新しいモノとの出会いで考えたい、いくつかのこと

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2013.4.5

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ゼロスタート代表取締役 山崎徳之氏

インターネット時代、私たちはモノや情報を探すとき、当然のようにGoogle、ヤフーといった検索エンジンを使うようになった。人の手がかかったディレクトリ型検索からロボット型検索に至るまで様々なアルゴリズムの進化に伴って、検索結果の精度はどんどん上がっていった。

そんな中、ソーシャルやキュレーションといった「人力」での情報共有が新しいモノとの出会いを生み出そうとしている。PinterestやFancyをはじめ、国内でいえば、この記事で紹介したサービスSumallyなんかはまさにそういう導線を作っている。ソーシャルとザッピングによる発見性だ。

検索はクエリを知らなければそもそも調べられない。ザッピングは楽しいが偶然性によるところが大きい。モノとの出会いや調べ方はこれからどうなるのか。私自身の頭の整理も兼ねて、サイト内検索などを手がけるゼロスタートの代表取締役社長、山崎徳之氏に話を聞いてきた。

ザッピングで見つけるモノ、検索で探せるモノ

まず、探し方や出会い方を考える前に、モノの分類や探し方について少し整理してみる。下図の縦軸は手に取りやすさを示している。例えば財布なんかは気に入ればすぐ手に取れるが、家や車を一度も説明聞かずに購入することは稀だろう。

商品の分類も大量生産の効く型番商品や、手作りで世界に一つしかないようなモノもある。これをざっと眺めて探すザッピングと、情報入力しながら探す検索で右左にざっくりと分類するとこういうイメージになるだろうか。

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分類のポイントは実際の体験性として「人に聞いた方がいいかどうか」にあると山崎氏は指摘していた。「鞄とかはわざわざ店員に聞いて買うより、ブラブラして見つけた方が楽しいでしょ。でも賃貸住宅とか中古車、電子機器や旅行、こういったものはその手のプロに聞いた方が早く見つかる」。

こうして探し方とモノとの関係性を考えると、サイトのナビゲーション、検索のあり方、イメージの使い方にも一定の法則が見えてくるように思う。

検索はサイトのもの

山崎氏と話をしていてなるほどと思ったのが「検索はサイトのものであるべき」という言葉だ。通常、検索はキーワードを入力して能動的に探し出す、というイメージが強い。「でも実は違うんです。サイト側がユーザーの残した足跡に対して新しい出会いを『提案』するものであるべきなんです」。

サインアップで入れた情報、ユーザーがクリックしたイメージ、あらゆる情報を元に検索エンジン側でユーザーとアイテムを「マッチング」させる。山崎氏によればそれが検索のあるべき姿なのだという。

例えばユーザーが写真集を購入しようと特定商品をキーワード検索したとして、在庫がゼロなら他のものを提案する。検索が単なるデータマッチングではなく、オフラインの店員が考えるであろう行動をイメージすることが大切と教えてくれた。

ウィンドウショッピングとしてのザッピング、コンシェルジュとしての検索

元々この話はオフラインとオンラインでのモノの出会い方、探し方の違いや将来像について話すところから始まっていた。ザッピングメディアの体験性は、雑誌や街でのウィンドウショッピングに似ているものだし、検索の役割というのはお店の店員がオススメする行為に似ている。

見ただけでピンと来るものにはザッピングが見つけやすく、会話で検討が必要なモノには検索が探しやすい。

ただ、ザッピングがウィンドウショッピングに近いというのはイメージしやすいが、検索が担うオススメとはどういうものだろうか。一つの答えにサジェストがある。

「コンシェルジュのようなものです。例えば車を探していて『街乗りの燃費のよい車を探している』と中古車店で聞けば『どんなメーカーが好きですか』『この車種が最近人気です』などと聞いてくる。それと同じように、ユーザーが提供してくれた情報を元に、関連する情報を積極的にサジェストすればいい」。少ない情報を元にサイト側が整理して答えを絞っていく。

新しいモノとの出会い

なんだかんだ言って、新しいモノとの出会いはオフラインが楽しい。本は本屋、服や鞄はファッションビル、探しまわってる間に気分がよくなっていつの間にか雑貨を手にしていたりする。逆に大量の水を購入するのはやっぱりAmazonや楽天で購入して届けてもらった方が安いし早いし便利だ。

今回の話でザッピングや検索、オンラインやオフライン、それぞれの方法で出会えるモノは違うし、ソーシャルメディアやデバイスが発達して選択肢が増えた今、よりニッチなモノに対して最適化された発見方法があるのだと理解した。細かいマトリックスを作れば空いている席がどこか見えてきそうだ。

オンラインECが成長したと言っても、小売り市場規模134兆円に対して電子商取引はまだ8.5兆円という規模に過ぎない。広大な可能性を掴むポイントは、このあたりに隠れているのかもしれない。

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