WeChat(微信)を使うと、中国国外のユーザも当局の検閲下に

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【原文】

世界最大のメッセージアプリである中国発のアプリWeChat(微信)については、登録ユーザ数が急成長していて3億人に近づこうとしていることや、世界である程度の成功をしていることなど、同サービスの成長推移に関する記事をこれまで何度も書いてきた。

だが、同アプリ(中国最大のウェブ企業Tencent(騰訊)が開発)は今、どうやら特定の「デリケートな」言葉を検閲するよう中国当局に強制され、これまでに培った成功を危険にさらしている。(記事掲載から25時間後の情報更新で、Tencentはこういうことはもうないと述べ、Tech in Asiaに一言寄せた。)

現在、政府の意向に苦闘しているリベラル論調で知られる中国雑誌、英語名:Southern Weekend、中国語名:南方周末は、WeChat上で中国語の名前がブロックされている。だが、これは(同アプリがWeixinと呼ばれる)中国のユーザだけに限られたことではない。今は、その名前を中国語で入力すること自体、世界的にブロックされている。規制通知には次のように書かれてある(写真)。

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「あなたが送ったメッセージ『南方周末』には規制表現が含まれています。再度、確認してください。」

私たちはこれを数通り試してみた。中国のユーザからタイのユーザ(ブロック)、タイから中国(ブロック)、そして、タイからシンガポールのユーザ間でもブロックされた。つまり、この禁止用語は全く送信されないのだ。だが、この雑誌の英語名は送信できる。

中国政府の長年の悩みの種(特定のカルト宗教団体の名前、訳注:法輪功)のいくつかはすでにWeChatではブロックされているが、今回のケースは私達が知る中でも初めての大掛かりな検閲だ。英語の単語やフレーズに明らかな影響が及んでいなくても、このような規制を海外のユーザが不快に感じれば、海外市場の同サービスに深刻な影響を与えるかもしれない。

中国本土の全メディア企業は、政府が話題にして欲しくないことに同調した自己検閲を義務づけられている。このことは、中国で最も人気のあるTwitter似のソーシャルサイトSina Weibo(新浪微博)では頻繁に起こっていて、「デリケート」な言葉やフレーズはかなり定期的にブロックされている。

こういったことが、中国のテック業界にとって2013年が最悪の年になると私たちが宣言した理由だ。

このニュースをTwitterで教えてくれた@Weiguに感謝。情報アップデート:こちらのTwitterユーザが投稿した、別の1例とスクリーンショットも見てほしい。)

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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