なぜWeChat(微信)とWeibo(微博)の争いが今年一番注目なのか、そしてWeiboが勝たなくてはならない理由

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【原文】

wechat weibo

中国のソーシャルメディアというと、メジャープレイヤーは2社しかいないことは明らかだ。Sina Weibo(新浪微博)とTencent(騰訊)のWeChat(微信)である。もちろん他にもプレイヤーはいるものの、やや時代遅れという感は否めない。Renren(人人)など他の伝統的なSNSは、もはやクールなものではなくなってきている。

Tencent Weibo(騰訊微博)や他のマイクロブログは多くのユーザを抱えているかもしれないが、常に大きな話題はSina Weiboからしか生まれない。いくつかの掲示板サイトはいまだに多くのユーザ数を誇ってはいるものの、人口全体で見れば、わずかに対してリーチできているに過ぎない。例えるなら、年老いたおばあちゃんがTianya(天涯)に辿り着くことはあり得ないだろうということだ。

だから、一番クールで最も早く成長するという栄光を得るのは、WeChatとSina Weiboだけということになる。中国以外では、WeChatはすでにこのレースに勝っており、SinaはWeiboサービスを中国以外のユーザには惹きつけようとはしていない。

しかし中国国内では、Sina Weiboは5億という圧倒的なユーザ数実際にはそのうちのほとんどがアクティブユーザではないのだが)を誇っている。 WeChatは先月、ユーザ数が3億を突破した。すべてのユーザが中国人というわけではないが、同サービスは急速に成長し、今後数年でWeiboを追い抜こうという態勢を整えている。

あなたがTencentやSinaの株主だったり、あるいは中国語のソーシャルメディアユーザでないなら、大した問題には思えないかもしれない。しかしサービスそのものが非常に異なっているため、WeiboとWeChatの戦いの行方は中国社会にとっても大きなインパクトをもたらし得るのだ。

ここ数年での成長につれて、Weiboは中国の市民社会と政治にも大きなインパクトをもたらしてきた。このマイクロブログサービスによって情報はすこぶる迅速に拡散し、検閲から汚職環境問題といった社会問題が注目されるようになった。また、多くのユーザの中国に対する認識を改めることにもつながった。つまり、それまで「ローカル」な問題とされていた事柄が、国全体の問題であることを見せつけてくれたのだ。

例えば5年前、地元の川の汚染は近隣の工場からくるものとあなたは考えただろう。しかしDeng Fei(鄧飛)氏によるWeiboキャンペーンなどにより、国全体で多くの河川に同様の問題があることがWeiboを通して簡単にわかるようになった。つまり、以前ならローカルの問題と捉えられていた問題が今は国全体のものとなった。こういう状況になると、地元の政府機関について不平を言うのではなく、国全体を変えようという動きが活発になってくる。

Weiboへアクセスすれば、当局によって検閲されていない(検閲される前に、の話だが)、中国社会を変えつつある情報を全国から即座に得られる。企業や政府に対し、透明性や責任感、自発性を植え付けることとなった。もちろん、Weiboが中国を代議制民主主義国家に変えたわけではない。サービスそのものにも多くの問題がある(とりわけ、厳格な検閲。多くの場合、回避可能でもあるのだが)。だがそれにもかかわらず、私は中国社会にとって、Weiboはないよりはあった方が断然良いように思う。

だからWeiboのWeChatとの戦いは非常に重要になる。WeChatは全く別のフォーカスに基づく全く別のサービスである一方で、ユーザがWeChatで時間を使えば使うほど、Weiboに使われる時間は少なくなる。さらに友達とチャットしたり有名人をフォローするのは楽しいものの、WeChatはWeiboのように迅速に情報を伝達するためにはデザインされていない。

WeChatのフォーカスが友達のサークルと地元エリアであるのに対し、Weiboのフォーカスはもっと広い。汚染された川の話に戻れば、Weiboの場合、国全体に散らばるフォロワーに川の写真を共有し、彼らがさらに共有する。あっという間に、国全体に広がることだってある。でもWeChatでは、友達や同僚と川について文句を言うだけだ。地域の限られた社会的つながりの中に限定される。仮に広がったとしても、その広がりは目に見えづらく、少数の人が話しているだけに見え、インパクトを薄めてしまう。

WeChatはまだ今後発展していくサービスであり、もちろん情報をすばやく広く伝達させる方法はあるだろう(たとえば、有名人にメッセージをシェアさせるなど)。しかし、元々こうした情報共有のために設計されていないために、中国のソーシャルネットワークユーザがWeiboよりWeChatで時間を使うようになると、Weiboが保有していた社会的なインパクト(個人的にはほとんどがポジティブなもの)が失われてしまうのではないだろうか。

ただ、状況はすでに悪くなりはじめているようだ。Sinaですら、WeChatに対抗することの難しさを認めた。2013年はWeChatの年になりそうだが、その代償としてWeiboとその中国社会における影響力が失われないことを祈るばかりである。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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