Googleが開発中の自動運転車両は中国の交通事情に最適

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【原文】

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カッコイイもののファンなら当然しているように、私もGoogleの自動運転車の動向を細かくフォローしている。昨日、Forbes紙に掲載されていた、将来この車が流通するかについての記事を見つけた。記事を書いたChunka Muiは、その中で良い点を突いている:アメリカで広くこの車が法律的にそして物流的に広まることは難しいかもしれないが、ドライバー不要のこの車は中国においては最適だろう。

それはなぜか?Muiはいくつか重要な点を指摘した。

  • ・中国ではアメリカより、事故や交通麻痺が高い確率で起きる。Googleの車はこれを飛躍的に改善することができるだろう。
  • ・政府は細かい道路を作ったり、信号や標識の取り付けたりするのに必要な費用を削減することができる。
  • ・中国はこのようなテクノロジーを戦略上、経済的に価値のあるものであると位置づけ、それらへの投資に興味を持っている。

これらの指摘は的を射ていて、個人的にはGoogleの自動運転車が中国、そして他のアジアの国にとって最適である理由は他にもいくつかあると考えている。

交通渋滞の緩和が期待できる

中国の多くの都市では、交通渋滞が非常に大きな問題であり、東南アジアの国々にも同様のことが言える。(私たちは昨年、ジャカルタで重い交通渋滞を経験した。)自動運転車があれば交通渋滞が完全になくなるということではないが、全ての車がコンピューターで制御されているのなら、それらは可能な限り交通渋滞を回避するし、効率的にルートを選択するであろうから、交通渋滞を緩和できることが期待できる。

ドライバー不要の車は交通渋滞からくるドライバーへのストレスを軽減することもできるだろう。車自体が交通渋滞を回避している間、ドライバーは運転に集中せず、ラップトップで仕事をしたり、テレビを見たりすることもできる。

ドライバーの教育も今後は問題にならない

中国で交通の問題が多いのは、多くのドライバーの運転経験が浅く、運転に対する養育水準が低いことが考えられる。あまりに多くの人が運転したいと思っているがために、多くのドライバー教育の課程は短い。

また、実践の課程では、実際に彼らが車を走らせる時に出くわさないような、行き止まりの道で徐行するだけの講習だったりする。自動運転の車はこのような問題を一気に解決する。ドライバーの教育そのものが必要なくなるのだから。

自動運転のタクシー?

これについては、Googleがまだ達成していないことだが、自動運転のタクシーを配置することも可能であるように思う。乗客はスマートフォンのアプリで一番近くにいるタクシーに信号を出し、迎えに来てもらう。そして、NFCやその他の位置情報テクノロジーを使用し、タクシーに乗り込む乗客が本当にスマートフォンのユーザーであるかを確認する。

これにより、ドライバーの偏見や運賃交渉の問題もなくなる。更に、ラッシュ時に起こる、どちらが先にタクシーを呼び止めたかといった乗客同士の小競り合いを防ぐことができる。効率性をあげるには、タクシーは乗客の目的地を事前にスキャンし、同じエリアに向かう乗客を複数人(割引価格で)乗せることもできるだろう。

もちろん、これらが実現しない理由もいくつかある。最大の点は、膨大な費用がかかることだ。中国政府は高速鉄道システムなどのハイテクなインフラ設備のプロジェクトへ多額の資金を投入することに前向きだが大規模な崩壊死亡事故を起こした手前、中国は自動運転車のシステムを導入する際にはいかなる手抜きもないようにしなければならない。

しかし、それにしてもこれは良いアイディアであると思うし、中国はGoogleのプロジェクトを注意深く検討すべきであると思う。数年先、このテクノロジーがもう少し安価になり、成熟すれば、政府はテストエリアとして小さい町で自動運転車を導入し、より広い範囲で実現可能か検討してみると良いかもしれない。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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