集中力の“当たり時間”がわかるようになる脳波分析ヘッドバンド「Melon」

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Founders in headbandMelonの共同ファウンダー:Laura(左)とArye(右)

なんか今日はいまいち仕事がはかどらない。集中にしくい。そんな日や時間帯は誰にもあるはず。ここぞという集中力の当たり時間にガツっと仕事ができたら、どれだけ効率的かしら。その実現を試みるのが、ロサンゼルスを拠点とするスタートアップ「Melon」。彼らはMelonと呼ばれる脳波を分析するヘッドバンドとモバイルアプリを開発中。現在KickStarterで資金調達中のファウンダー、Arye Barnehamaに話を聞いた。

Melonのヘッドバンドは、BluetoothでMelonのモバイルアプリ(iOSとAndroid)と連動していて、電話で友達とおしゃべり、コーヒーを飲む、音楽を聴くといった行為の最中の脳波を記録することで、自分の集中力の傾向を教えてくれる。Melonが使うのはロボット猫耳「necomimi」と同じNeuroSky社の脳波記録技術で、その精度は病院の測定と比較しても96%の正確さを誇る。MelonのファウンダーのAryeに、そもそもプロダクトを開発しようと思った経緯を聞いてみた。

神経科学研究室でアルツハイマーと認知症の研究をしているときに思いついた。リアルタイムに脳波をモニターできることの可能性を目の当たりにして、この技術を僕たちの日常生活に応用する必要があると思った。そこで、大学の同級生で認知科学を研究していたLauraに連絡をとったのが始まりだ。Melonに関して2つのことを決めた。まず、見えない脳のアクティビティを可視化すること。そして、人が自分のことをより深く理解する手助けをすること。

Melonのモバイルアプリでは、今現在の集中力のレベルを確認したりモニタリングすることができる。モニタリング中に集中力が低下すると、アラートで通知する機能もある。また、ユーザ自身がその行動やタスクなどをタグとして入力することで、行動と脳波の関係性をより深く理解することができる。例えば、午前中に何か甘いものを食べると集中力が上がる、コーヒーを片手に執筆した方がはかどるといった具合に。さらに、Origami(折り紙)と呼ばれるゲームでは、鳥や熊などの動物を折っていく作業にだけ集中することで集中力が鍛えられる。

Melon app hero-shot

Melonの販売価格は99ドルで、装着型のテクノロジー製品としては決して高くない。出荷は2013年11月予定。日本への発送もあるので使ってみたい人はKickstarterでバックアップできる。残された期間は14日間(2013年5月30日時点)。既にnecomimiなどEEGデバイスが存在し、また受験文化がある日本では、より幅広い層にMelonのようなデバイスの需要があるかもしれない。前述のNeuroSky社と組んだSDKの提供もあり、参加する開発者も募集中だ。79ドル以上バックアップすると、SDKとハードウェアのハッキングのための資料がついてくる。

最後に、最近熱い“モノ作り”にチャレンジする人に向けたメッセージをくれた。

そのプロダクトを作るためのミッションとパッションをまず見つけること。そしてそのパッションを常に軸にして、プロダクトの全てのパーツがそれを象徴するものであること。Melonにとってのパッションは、見えない脳の動きを可視化することと、人が自分についての理解を深めることだ。これは僕たちのプロダクトの全てのパーツが物語っている。そして、Melonを現実のものにする一番の力は他ならぬパッションだと思っている。

Melonを使うことで仕事の効率が上がった、短時間で集中的に勉強できるようになった、そんな声が聞かれる日もそう遠くなさそうだ。Melonのストーリーは以下の動画でもチェックできる。

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