起業家と父親の両立は可能か?

SHARE:

Tom Clayton氏はSilicon Valleyで多くのハイテク関連のスタートアップを設立・経営している。現在では6000万米ドル以上の投資を獲得し、Sequoia Capital、SingTel Innov8、およびJAFCOといったベンチャーキャピタルに支えられたスタートアップとしては東南アジアで最大のソーシャルメディアスタートアップの1つである、Bubble Motionを経営している。


Tom-Marissa-at-Maldives

1年以上前、KiipのCEOであるBrian Wong氏はシンガポールのあるテックカンファレンスで「スタートアップを経営しながら子供を持つなんて無理です。」と、かなり決定的なコメントをし、子供がいた従業員は仕事と家庭の両立ができないため、彼の会社で長く働くことができなかった例をいくつか挙げた。

なるほど、私は彼のコメントにかなり反省させられた。父親である私は、自分のスタートアップに影響を与えているのだろうか?結局、私は前の6つのスタートアップを設立した間は独身で、父親になったのはこのわずか数年のことだ。

さらに、60人の従業員のうち34人が親であることも問題なのだろうか?20歳そこそこの子供もいない設立者の軽率なコメントを無視するのは簡単だが、私は深く考えさせられた。

自分にしてみれば、父親であることとスタートアップを設立することは、どちらもうまくいっているように見える。実際、仕事だっていい加減にやったとは思っていないし、どうやって両立させているのか聞かれたりもした。

3歳の娘との対話

この問題について、3歳の娘とじっくり話し合って十分に熟考した後、私は仕事と家庭の両方を並行してやっていくにはどうするべきか、わかり始めた気がする。

まず初めに、Brian氏のコメントには賛同しない。親であり、かつ起業家であることは可能だ。このことを証明するロールモデルは何千とあると思う。しかし、そうするためには、スケジュール管理に関して完全に鬼にならなければならない。

それはつまり、起業に打ち込むのと同じだけのエネルギーとコミットメントを私生活にも注ぐということだ。私はいつも仕事上、超過密スケジュールを組んできた。週90時間働き、年に35万マイル以上飛び回る。現在私は、シンガポールを拠点とするSequoiaに支援されたBubble MotionのCEOであるが、その前にSilicon Valleyで6つの別のスタートアップを設立してきた。

毎日多忙を極める仕事の中でも、私は妻と幼い2人の娘との生活を大事にすることができた。家庭をもつ前は「良く働き、良く遊ぶ」の精神を持っていて、「良く遊ぶ」はリラックスするための自分の自由時間だったが、今では「良く遊ぶ」は家族との絆を深める時間になっている。

あなたが25歳、35歳、45歳であろうと違いはない。しかし両立するための現実は厳しく、並大抵のことではなかったし、非常に多くの努力と忍耐が必要だった。

仕事と家庭の両立のための4つの教訓

ここで意欲的な起業家向けに、私が学んだ仕事と家庭の両立を成功させるための教訓をいくつか紹介しよう。

Some rights reserved by Kalexanderson
Some rights reserved by Kalexanderson

1. 効率的なタイムマネージメントが必要

自分の時間がほしいときは何もかもスケジュール化しなければいけない。山のようにある日々の雑事やするべきことをマルチタスクで処理しようとするよりも、それぞれの作業に15分から30分割り当てるほうが、集中できる。

ほとんどの作業やミーティングは30分以内に完了でき、確固たるスケジュールを維持することで、集中力を切り替えることができる。こうすることで、物事の優先順位をつける能力も容易に得られる。コミュニケーションを集中管理する中心的な手段を1つ持ち、それを物事のトップに置くことも重要である。私にとってそれは、eメールの受信箱だ。

私に用事があるときはメールをすればよいと皆わかっている。私はメールをすべて読み、ほとんどに返信する。受信箱は少なくとも週に1回、律儀に空にする。これによってすべてのコミュニケーションとするべきことが1つの場所に集中でき、見落とすことはない。

2. 家庭での自由時間を最大限にする

家にいるとき、これを最優先することが重要だ。私の場合は家族とリラックスする時間をつくることであり、私のすべての心を家族に捧げることだ。毎週、私は「パパと娘」の時間を設け、3人で夕食に出かけたりする。私の娘たちと私はこの夜のために生きているようなものだ。

娘たちにとって私は中心的存在だし、娘たちがリラックスした自由なパパを見るのが好きだと確信している。それに、あなたの生き方を理解し、たるんだときには指摘し、サポートしてくれる配偶者を持つことは大きな助けになるし、基本的に仕事の世界とパパの世界の両方で成功するためには必要不可欠だ。

3. 出張先でするのは仕事だけではない

子供のいる設立者は出張するときに子供も連れて行ってはどうだろうか?これは私が可能な限り実践していることで、私の3歳の娘は既に4つの大陸の23の国を訪れている!ミーティングの際にはホテルには必ずベビーシッターがいて子供を世話してくれるし、仕事が終われば、夜には娘たちと過ごすことができる。

言うまでもなく、子供は普通、飛行機に乗りたがるものだし、両親と冒険にも行きたがる。あなたにとっては100回行った普通の場所だったとしても、彼らにとっては全てが新鮮でエキサイティングなのだ。1人で空港のラウンジに座っているのは時間の無駄だが、娘がいれば、1対1で向き合う最高の時間ができる。

娘を連れて行くことで出張が10倍良くなるというのは言い過ぎではないし、その過程で彼らが多くを学び、多くの世界を見ているということは言うまでもない。

4. オフィスの外でも仕事

家でメールを見ないというのは良い方法ではない。家にいて仕事をしていなくても従業員とコンタクトがとれる状態であることは重要なことだ。

オフィスの外でも、朝や晩、週末にオンラインで早く回答することで生産性が上がるし、月曜日の朝オフィスに行って大量のメールに悩まされ、生産性が落ちることもない。私は週7日24時間いつでもオンラインでメールをチェックしている。また、私がもっとも効率的に仕事ができるのはたいてい、夜に娘たちを寝かしつけた後か、朝、彼女たちが起きる前だ。

父親と起業家の役割の両立は可能

したがって、簡潔に言えば、設立者と父親の両立は可能である。私は15歳のときに最初の会社を起業したが、自分が子供を持ったら大きな会社で9時から5時までの退屈な仕事に落ち着かなければならないのではないかと、常に恐れていた。

だから私は子育てと、会社を設立して築いていくという、大好きなことを続ける方法を見つける決心をした。正直言うと、実際は今家族がいてくれるのでもっと楽しい。家族は私を充電してくれ、士気もずっと高く保たせてくれている。

会社を築き上げるのは大変なことであり、「良い日」よりも「悪い日」のほうがずっと多い毎日だ。だから、自分を喜ばせてくれて、物事を客観的に見せてくれる人が常にいるということは、起業のスタミナ向上にも非常に良いことだ。

したがって、会社を経営しながら子供を持つことができないと思っている人には、ナンセンスだと言いたい。絶対できるし、人生で最高な時間にもなるだろう。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

----------[AD]----------