スマホアプリとグロースハックーーウェブとは事情が異なるアプリマーケットでいかにダウンロード数を伸ばすか #on_lab

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5月25日にOpen Network Labの主催で「Onlab Growth Hackers Conference 2013」が開催された。DropboxやAirbnbなど、世界規模でのグロースハックを手がけたスペシャリスト達が、それぞれのユーザー獲得の経験・事例を共有した。

プロダクトを利用するユーザ動向データを解析し、プロダクトの改善・改良を迅速に行っていくシリコンバレーで今最も注目の役割である「Growth Hacker(グロースハッカー)」について語られたセッションの模様をレポートしていく。


Onlab Growth Hackers Conference 2013」の最後に登壇したのは、以前Sd Japanでもその講義の様子をお伝えしたコミュニティファクトリーの松本龍祐氏

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コミュニティファクトリーは、開発したDECOPICはリリース後1年で1500万近くのダウンロードに達したアプリ。アジアを中心として世界各国の女性ユーザが多く、月間のアクティブユーザ数は300万人になるという。

コミュニティファクトリーは、そのほかにもアプリをリリースしており、「PETAPIC」はダウンロード数300万、写真簡単整理アプリ「piqUp」はダウンロード数100万、カレンダーアプリの「ペタットカレンダー」はダウンロード数100万、かんたん家計簿まねぶたや幸せココロアプリ、女子向けウィジェットアプリ「Widgely」など、多数のアプリをリリースしている。

8つリリースしているアプリのうち、5つのアプリがダウンロード数が100万を超えているコミュニティファクトリーが持つ、スマホアプリのグロースハックについて、話を聞いた。

スマホアプリとグロースハック

スマホアプリの開発を行うコミュニティファクトリーでは、ダウンロード数をKPIに設定している。アプリ開発では、ウェブサービスとは事情が異なる部分が多くある。

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上の画像のように、アプリを開発した後にアップデートを行い、その反応をみて改善を行い、再度アップデートを実施する。反応がわかり、改善したい部分があったとしても、それをすぐに反映させることはできない。

アップデートをかける回数は、多くて1ヵ月に1、2回くらいが限度。そのため、早いサイクルを回すことはできない、と松本氏は語る。アップデートにおいては、ユーザにとってメリットがありそうな機能改善も含まなければいけない。そのため、アップデートの際にはアピールできるユーザーリットをきちんと盛り込むことが必要になる。

アプリマーケットの事情

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アプリは、アプリストアからしかアクセスがない。ユーザをアプリに流入させるにはApp Store内のASO(アプリストア最適化)などあるが、一番大きい要因はランキングだという。

App storeでランキング1〜4位になると、一日に4〜5万ほどダウンロードされる。ランキングからの流入が大きく、ランキング上位に入ることが重要。ウェブではなかなかリリース直後にこれだけの数字を獲得することは難しい。この爆発力があることはアプリマーケットの魅力の一つ。

アプリに到達するには、いくつかの方法がある。ランキング、検索、ソーシャルメディア、メディア掲載、広告などだ。アプリマーケット内でのユーザの行動は計測できないため、チューニングはできないようになっているし、どのアプリも表示される際のフォーマットが同じになっているためチューニングが不可となっている。

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チューニングできるポイントはテキスト、アイコンなどのクリエイティブ面。アイコンのデザインやバナー、わずかなテキストで差別化することしかできない。

また、アプリは最初の完成度が低いとユーザは二回目は使ってくれなくなってしまう。最初から完成度を上げないと検証もしづらくなってしまうので、機能を絞り、機能の使い心地とインターフェースの扱いやすさを最大限に追求することが重要になる。

レビューの最大化でDL数を最大化する

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アイコンやテキストなどのクリエイティブ面では、CVRの測定が難しい。そのため、レビューを最大化することでダウンロード数を最大化するというアプローチをとる。

App Store内でのCVRのステップは測れないが、訴求ポイントはアイコン、タイトル、レイティング。松本氏のこれまでの経験上、レイティングを上げればダウンロード数も上がる。

松本氏によれば、3億人のユーザ数を誇る中国のメッセージアプリWechatの開発におけるKPIはレイティングだそうだ。このことからもアプリのダウンロード数を上昇させるためにレイティングが重要であることがわかる。では、どうやったらレイティングを上げることができるのだろうか。

レビュー、レイティング対策

松本氏による、アプリのレビュー、レイティング対策は以下の5つだ。

①エラーを起こさない

まずはエラーを起こさないこと。アプリのエラーが増えると☆1の評価が増え、レビューが急降下し、ランキングも下がってしまう。エラーを起こさないように注意を払おう。

②ユーザに依頼する

ユーザがアプリを使用していて、一番満足しているポイントでレビュー依頼を表示させる。素直に☆5をつけてとお願いしてみると、ユーザはわりと答えてくれるそうだ。ただこの際、端末によって表示の出し分けを行うこと。端末のスペック等もあり、端末によってはエラーが出やすいこともある。比較的満足しやすい端末に表示を出すことも重要だという。

③依頼表示をさせるタイミング

アプリリリース直後は表示を出さずに、エラー率や通常のレビュー、問い合わせが落ち着いてきたらポップアップ機能をアクティブにする。

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④ユーザサポートの場にする

ユーザからの要望をレビューで募る。アプリに要望をレビューに書いてくださいね、と書いている。Androidアプリにおいては「Google Play」に寄せられたユーザーレビューに対し、開発者が回答できる機能が追加され、レビューに対して返信できるようになった。

⑤ユーザからの要望を第一に開発する

コミュニティファクトリーは、アプリを開発する際、ユーザの毎日の生活動線をイメージするようにしている。こうした考え方は、同カンファレンスの別セッションで古川氏から語られた、ユーザの立ち場になってみて、ユーザがサイトに来る前の行動から考え対応することにも通じる。

こうした考えを持って、アプリの質を最大限高める。そして、アプリのダウンロード数を増やしていくために、今回の内容は参考になることも多いだろう。


この記事は、5月25日に開催されたGrowth Hack(グロースハック)をテーマにしたカンファレンスのレポート。他のセッションについては「Onlab Growth Hackers Conference 2013」でまとめている。