい。

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