ITV等から総額3.5億円調達ーーMUSE&Coが創業1年で月間売上5,000万円を達成したスマホ時代の「フラッシュ+ファッション」とは

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ファッション系サービスにまた新たな話題だ。アパレルのフラッシュセール「MUSE&Co.」を展開するミューズコーがシリーズBのファイナンスを完了したことを発表した。

伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、インフィニティ・ベンチャーズLLP(IVP)を割当先とする総額3億5000万円の第三者割当増資で、IVPの共同代表パートナーの小林雅氏によれば、これまでに調達した金額と合計すると累計で約5億円となるそうだ。

なお、IVPは2012年5月20日にもミューズコーに対して第三者割当増資を引き受けている。

月間売上5,000万円、モバイルからのアクセスが7割

MUSE&Co.が展開する会員制フラッシュセールは通常、一定期間(数日〜1週間など)のイベントを設ける代わり、通常価格よりも大幅な値下げをして一気に売切るいわゆる「タイムセール」の手法を指す。ブランドからの委託販売でミューズコー自体は在庫を持たない。一日に3ブランドずつ新たに出品しており、それぞれ型数で30品目ほどの商品が並ぶ。

掲載期間(フラッシュセールのイベント期間)は一週間なのだがミューズコー代表取締役の久保裕丈氏によれば「実際は出してから1日で全体の6割から7割ほどが売れてしまう」という、まさしくフラッシュセールのお手本のような状態が続いているのだという。ちなみにセールの開始は8時からで、アクセスはやはりそこが高いのだという。

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また売上については月間で5,000万円ほどに到達しており、アクセスについてもスマートフォンからの流入が5割、アプリが2割と圧倒的にモバイルに寄っているのが特徴だ。この点について久保氏に聞いてみたが、特別スマートフォン向けのプロモーション施策を取ったわけではないということだったので、もうこの波が当たり前ということなのだろう。

注目を集めるファッション関連スタートアップ

累計とはいえ、創業間もないスタートアップが5億円を調達したことは、先ほど話題になったOrigami同等規模、改めてファッション、コマース、スマートフォンのキーワードへの熱の高まりを感じる。

国内ではGILTが2008年からソフトバンクとの合弁でサービスを開始しており、その他にもグラームセールスブランズフォーフレンズなどが存在している。手法的にはMONOCOなども近いカテゴリに入ってくるだろう。

久保氏によれば、F1層(20代から30代前半の女性)を狙っているということで、これまでの競合サービスとはターゲットで差別化が図れているようだ。

また、同様のターゲットを狙う新たなスマホ・ファッション系サービスについては「型番などを揃えることで購入しやすい環境を作ることと、雑誌でいうところのVOGUEとかELLE、といった尖ったところではなく、VERYなど実際に手に取れる、役立つファッションを提案したい」と、いわゆるカタログ通販よりはファッショナブルで、かつ尖りすぎない分野を狙うことで差別化できると話していた。

創業1年で会員数20万人を獲得

ミューズコーの創業は2012年2月。久保氏はコンサル関連の出身で、主にアパレル業界のデューデリジェンスなどを5年間に渡り手がけていた人物だ。「アパレルに携わった経験からドメスティックなブランドが持つ課題を助け、その先にある日本の経済を強くできるようなことにチャレンジしたい」という同氏。

現在20名の人員でMD(マーチャンダイジング※)が5名で、ここを厚くしていくということだった。当初は支援会社にアパレルネットワークについてのアドバイスも受けたそうだが、「現在取り扱いをしているブランドの過半は自力で営業して獲得していった」という。2012年5月にサービスを公開して現在会員数は約20万人。今後は早期に会員数100万人を目指すと目標を語ってくれた。

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