タイでコワーキング?HUBBA、スタートアップのサポートについて語る

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【翻訳 by Conyac】【原文】

HUBBAチームが、なぜタイで最初のコワーキングスペースのひとつを作ったのか、そしてタイのテック系スタートアップコミュニティが求めるサポートについて語ってくれた。

e27はタイのコワーキングスペースHUBBAと力を合わせて、「Founders Drinks」やもうすぐ開催される「Echelon Ignite: Thailand」などのイベントの計画に取り組んでいる。HUBBAが地元のスタートアップコミュニティーをいかに支援しているかを詳しく知るために、私たちは同チームの共同設立者Amarit Chroenphan (Aim)氏と対談し、シンガポールと比べてスタートアップへの支援が少ない都市で民間のコワーキングスペースを運営するために必要なものを聞いてみた。

HUBBAのアイディアのきっかけは何でしょう?特に、コワーキングという考え方が比較的新しい場所で、HUBBAを始めようと思ったのはなぜですか?

私たちはコワーキングというアイデアを長年見てきましたし研究もしてきました。皆が話題にしているにも関わらず、実際にそれを行う人がいないことに気付きました。私たちは何か素晴らしいことに取りかかろうとしていました、それは従来の仕事場という領域に頼らずにキャリアの目的を達成できる職場文化のパラダイムシフトです。インターネットやデジタルツールによって、スタートアップやフリーランサーははるかに少ない費用で事業を始めることができるようになりました。

ですが、テクノロジーによって人が事業を始めやすくなったにも関わらず、タイでのビジネスの成功率が向上しておらず、その理由がスタートアップを成功させるためのスタートアップエコシステムがタイにはないことに、私たちは経験のある起業家として気付きました。

私たちはこのことを個人的なミッションとして、事業を始めかけていた同志や同僚の成功を高めると同時に、私たちの最新のスタートアップ(スタートアップ専門のコンサルタント、Ascendex Consulting)で自身の成功のチャンスを促進しようとしました。

私たちは、コワーキングスペースが草の根的な活動からタイのスタートアップエコシステムを確立する上で、最初の、そして最も論理的なステップだと信じています。というのも、まず最初に大きく、アクセス可能なスタートアップコミュニティがなければ、能力構築、ワークショップ、イベント、もしくはシード資金プログラムがどんなにあっても効果がないからです。

私たちはまた、コワーキングというアイデアが世俗的で階層的、かつ政治的で刺激がないというタイの標準的な職場や仕事を震撼させるということ、そして、成功してタイ国内全体にサービスを拡大すれば、人の仕事の仕方を変えると同時に、大手企業の事業の行い方、社員の扱い方までを変える可能性があるということも気に入っています。

ですが、最も重要なことは、私たちがなぜこんなに早く(6ヶ月以内)コワーキングスペースを立ち上げることができたかという理由です。それは、私たちがこのコンセプトが非常に素晴らしいと信じていましたし、一緒になって働きたかっただけでなく、スタートアップの成長と成功をサポートするためにはコワーキングスペースが有益で大事であることを直感的に知っていたからです。

私たちはずっと前からコワーキングスペースがあればよかったと思っていました。そして、もしあれば、絶対に参加し、以前のスタートアップで犯した同じミス(時には致命的なミス)を二度としなかったでしょう。

HUBBAのチームやメンバーについてもう少しお話いただけますか?

驚くと思いますが、HUBBAチームは技術的ではなく、起業家精神の高い集まりです。共同創設者は、Charle Charoenphan、Amarit Charoenphan、そしてKanadej Thamanoonragsaの3人、そして3人のパートナー(Chalermyuth Boonma、Ming Mahakittikun、Fasai Pongpitaksopon)がいます。

メンバーの2人(CharleとMing)はそれぞれ3つのスタートアップを始めている、もしくは共同創設していて、Amaritは2年近くの社会事業インキュベーション経験を持っています。

Note(Chalermyuth Boonma)はTechMeetup Bankokイベントで積極的にコミュニティーを築いています。そして、KanadejiはHUBBAの最高財務責任者であると同時に非公開投資会社のファンドマネージャーも務めています。

最近加わったパートナーのFasaiは、現在、シンガポールのコミュニティディレクターとして一緒に働いていますが、同時にGoogleシンガポールのアカウントストラテジストとしても働いています。

彼女がチームに加わったことで、シンガポールに進出しサービスの東南アジア拡大を目指すタイのスタートアップが抱えるギャップを埋め、e27やベンチャーキャピタルそしてコワーキングスペースなどシンガポールのパートナーをタイやASEANのスタートアップコミュニティに結びつける助けとなるでしょう。

HUBBAには現在どのくらいのスタートアップ/企業/プロジェクトがあるのでしょう?お気に入りのチームは?

HUBBAには100以上の登録メンバーがいます。現在、活発に活動しているメンバーは約50人ほどです。

私たちが気に入ってるチームメンバーに、Computerlogy社出身のVachara(ニックネームはKuk)です。Computerlogyは7時間で「Do Something」をつくって、ジャカルタで開催された「Facebook World Hack 2012」で優勝しています。彼はまた「SocialEnable」という素晴らしいプロダクトを持っており、それはクールなソーシャルメディアモニタリングツールです。

もう1人は、Portfolios.netを運営するAce Thanaboon Somboonです。Portfolios.netは、ポートフォリオ共有サービスではタイ最大のウェブサイトおよびコミュ二ティで、3万人を超えるクリエイター、デザイナー、アーティストが登録しています。彼はCreativemove.comも運営しています。クリエーター、アーティスト、デザイナーが集まったコミュニティの中でソーシャルイノベーションやアクションを助長するオンラインブログです。

タイでコワーキングスペースを成功させるには何が必要ですか?また、どのようなサポートを必要としていますか?もしくは、今、サポートを受けているものはありますか?

成功しているコワーキングスペースは、スタートアップコミュニティそしてスタートアップエコシステム全体に価値を与えることに情熱を持っている素晴らしい人たちによって運営されています。コワーキングスペースの創設者は、クールで、大きい、もしくは安いコワーキングスペースを構築するだけではないということに、細かく注意を払う必要があります。

コワーキングスペースは、実用性、快適さ、利便性に加え、必要なすべてのツールやハードウェアのあるスペースで、スタートアップやフリーランサーが長時間働くことから、仕事と日常生活のよいバランスを提供しなければなりません。

コミュニティマネージャーや促進者という献身的なチームは、実業家、ハッカー、デザイナーなど様々ではありますが補完的なバックグラウンドを持っており、Startup Weekend Bangkokや、ワークショップ、Echelon Ignite: Thailandのようなイベントで、スタートアップ起業家からなるしっかりとした集団コミュニティを集めて育成していきます。

そうすることで、スタートアップが発掘され、出資を受け、世の中と繋がることになるのです。HUBBAチームが毎日繰り返し唱えているマントラがあります。それは、「私たちのコミュニティで、どのようにしたらもっと価値を提供でき、スタートアップの成功をサポートすることができるだろう?」です。

私たちのサポートは必要とされていて、コワーキングの取り組みを普及したいと思っています。そうすれば、もっと多くの人がその取り組みについてもっと自由な感情を抱くことができます。Deskmag.comが行った素晴らしい調査では、街にコワーキングスペースが増えれば増えるほど良いというものです。

それは、より多くの人がコワーキングを体験し、実生活に取り入れる可能性か高まるからだと指摘しています。タイには、「片手で音を出しても両手で出す音には叶わない」ということわざがあります。まったくその通りだと私たちは思っています。

ですから、もし、コワーキングスペースを運営したい人で、スタートアップコミュニティのことを本当に考えている人がいれば、私たちはこれまで培った経験、ネットワーク、そしてできるだ多くのノウハウを提供してその人たちを支援したいと思います。そうすれば彼らも早く成功し、私たちが犯したミスも繰り返さないでしょう。

タイでコワーキングスペースは成長し続けると思いますか?タイのテックスタートアップコミュニティがそこから得るメリットとは何でしょう?

コワーキングスペースは成長し続けるだけでなく、タイそして世界中のペースを加速させるでしょう。コワーキングスペースは、テックスタートアップにさまざまなメリットをもたらします。まず、素晴らしいコワーキングスペースはスタートアップが事業を始めるのを簡単にします。

HUBBAでは5分で登録すれば、すぐにHUBBAをオフィスとして使えるようになります。素晴らしいコワーキングスペースの確かなサポートによって、起業家たちは素晴らしいプロダクトの制作にのみ集中することができます。

2番目に、コワーキングスペースは「促進されたセレンディピティ」の豊富な場所です。自分自身、もしくは自身のスタートアップに永遠に良いインパクトを与えるような出会いのチャンスの場です。促進されたセレンディピティはさまざまな形で現れます。

例えば、理想的な共同設立者に会い何かを一緒に始めたり、抱えている問題を経験者や専門家に助けてもらったり、作業やイベントで学んだことがアイディアやスタートアップの方向を180度変えたり、チームやプロダクトを信じてくれるエンジェル投資家やベンチャー投資家らを見つけたり、などです。

これらのチャンスは、HUBBAにいるような、献身的なコミュニティマネージャーで構成されたチームのみによってもたらされます。HUBBAでは、私たちは誰のことでもすべて知っているので、常に適切な紹介や推薦をすることができます。残念ながら、家や喫茶店で取り組んでいてはこのようなことは決して経験できません。

3番目に、コワーキングスペースは、世界を変えることに夢中な人や、慣習を揺るがしたい人、もしくはものすごいアプリを作ろうとしている人などの、意欲的な人の集まりです。もしコワーキングスペースにスタートアップがジョインすれば、互いに意欲をそそり、互いに野心的になるのは避けられません。起業家というものはもともと競争心のある人たちだからです。

最後に、コワーキングスペースは、テックスタートアップらを世界のスタートアップコミュニティにさらすことで、サービスを早く地域的に拡大するよう支援することができます。HUBBAでは、メンバーの50%がシリコンバレー、ボルダー、ニューヨーク、シンガポール、日本、そして韓国などの国々からの外国チームで構成されています。

スタートアップはコワーキングスペースで毎日英語を話してピッチの練習をするチャンスをえるだけではなく(これは地域拡大するための重要なスキルであることは驚くことではないが、タイの起業家に唯一欠けているスキル)、その他の国のスタートアップエコシステムと事業を地域的に拡大するのに何が必要かを直に学び体験することできます。

タイ国外でのスタートアップの可能性を学ぶ人が増えれば増えるほど、スタートアップは事業拡大に自信を持ち、HUBBAのようなコミュニティビルダーはコワーキングスペースやプログラムを構築して、スタートアップをより良いものへとなるよう支援し、スタートアップエコシステムを成長させることができるのです。その後は、タイのスタートアップエコシステムの成長を止めるものはありません。

HUBBAは「Echelon Ignite: Thailand 2012」の戦略的パートナーだ。このイベントに参加して、一流の起業家、投資家、コミュニティリーダーからタイでの事業に関する話を聞いてみよう。講演者やトピックについての詳細は、「Echelon Ignite: Thailand 2012」の公式ウェブサイトで。

【via e27】 @E27sg

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