Poin Web、日本のポイント交換システムをインドネシアのユーザに提供

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【原文】

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新たな日本企業がインドネシアの市場獲得に目を向けている。今回は、オンラインでポイント交換サービスを提供するPoin Webだ。同サイトがインドネシアのユーザに提供しているのは、特定のオンライン行動をすれば無料でポイントが貯まり、同サイトに記載されている特典と交換ができるというサービスだ。

これは、別の日本のポイント交換サイトExcite Pointのビジネスモデルに似ている。そして、このようなビジネスモデルがインドネシアではまだ比較的新しいことから、大きな期待を寄せるPoin Webチームは今年の年末までにユーザ100万人と、提携小売店300店を集めようとしている。

もちろん、タダなわけはない。このサービスの本当の行動原理は広告だ。Poin Webのサイトを見ると、現在ユーザがポイントを獲得できるアクティビティが17種類ある。そのなかには、同サイト内に隠れている可愛らしい忍者を探すことや、アンケート調査への参加、簡単なゲームで遊ぶこと、小売店のサイトをクリックすること、そして、小売店のFacebookページもしくはTwitterページを宣伝することなどがある。

それらのアクティビティのなかには、クーポン券が当たるというような「くじ引き」を行っているものもある。ユーザはこれらのアクティビティを行ってポイントを獲得する。そしてそれらアクティビティはほとんど無料で行える。ユーザは集めたポイントをスターバックスや楽天、PayPalなど、Poin Webの提携小売店のクーポン券と交換できる。

前述した同サイトのアクティビティは、ブランドや小売店のためのオンライン広告チャネルとして機能している。Poin Webは、小売店からの要望 ——例えば、ユーザを特定のサイトに誘導させるというようなこと—— に応じて、CPA(顧客獲得単価)から収益を得る。

ポイント狩りをする人?

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Poin Webは、日本のRealWorld Asiaとインドネシアの金融グループCorfinaによる合弁事業だ。Poin WebのCOOである村松龍仁氏は TechinAsiaに対し、ポイント交換サービスには「ポイント狩り」という問題があることを認めている。

「ポイント狩りをする人」というのは、小売店に何らかのかたちで実体のあるメリットを提供することなく、ポイントをできる限り集めようとする人達のことだ。例えば、ポイント狩りをする人は複数のアカウントを持ってポイントを増やすため、小売店はこのような架空のアカウントからはほとんど何も得ることができない。

村松氏は、RealWorldには同業界で7年の実績があり、企業広告主のためにユーザの質を高めるためのソリューションも導入したが、ポイント狩りの問題を完全に回避することはできないと語った。また、同社のクライアントの多くが実際に同サービスを繰り返し利用していると村松氏は説明している。つまり、このポイント交換ビジネスモデルは彼らにとっては有効であるということだ。

村松氏は、同社がインドネシアで新しいユーザを集めることは大きな課題にはならないだろうと確信している。また、同氏が主に懸念していることは、Poin Webにもっと多くのアクティビティを加えることだと付け加え述べた。そのなかには、クラウドソーシングや、ユーザにポイントを獲得するよう簡単なメッセージを書くというような小さな仕事もある。Poin Webのサービスを活用して、インドネシアでビジネスを行おうとする外国企業も何社か存在している。

もっとポイントを!

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ポイント交換システムは良さそうだが、このビジネスモデルはポイントの還元額が低いので、若いユーザ、もしくはお金に困っているユーザには魅力的かもしれない。例えば、ユーザがPayPalから5万インドネシアルピア(5米ドル)を貰うには、52,500ポイントを交換しなければならない。

つまり、1ポイントは1インドネシアルピア(米ドルではわずか0.01セント)相当ということだ。そして、ほとんどのアクティビティにおいて、ユーザが得られるポイント数はわずか1~2ポイントというところ。つまり、ポイント獲得に費やした努力への報酬はわずかということだ。

例えば、友達を1人紹介すれば1,000~2,500ポイントが貰えるアクティビティがあったとしても、長期的に見れば、定期的にポイントを集めたい人にとっては、この紹介システムが主力の武器になるとは思えない。時には、5万~10万インドネシアルピア(5~10ドル)のクーポン券が当たるくじ引きを提供するアクティビティがあることもあるが、残念ながら、今のところそういうクーポン券が貰えるのは1人しかいない。

このポイント交換システムを魅力的に感じる広告主もいるだろう。というのも、ユーザがオンラインアクティビティを通じて集めたポイントで特典を得ることができるからだ。だが、このサービスが成功するかどうかは、同サイトのすべてのユーザが特典、すなわち、わずか0.01セントよりもマシな現実的な特典を得ることができるかどうかだろう。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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