ジャカルタSparxUpショーまとめ[後半]:インドネシアはジャカルタだけではない

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【翻訳 by Conyac】【原文】
ジャカルタで開催されたSparxUpが終わった。e27のジャカルタ特派員がまとめた午後のセッションを紹介しよう。

SparxUp午後のセッションでは、Microsoft Cloud & Platform StrategyのシニアディレクターZane Adam氏が基調講演をおこなった。

同氏は、スタートアップにとってクラウドコンピューティングがいかに重要であるかを強調した。パース(Platform as a Service、もしくはPaaS)を使えば、企業はテクノロジーおよびインフラのコストを節約することができ、企業成長にもっと力を入れることができる。Azureなどのプラットフォームは、アプリケーションをあらゆるプラットフォームで展開でき、多くのスタートアップする支援をすることができる、とZane氏は考えている。

新興市場の拡大

次のパネルディスカッションでは、「新興市場の拡大」について議論された。Zane氏とともに、FoursquareのAkshay Patil氏、GREEのNorita Kobayashi氏、Willix Halim氏、EvernoteのTroy Malone氏が参加。司会はVeritrans IndonesiaのCEOであるRyu Kawano Suliawa氏が務め、「成長」と「企業は事業拡大にどう取り組むことができるか」をテーマにディスカッションがおこなわれた。

GREEにとっては、言語のローカライズは重要だが、同社が参入している国で熱心かつ忠誠心のあるユーザを見つけることの方がはるかに重要だった。「現在、バンドンとジャカルタ地区でデベロッパーを探しています」とKobayashi氏は語った。だが、現地市場の展開に1番良い戦略を見いだすのに、今も苦戦していると同氏は認めている。

Foursquareの場合は、スーパーユーザーコミュニティをフルサポートしており、これがユーザに合った戦略だと思う、とAkshay氏は語った。Foursquareの位置情報ベースのサービスはまだ小さいが、同社はニューヨーク、サンフランシスコ、イギリスに約100人の社員を抱えている。だが、今拠点を置いている地域以外に事業拡大をする重要性はまだないと考えている。同サービスの最大ユーザーベースはどこにあるのかといえば、それはなんとトルコにあるとのことだ。

デジタル倉庫のEvernoteは2009年以来、海外進出に力を入れている。市場開発に対する主な戦略は、ハッカソン、カンファレンス、ユーザのための集会の開催、そして最近発表されたEvernote for Businessだ。企業は急速に成長している。例えば、インドネシアのユーザーベースは25万人に達しており、Troyは同社がインドネシアにもオフィスを開設するかもしれないと言う。今後の計画には、70~90米ドルほどの新たなAndroid向けデバイスのローンチ、そしてハッカソンの開催などがある。

アジアでは、中国、日本、インドがMicrosoftの最大市場である。同社のインドネシアにおける事業展開は20年以上にわたる。ローカライズは国ごとに、地元のデベロッパーと提携しておこない、地元の提携企業との関係を強化した。同社は、クラウドコンピューティングを通じ、同国での足場を強化できると自信を持っている。

一方、Freelancerはブエノスアイレス、ロンドン、マニラ、シドニーに4つのオフィスを構え、150人の社員を持つ。同社はインドネシア市場の重要性を認め、同国での業務全体を戦術的かつ戦略的に管理するキーパーソンとしてカントリーマネージャーを雇用することにした。

インドネシアへの進出

「インドネシアへの進出」をテーマに、最後の基調講演がおこなわれた。NetpriceのCEOであるTeruhide Sato氏は、インドネシアには同産業を支持する物的・人的資源があるため、同国は日本よりも将来有望な国だと賛辞した。同氏は、現地で活躍する日本企業のサクセスストーリーを紹介。eコマース大手の楽天は(infoseek、mytripなどの)他のプロダクトも開発し、2008年に急速な成長をし始めた。

CyberAgentは1998年の危機をうまく切り抜けて以来、非常に人気のあるゲームデベロッパー/パブリッシャーとなった。そして、DeNA(eトラベル、eコマース、そして決済サービスの市場を独占するモバイルパブリッシャー業界の大手日本企業)から学べることは、「海外市場も視野に入れて、国内市場に取組み、国内市場を先導する。それから国外に出てローカライズをおこなう」ことだ。

同氏のキーワードは「タイムマシン」と「ローカル」だ。最初に、インターネットビジネスの歴史について語り、成功例からの教訓について触れた。楽天、CyberAgentそしてDeNAは、唯一の機動力である1つのコアビジネスから始め、その後約7年後に他分野に事業を拡大することができた。

同氏のプレゼンによると、インドネシアは2018年に市場が成熟するそうだ。強力で人気のあるプロダクトやサービスは常に、地元プレーヤーが同業界へ飛び込む刺激となるだろう。これは避けられないことであると同時に、インドネシアの転換期でもある。それゆえに、インターネットビジネスのオーナーは成長を助長するためにこのトレンドを活用するべきだ。

インドネシア市場の模索

「インドネシア市場の模索」をテーマにしたパネルディスカッションは、Merah Putih Inc.のAnthony Liem氏が司会を務め、金曜日のセッションを締めくくった。パネリストとして、Jogijakarta Tech Community Bancakan 2.0のFakhry Bafadal氏、Bandung Tech Community(FoWAB)の共同設立者Reza Prabowo氏、Inbound MarckeingのCEOであるItalo Gani氏、そしてInfinys SystemのジェネラルマネージャーDondy Bappedyanto氏が参加した。パネリストは、現在拠点を置いている地域以外にも、メダンやマランなど、インドネシアのその他の主要都市での経験を語った。

供給面では、ジョグジャカルタとバンドンではデベロッパーやその他のデジタル関連の人材を簡単に見つけることができる。この2都市は首都よりも環境がいい。交通、環境、教育機関の数、生活費の安さ、人の親しさなどを考えると特にそうだ。だが、Dondy氏は、卒業生のスキルと業界が必要としていることの間にギャップがあると指摘した。Fakhry氏とReza氏もこのことを認め、それがテックコミュニティ設立の目的だと同意した。「私たちは教育とテック業界の戦略的な提携を強固なものにする必要があります。今では、私たちの企業がそれを行っています」とDondy氏は語った。

一方で、Gani氏はジャカルタ以外の地域でのB2Cビジネスで苦戦した経験から、B2Bマーケットに重点を置いていることを強調した。「インドネシア人全体で、銀行口座を持っている人はたった20%であり、クレジットカードを所有しているのはわずか9%である」とGani氏は指摘した。Gani氏はより多くの人たちが決済ソリューションを受け入れ、自社を通じての取引が拡大することを望んでいる。

【via e27】 @E27sg

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