Ardent CapitalがリクルートSPやGMO-VPらと戦略的提携を締結、タイのEコマース2社に出資

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タイ・バンコクに拠点を置くインキュベータ兼ファンドの Ardent Capital は今日、リクルートストラテジックパートナーズ(RSP)GMOベンチャーパートナーズ(GMO-VP)、それに、アメリカの Siemer Ventures と戦略的提携を締結したと発表した。今回の提携に伴い、Ardent Capital は日米の前出3社のファンドに加え、Ardent Capital の経営チームや東南アジアの起業家らからも出資を募った。調達した金額は公表されていないが、関係消息筋の情報によれば、日本円で数億円規模に上るとのことだ。

Ardent Capital については、2月に創業者の一人 Paul Srivorakul に会った際、同ファンドが目指す方向性について語ってくれていた

タイの起業家はまだ未熟であるため、人のマネージメントの仕方も知らない。そこで、スタートアップの役員ボードに大企業のマネージメント経験者を迎え入れ、起業家に企業の経営について学んでもらえるようにしている。時間と知識の制約があるので、あくまでも全アジアではなく、成長著しい東南アジアの事業にフォーカスしている。

彼が展開しようとしているこのビジョンは「Ardent Labs」と名付けられ、今回資金調達されたファンドから、Ardent Labs のインキュベーション対象となっている、タイの2つのEコマース・スタートアップ WhatsNew と aCommerce に出資される。加えて、これまでに Ardent Capital は、SD Japan のメディア・パートナーである e27 を含め、アジアの5社のスタートアップに投資しているが、今回のファンド組成を受けて、これら5社への追加出資も行うとのことだ。

バンコク市内のインキュベーション施設 ArdentLabs の風景
バンコク市内のインキュベーション施設 ArdentLabs の風景
(aCommerce のウェブサイトから)

以下に今回の戦略的提携に関連した4社の代表のコメントを紹介したい。

Ardent Capital の CEO Adrian Vanzyl 氏:

アジアには、6億人以上の中流層による確実な需要があります。私が経験した限り、文化や言葉が異なり、決済や流通手段が乏しい複数市場に挑戦するのは大変なことです。成長を阻害する要因を取り除くべく、このような問題の解決に注力したいと思います。今回の追加資金調達の成功によって、我々のモデルが認められたことになり、投資計画やチームの増員を加速させ、運用展開する国を拡大することができるでしょう。日米からの強力なサポートを受けて、我々はポートフォリオ企業に対して、投資、提携、世界展開、イグジットへ導くなど、Ardent の内部に留まらないサポートが提供できるでしょう。

Siemer Ventures の Managing Parnter、Eric Manlunas 氏:

急成長する消費者層を有する東南アジア市場に対して、我々は基本的に(投資面で)強気に臨んでいます。したがって、この成長下にある消費者ニーズを捉える次世代オンラインビジネスを作る上で、現在は、会社構築と投資が一本化されたプラットフォーム(訳注:Ardent のこと)を作るのに最良の時期なのです。Ardent Capital はアジアにおいて、優れたオンラインビジネス・ビルダー兼投資家となるのに必要なスキルとトラックレコードを有しています。

リクルートストラテジックパートナーズ代表取締役 岡本彰彦氏:

東南アジアのインターネット市場を開発すべく、Ardent と協業できることをうれしく思います。日本最大のメディア複合企業であるリクルートは、破壊的で成功可能なインターネット・ビジネスモデルを作るため、我々の持つノウハウや経験を、Ardent のアジアに対する見識と融合できることを楽しみにしています。

GMOベンチャーパートナーズ取締役ジェネラルパートナー 村松竜氏:

Ardent との提携および投資を通して、GMOグループは東南アジアのEコマース・ビジネスやスタートアップの成長を支援したいと思っています。今回の提携を通じて、GMOグループの東南アジアへのEコマース進出の足がかりにしたいと考えています。

Ardent Capital の CEO Vanzyl 氏は、今回のファンド組成に際し、次の3つのポイントに当てはまる人々や企業を求めていると付け加えた。

  1. コアチームやユーザが東南アジアに居て、アーリーないしレイト・ステージのシード資金調達を目指すスタートアップ。
  2. Ardent Labs で設立されたスタートアップに、共同創業者として加われる経験豊富な起業家。将来は、これらのスタートアップで CEO または重役候補。詳細は、このリンクを参照。
  3. 東南アジアへの参入に際し、Ardent Capital が持つネットワークやインフラを求める、有名企業またはブランド。

先日のこの記事でも書いたように、タイのスタートアップ・シーンは発展途上にあり、ハンズオン的にタイのスタートアップの成長を支援することは意義深い。他方、タイ国外の投資家や大企業にとっては、未開拓ながら潜在可能性の高い市場に、比較的安いコストで参入できることを意味し、双方にとって win-win の構図ができあがるわけだ。

日本〜東南アジア間のファンド組成を含む提携関連のニュースは、このところ枚挙にいとまが無いが、Ardent Capital、リクルート、GMO周辺の今後の動向にも注目していきたい。

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