「就職か起業か」ーーnanapi古川氏が語る学生起業に必要な三つのこと

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今の学生にとって「就職と起業」は選択肢になるのだろうか。私はMOVIDA JAPAN主催の学生向け起業イベントに参加したのだが、会場には100人近くの起業志望の学生が集まり、その中には高校生も含まれていた。起業のハードルは確実に下がっている。

イベントの冒頭でキースピーチを担当したnanapi代表取締役の古川健介氏は学生時代にミルクカフェを立ち上げ、事業売却後にリクルートへ入社。大企業の経験を経てスタートアップした経験豊富な若手起業家だ。

彼が壇上で学生に向けて話した学生起業に必要な三つのポイントをまとめた。

優秀な友人と起業しよう

友人と起業してもうまくいかないと言われることがある。確かに一利あるけど、例えばFacebook共同創業者のモスコヴィッチ氏はザッカーバーグ氏のルームメイトだった。

彼はプログラミングができないのに猿でも分かるプログラミングのような本を読んで、世界最大のサービスの基礎を作った。ハーバードのエリートような優秀な人材であれば、気が合えば割と成り立ってしまう例じゃないだろうか。

nanapi も中学高校の同級生と一緒に立ち上げている。極論、インターネットビジネスじゃなくても一緒にやってると思う。

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やりたいことで起業しない

GREEは今でこそソーシャルゲームで大きく成功しているが、ここに至るまでに事業の変更が何度かあった。最初はソーシャルネットワーク、次にリクルーティング、アバターを経てソーシャルゲームがヒットしている。

ビジョンを掲げても事業が大きく変わる可能性は大いにある。起業してから平均して8回ぐらいの事業に失敗するという話もある。どうせやることが変わるなら、最初は何やってもいいよね、という考えでnanapiという事業は始まっている。

もちろんやりたいことがあって、起業するのもすばらしい。けど、色んなことをやって当たったらそれをやるというのもいい。

受託はやった方がいい

これはネットビジネス限定かもしれないけど、いわゆる開発委託を受けて納品するという仕事がある。これをスタートアップはやらない方がいいという意見もある。けど、自分は少し違った考えを持っている。nanapiは3.3億円を調達するまで、半分ぐらいは受託開発で売上を立てていた。

ディレクターとプログラマーが一人ずついると半分ぐらいの工数で数百万円のお金になる。受託の良さはやはりお金が貰えるということ。サービスだけで毎月数百万を稼ごうとすると長く時間がかかる。受託をすれば同時にスキルも身につくし、サービスでマネタイズを焦ってリソースを分散させるぐらいなら、数百万円から数千万円レベルの受託をやったほうが話が早い。

数百万円の資金を「運転資金」としてエンジェルなどから調達するのはやめた方がいい。運転資金を受託で稼げるようにしておけば、追いつめられて、もうちょっとでなんとかなるのに、という段階でサービスを諦めなくて済む。あくまでエンジェルやアクセラレーターはメンターとして参加してもらうように。

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