MasterCardがPCとモバイルでクレジットカードによるオンライン決済を可能にする「MasterPass」を提供開始

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【原文】

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MasterCardは新たな決済システム、MasterPassを先日発表した。今後、オーストラリアとカナダで順次導入を進める予定だ。

MasterPassとは、クレジットカードによるオンライン決済を可能にするサービス。モバイルサイトとPCサイトでの使用が可能で、オーストラリア、カナダと導入を開始し、その後他の国への導入も進める。この新しいサービスにより、サイトによってはMasterPassを使用するユーザへのオプションが追加されるようだ。

MasterPassとは、PayPass Wallet Servicesをアップグレードしたものである。この新しいサービスによって、NFC(モバイルペイメント)、QRコード、一般的なオンラインを経た支払いの記録を統合することができる。

MasterCardのシニアバイスプレジデントEd Olebe氏によると、多くの販売業者が顧客にとって利便性の高いデジタルな支払い方式を、従来の買い物の仕方に統合する方法を模索しているという。

MasterCardによる説明は以下の通りだ。

「私たちはMasterPassの導入により、皆様のショッピングをワンランク上のものへと導きたいと考えています。購入したい商品を、マウスを1回クリックするだけで、またはタブレットやスマートフォンの画面をタッチするだけで、希望の保証を付けて決済します。自宅でも、店頭でも、外出中でもご利用いただけます。」

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このMasterCardの発表で特筆すべき点は、最初にこの新しいサービスを展開する場所としてオーストラリアを選んだことだろう。マーケット開発&イノベーション部門のトップ、Matt Barr氏はこう語る。

「私たちはオーストラリアを実験台として選んだのではありません。オーストラリアの消費者は新しい技術への適応が早く、現にスマートフォンの売り上げとeコマース市場の急激な拡大をもたらしました。」

Matt Barr氏はさらに、この新しいサービスは情報を管理するMasterCard以外の売り手に情報が漏れることは100%あり得ない、という。

オーストラリアにおけるスマートフォンの普及率はどれくらいなのだろうか?リサーチ会社Frost & Sullivanの発表した携帯端末の使用率に関するレポートによると、15歳から65歳までの人口のうち68%が既にスマートフォンを所有しており、オーストラリアの全人口で見ると、41%にスマートフォンが普及していることになる。2300万人の人口のうち、900万人以上がスマートフォンを持っている計算だ。Frost & Sullivanはさらに、2017年までにはスマートフォンの普及率は全人口の65%にまで増加すると見込んでいる。

eコマース市場の成長に関する別の報告では、PayPal Australiaによると、オーストラリアにおけるオンライン上の消費活動は年率7%の増加を続けているという。2011年の時点で297億豪ドル(304億4000万米ドル)の規模にまで拡大しており、2013年には348豪ドル(356億7000万米ドル)に達する見通しだ。

MasterCard以外では、Visaが新しいサービスを積極的に推し進めている。Visaは近年、新たな差し込み式のモバイルペイメントのプラットフォームをローンチしており、送金を簡略化することで金融機関と携帯端末の管理会社にとって、さらに効率的な金融サービスを消費者に提示できるようになる。

スタートアップのみならず、多くの企業がスマートフォンの普及拡大とeコマース市場の成長を利用しようと革新を続けている。

【via e27】 @E27sg

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