VCもスタートアップも、サステナビリティが求められるようになる——テック界に迫るインパクト革命とは【ゲスト寄稿】

本稿は Trista Bridge によるものだ。原文は BRIDGE 英語版に掲載した。 彼女は戦略と持続可能なビジネスの専門家であり、ビジネスを良い方向に変えることに情熱を注いでいる。サステナブルビジネス=スマートビジネスという強い信念のもと、サステナビリティを核としたビジネスモデルに向けて、マインドセット、ビジネス戦略、働き方をシフトさせるために「Read the Air」を共同設立した。 …

©Dan Taylor/Heisenberg Media
本稿は Trista Bridge によるものだ。原文は BRIDGE 英語版に掲載した。
彼女は戦略と持続可能なビジネスの専門家であり、ビジネスを良い方向に変えることに情熱を注いでいる。サステナブルビジネス=スマートビジネスという強い信念のもと、サステナビリティを核としたビジネスモデルに向けて、マインドセット、ビジネス戦略、働き方をシフトさせるために「Read the Air」を共同設立した。
デジタルメディア、ヘルスケア、消費財、金融サービスなど、さまざまな分野で活躍。最近発売された「Leading Sustainably: The Path to Sustainable Business and How the SDGs Changed Everything(仮訳:持続可能なビジネスへの道、いかに SDGs が全てを変えたか)」の共著者。
<これまでの Trista Bridge による記事>
- コンシューマ・ハードウェアの分野で、より近い関係になりつつある日仏のテックコミュニティ【ゲスト寄稿】
- フランスのスタートアップ・ブログが選ぶ、CES出展のイノベーティブなスタートアップ6選【ゲスト寄稿】
日本では ESG 投資が飛躍的に拡大し、SDGs が政府、企業、個人を問わず受け入れられている。現在、「グリーンウォッシング」には事欠かないが、我々の社会観に根本的な変化が起きていることは否定できない。社会的平等から気候変動まで、そしてその間のすべての問題に至るまで、我々の世界はかなり大胆な問題を抱えていることが広く認識されている。これらの問題への取り組みの緊急性は高まっているが、どのように解決するのが最善か、またその責任は誰にあるのかについては、まだ結論が出ていない。
企業は今まで以上に行動を求められる
以前はこのような問題を解決するために、我々は本能的に国に頼っていた。しかし、政府だけでは対応できないことが分かってくる。マルチステークホルダーの世界へと移行し、世界の課題に対して様々な主体がより大きな役割を求められるようになってくる。企業以外では、現時点でさらなるステップアップを期待されているステークホルダーはほとんどいない。あらゆる規模の企業が、環境や社会へのマイナスの「影響」を最小限に抑え、プラスの「影響」を最大化するという、よりサステナブルなビジネスモデルの採用を求められている。例えば、最近の日本の「2050年カーボンニュートラル」宣言のような動きは、あらゆる規模の企業が二酸化炭素排出量を削減するための措置を講じる必要があることを意味している。すでに、Apple は2030年までにサプライチェーン全体で100%のカーボンニュートラルを達成するという約束をしているが、他の企業も同様の大胆な行動をとる必要があるだろう。
このようにインパクトの重要性が高まっていることは、我々がビジネスの価値を定義する方法を再検討する初期段階にあることを示している。財務力は常に重要だが、環境や社会への影響、そして自社のガバナンスに注意を払わない企業は、実際には成功を危険にさらしているという考えが広まっている。

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テック界に迫るインパクト革命
最近まで、これは大部分が上場企業の現象であり、テック系スタートアップのエコシステムは一般的にこの議論の外に置かれていた。しかし今では、テック業界にも本格的に導入されようとしている。ESG にスポットライトが当てられたのはビッグテックが最初だが、スタートアップや VC、その他のエコシステムのプレイヤーは、サステナビリティの要素について、これまでにないほど精査され始めている。しかし、イノベーターやその投資家は何に最も注意を払う必要があるのだろうか。 ここでは、このトレンドがテックエコシステムの2つのコアプレイヤーである VC とスタートアップのゲームをどのように変えているかについて、いくつかの考えを紹介しよう。
ベンチャーキャピタルへの影響
サステナビリティを重視した原則や慣行の採用は、控えめに言ってもベンチャーキャピタルの間ではほとんど行われていない。プライベートエクイティファームは近年 ESG の導入に向けて躍進し、場合によっては特定のインパクト投資ファンド(TPG の「Rise Fund」を参照)を開発したこともあるが、ベンチャーキャピタルファンドの参入は遅々として進まないのが現状だ。ヨーロッパのベンチャーキャピタルは現在のところ最も進んでおり、Idinvest/Eurazeo、Atomico、Balderton などのファンドが ESG やサステナビリティへの取り組みをいち早く進めている。最近になって、アメリカのベンチャーキャピタルでは、気候や多様性などのテーマに沿ったファンドが増加している。最後に、Sequoia のような有力ファンドが、サステナビリティ、特に気候技術(climate tech)に積極的に投資することを発表している。しかし、これはまだ始まりに過ぎず、ベンチャーキャピタルのコミュニティにはまだ道のりがあることは明らかである。とはいえ、今後数年でこの分野の投資が加速するであろう3つの重要な理由がある。
- リスクの軽減。金融とテクノロジーの両面で規制環境がますます厳しくなっており、消費者の意識が高まり、「良いビジネス」とは何かという基準が変化している中で、スタートアップがこれらの問題にどのように取り組んでいるかを考慮せずに投資を行うことは、ますますリスクが高くなっている。投資機会のスクリーニングに ESG 基準(最低でも)を使用することで、投資家はポートフォリオのリスクを軽減するための具体的な方法を得ることができる。
- リミテッドパートナー(LP)の利益。LP は、市場をリードするリターンをファンドに求めているが、サステナビリティの重要性も急速に高まってきている。場合によっては、ステークホルダー(株主、顧客、出資者)がサステナビリティを求めていることもある。また、ファミリーオフィスのように、個人が自分たちの価値観を投資方法に反映させたいと考えているケースもある。将来的には、VC がファンドの運営や投資活動に ESG の原則や実践を取り入れなければ、評判の良い LP から資金を調達することは困難になるかもしれない。
- 機会。これまでの技術の波は、接続性、効率性、情報の発見など、多くの第一階層の問題に取り組んできたが、次の波は、より根本的な社会的課題や環境的課題に取り組むことになるだろう。将来の価値は、これらの複雑な問題を解決するイノベーションによって牽引されることになるだろう。

スタートアップへの影響
起業家が限られたリソースで会社を設立しようとするとき、一般的に言えば、彼らが最後に考えるのは自分たちの製品が環境や社会に与えるインパクトについてだ。そして、もっともなことだが、彼らが重視するのは、プロダクトマーケットフィットや顧客の獲得など、ビジネスの基本的なことに集中する傾向がある。しかし、スタートアップはバブルの中でビジネスを構築しているわけではない。本稿で述べた社会的・環境的ダイナミクスの多くは、今後のスタートアップの成功に影響を与えるだろう。現在では、スタートアップの規模拡大を支援する制度(資金調達やトレーニングなど)は以前よりも増えた一方で、スタートアップが事業を展開している環境は、ほんの10年前に同業他社が直面していた環境よりも、多くの点で複雑で競争の激しいものとなっている。そして、パンデミックによって、この状況はさらに複雑になっている。この新しいパラダイムに備え、成功するために、スタートアップは何ができるのだろうか?
- リスクを予測し、それに応じた準備をすること。今日のスタートアップは、過剰な規制や複雑さを恐れて、先代の人々が敬遠していた分野でイノベーションを起こしている。これは称賛に値することだが、一方で新たなリスクも抱えている。早期に社会や環境への影響を考慮したアプローチをとることで、将来的に起こりうる問題を回避することができる。例えば、AI を使ってイノベーションを起こしている起業家は、自分たちが開発したサービスのバイアスや悪質な利用の可能性について潜在的な問題を考慮しているだろうか。これらの潜在的な問題を回避するために、彼らはどのような行動をとることができるだろうか? あるいは、フードデリバリサービスは、公正な労働慣行やプラスチック包装廃棄物の山が環境に与える影響について考えているだろうか? これらの問題に早期に先手を打つことは、規制上、風評上、またはその他の理由で、将来起こりうる問題を回避するのに役立つ。
- 投資家の優先順位の変化に対応すること。当然のことながら、VC のサステナビリティへの関心は高まっているため、同じような取り組みをしているか、そうすることに意欲的なスタートアップに目を向けることになる。 VC がコミットメントを行う際には、LP やその他のステークホルダーに、ファンドと投資先が連携して動いていることを示す必要がある。これは、多くのスタートアップにとって大きな要求であることは言うまでもない。これを実現するためには、ベンチャーキャピタルはこれまでとは異なる方法で、多くの場合、これまで以上に積極的にスタートアップを支援する必要がある。
- サステナブルなイノベーションへの傾倒。心強いことに、気候技術(climate tech)、フードテック、サステナブルなファッション、フィンテック、ヘルスケアなどの分野では、スタートアップにとって無限のチャンスがある。効率的かつ低コストで炭素を効率的に捕捉・蓄積し、ヘルスケアへのアクセスにおける不平等を大幅に削減し、食糧システムの回復力を強化するような製品やサービスを構築するスタートアップは、次世代の勝者となるだろう。Northvolt、Impossible Foods、日本のユーグレナのような急成長中の成功事例は、すでにそれが実現しつつあることを証明している。今日ポジティブなインパクトを与える機会に取り組むことが、明日には配当につながるのだ。
IT業界の営業を強化する『D-Biz Share』の活動報告と2021年5月からの本格始動についてのご報告

D-Biz Shareは役員を含め社員数が3名以上、50名未満の企業を対象にコロナ状況下で弱っているデジタルビジネス分野における営業を支えます。 D-Biz Shareは株式会社デジタルビジネスシェアリング(本社:東京都渋谷区、代表取締役:飯村有)が提供する「IT業界の中小零細企業に対して営業強化を行うための案件・ナレッジ・リソースのシェアリングエコノミーサービス」です。本記事では活動報告と202…
ジンバル持って桜を撮ろう!Pergearで「お花見ジンバルセール」開催中

撮影が楽しくなるサイトPergear(https://pergear.co.jp/)で「お花見ジンバルセール」を開催しています。中には半額以下になる製品も。外での撮影機会が増えるシーズンに合わせ、ぜひこのチャンスをご活用ください。桜が咲き、新たな生活がスタートする季節がもうすぐやってきます。お花見や入学式などのイベントに合わせて、新しい撮影体験をしていただくことを目的に、Pergear(https…
KADOKAWA ライトノベル EXPO 2020(らのすぽ)に「ファンタジア・リビルド」の公式ラジオの出張版の配信が決定!今後のアップデートや未公開情報などの盛りだくさんでお届けします!

合同会社EXNOA(本社:東京都港区、CEO:村中 悠介、URL:https://games.dmm.com/)は、株式会社KADOKAWAが展開する人気ライトノベルレーベル『ファンタジア文庫』を代表する作品とクリエイター陣が集結して制作するクロスオーバーRPG「ファンタジア・リビルド」(iOS/Android/PC)は、3月6日(土)から開催されるKADOKAWA ライトノベル EXPO 202…
1対1のライブトークが楽しめるオンラインイベントアプリ「WithLIVE」1月イベント参加数が前年同月比200倍に

ウィズコロナ時代にアーティストとファンをつなぐ 株式会社WithLIVE(東京都渋谷区、代表取締役:大島翼)が運営する、アーティストと1対1のライブトークができるオンラインイベントアプリ「WithLIVE」(ウィズライブ)は、昨年来需要が急拡大しており、2021年1月のイベント参加数実績は前年同月比200倍となりました。 1対1のライブトークサービスの先駆け「WithLIVE」 「WithLIVE…
完全会員制『29ON』の総支配人が知られざる日本酒とアテのペアリングを共有するオンラインサロンがオープン!

「酒とアテ」をこよなく愛する人達が、楽しく関われるコミュニティ! 低温調理肉と日本酒のペアリングで支持されている完全会員制のレストラン『29ON』を運営する株式会社29ON(代表取締役:米山 健一郎、本社:東京都港区)は、飲食店だからこそ出来るコミュニティとしてオンラインサロンを開設いたします。 日本酒のペアリングはグループイチ!サンチェス下田のオンラインサロン【酒とアテ研究会】を発足 『29ON…
『やさしいお葬式(TM)』が【山梨県】へ新型コロナ感染症で亡くなられた方へのご葬儀プランを拡充

各地域で新型コロナウイルスで亡くなった方の対応が異なる現状を、地域事情に合わせ、直葬プラン(火葬)、お別れ葬プラン(後葬)、最後の面会プラン、エンバーミングプランで故人の方へのお別れが困難な現状を解決 全国の葬儀社の紹介や葬儀に関するコラムなどを網羅した総合サイト『やさしいお葬式(TM)』や、僧侶のマッチングサービス『やさしいお坊さん(TM)』などを展開するライフエンディングテクノロジーズ株式会社…
ブロックチェーン/暗号通貨メディアCRYPTO TIMESがCT Analysis第14回レポート『2020年暗号通貨/ブロックチェーン業界動向』を無料公開

株式会社ロクブンノニ(本社:東京都新宿区、代表取締役:新井進悟)がブロックチェーン/暗号通貨に特化したリサーチレポートCT Analysisの第14回レポートとして『2020年暗号通貨/ブロックチェーン業界動向』を本日より無料公開いたします。 株式会社ロクブンノニが運営するブロックチェーン/暗号通貨専門メディア『CRYPTO TIMES (https://crypto-times.jp/)』のリサ…
会社ロゴ・ホームページのリニューアルについてのお知らせ

新型コロナを乗り切れ!対面ビジネスから脱却するべくインターネット・投資企業へ 株式会社リクセルは、2021年2月26日より会社ロゴ及び、ホームページのリニューアルを行いましたのでお知らせ致します。【新ロゴマーク】 【新会社ページイメージショット】 会社ページ:https://reccel.co.jp/ 【リニューアルとロゴ変更に至った背景】 2020年前半から新型コロナウイルス感染拡大により、対面…
3D着せ替えコーデRPG『シャイニングニキ』物語への扉を開くドラマチックなストーリーPVと豪華声優陣によるキャラクターボイス付きストーリー動画を一挙公開!

Papergames(ニキ株式会社)は、全世界でシリーズ累計1億DLを突破した大人気着せ替えゲームの最新作『シャイニングニキ』において、物語の扉を開くドラマチックなストーリーPVと豪華声優陣が演じるキャラクターボイス付きストーリー動画を一挙公開したことをお知らせいたします。 ■『シャイニングニキ』ストーリーPV https://youtu.be/57HN1GOvKm4 「文明が滅びる時って&hel…
電車内での極限のバトルを描いた美少女ゲーム最新作にYouTuber・餅月ひまりが本人役で出演!本日発売!

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観光分野特化の顧客対応AIソリューション「talkappi」を長良川温泉 十八楼へ導入

観光分野のDXを推進する株式会社アクティバリューズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:陳適)は、「顧客対応の効率化、自社販売率の向上を支援する」顧客対応AIソリューション「talkappi(トーカッピ)」を、株式会社十八楼 (本社:岐阜市、代表取締役:伊藤善男、以下十八楼)が運営する十八楼に導入いたしました。 ■talkappi(トーカッピ)について 顧客対応AIソリューション「talkappi…
「ネオモバFX」、1周年記念キャンペーン実施のお知らせ

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