クラウドソーシングは働き方の選択肢となるのかーランサーズとクラウドワークスに聞く(後編)

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クラウドソーシングという働き方は就職や起業とは違った新たな選択肢なのか、単なる副業なのか。プラットフォーマーとして国内市場を牽引するランサーズ代表取締役の秋好陽介氏、クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏に「クラウドソーシングの今」を聞いてきた。(後編)※前編に引き続き後編をお届けする。

「オープンソース」な働き方を提供するクラウドワークス

例えばエンジニアやデザイナーには最適な仕事のやり方がある。例えば他の営業の人が使っているディスプレイよりも大型で高精細のものが必要だったりする。しかし企業には同時に「その人になぜそれが必要か」という妥当性が求められる。

吉田氏はこういった課題に対して、上場企業に在籍した経験から「会社という枠組みではなく、個人の側からアプローチする方法」での仕事の最適化が必要と語る。特に時間と場所についてはこれまでの国や企業といった枠組みで語れない働き方が必要と考えるべきだろう。

「例えばPCだって、WindowsやMacといった、どこかの誰かが作ったOSをライセンスして使う場合もあれば、リナックスのようなオープンソースを使って自分たち独自のOSを作る場合もある。働き方も一緒。国や企業を『ライセンスされた働き方』とみるなら、こちらは『オープンソースの働き方』」。

「この働き方だけで食べていけるのならそうすればいいし、兼業や副業として取り組むことも大いに考えられる。どちらが良い、悪いではなく、選択肢がひとつ増えたことが大切」と選択の重要性を語った。

オープンソースな働き方とは

クラウドワークスのプラットフォームとしての立ち位置は「マッチング内容に深く関与しすぎない」ということにありそうだ。例えばクラウドソーシングの一つの課題に価格設定がある。吉田氏は「ある依頼が500円だったとして、それをプラットフォーム側が高い、安いと判断するのではなく、双方合意の上マッチングが成立すればそれを尊重すべき」とスタンスを説明する。

また、会社であれば急な病気で戦列を離れても組織として体制を保てるという側面がある。個人では一事が万事、すべて自己責任になってしまう。

この点についも吉田氏は「oDeskにはここで一定期間働いた人に対して社会保険に加入してくれる仕組みがある。中長期の姿としてクラウドワークスで働く人たちが相互に互助できるセーフティーネットのような仕組みというものはあるかもしれない」と解決方法について教えてくれた。

3.11をきっかけに広がる「個」の働き方の変化

両社にここ数年のクラウドソーシング市場が注目され、成長している理由を聞いたところ、同じく3.11の話題が出てきたことには共感を覚えた。いくつかのクラウドファンディングの立ち上がり経緯もやはり震災の影響で、オンライン上で多くの力を集める、という文脈から生まれてきているからだ。

秋吉氏も「震災はひとつのきっかけになったのではないでしょうか。『ノマド』なんて言葉が出てきたり、世の中的にも在宅勤務とかが許される風潮になった」と振り返る。

就職や終身雇用、会社という絶対的な価値に対して、「そうではない」選択肢の模索が始まりつつあるのだ。

クラウドソーシングは働き方の選択肢になりうるか

私もフリーランスからこのSDを立上げるまでの間、就職や起業など、色々な働き方を経験した。一番難しかった(これは今でもそうだが)のは働くためのルールを自分で作る、という部分だ。

もしクラウドソーシングのようなプラットフォームがもっとスタンダードで、当たり前の選択肢としてあったなら、当時に見よう見まねでやっていた営業も開発仕事も、もっと効率的にステップを踏めたかもしれない。

吉田氏は50万円以下の開発受託案件を効率化して流通させたいと語っていた。開発だけでなく、こういうマッチングが増えれば、世の中全体として仕事が安定していく可能性がある。

価格破壊を嘆くよりも、元来流通しなかった、もしくは仕事をしたくても出来なかった人との出会いが生まれることの方に可能性を感じたい。私たちSDが翻訳記事を配信できるようになったのもConyacとの出会いがあったからだ。

そしてこの流れがさらにスタンダードになれば、世の中で働く人たちが新しい生活、働き方を選択しようという時、大きな助けになるだろう。

就職していて次の日に起業、と言われてもピンとこないかもしれないが、こういう現場で自由な仕事の仕方を学べば、ジャンプの仕方も自然と身に付く。仕事の経験が浅い学生起業家や、起業家のルーキーであればあるほど、この仕組みをしっかりと学ぶべきではないだろうか。

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