シンガポールに拠点をおくスタートアップBurppleがまたもやニュースとなっている。今回はAndroid向けアプリをローンチしたためだ。同アプリは1日も経たないうちに25件の評価を集め、平均評価4つ星を獲得するというスタートを切っている。
Burpple(シンガポールのテック業界でも、メディアのお気に入りとなっている)はローンチ以来、大きく報道されている。
だが、Android向けアプリのローンチは消費者からの立場から見れば興味深いものだったが、それだけが同サービスの大きな進展ではなかった。これまでに報道されたなかで、全体像を掴むのに最も良い記事はインドネシアのDailySocialサイトのAulia Masna氏によって書かれたものだ。その記事のなかで、同筆者はBurppleユーザが2か月のうちに倍増しているという事実を強調している。
同スタートアップはメディア発表で、同アプリの「フードモーメント(日記投稿)」は30万件を達成し、世界140か国で利用されていると述べた。これらの数字は2012年11月の実績から増えていて、当時は、フードモーメントが15万件で、世界の115か国で利用されていた。
だが、累積フードモーメントの数字では、同スタートアップのトラクションを正確に把握することはできない。役立たずのアプリでも、TechCrunchで紹介された後に急激に利用が増えた後、あまり注目を浴びなくなってもロイヤルユーザがいることで同じような累積実績を持つこともあるからだ。
だから、Burppleの成長軌道をより正確に把握するためには、利用できる情報に基づいて同アプリの月間利用度を計算する必要がある。幸いにも、正当な概算をするための十分なデータがあったので、同アプリの公式ローンチ後の最初の1か月でログインされたフードモーメント数1万件(データ提供はBurpple)を始点としてグラフを作成した。結果は以下の通りだ。
グラフをもとに、1月の累計フードモーメントはおよそ78,000件(数千の増減を含む)だったと言ってもいいだろう。つまり、2012年6月以来の月間利用度数は約8倍になっているということだ。
同サービスに成長する余地があるのは明らかだ。アジアでは、SnapDishが写真投稿総数190万でBurppleをリードをしているようだが、Burppleは必ず追いつくことができるだろう。同社には50万米ドル以上のシード資金があり、Android向けアプリのローンチによって同スタートアップが切望しているユーザアクティビティの増大が図れると思う。
Burppleはニッチなソーシャルネットワークなので、FacebookやTwitterのような多目的サイトと比べれば、成長の上限が低いのは確実だ。同様のアプリFoodspottingは1000万米ドルでOpenTableに売却されたが、シリコンバレーの基準からすると控えめな額だ。Foodspottingにはフードフォト約300万というデータベースがあるが、それと比較するとBurppleとSnapDishの現在のサービス規模がどれほどのものかが分かる。
Burppleがマネタイズを検討し始めれば状況は面白くなるだろう。現在のレベルで、広告収入のみに頼っているだけでは収益を上げるには十分ではないだろう。同社はそれ以上に革新的な手段を講じる必要がある。
Burppleがマネタイズもしくは売却に成功するかどうかが最も興味深い話題となるだろう。
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