Photo by Valentina Storti
日々、スタートアップと接していると「これはさすがに大丈夫か?」と思わされる場面に出会うことがある。大切な情報の取り扱い、簡単な法律や権利に対する知識や意識。
「スタートアップなんだから」多少やんちゃな方法でもいいじゃないか、という雰囲気があることは別に否定はしない。でも、もし競合サービスがその問題を知って指摘してきたらどうする?
ここに挙げる「お間抜け」事例は本当に私が出会ったものの一部だけど、指摘されると大変痛いものだったりする。もし心当たりがあれば、ちょっとだけ脇を締めてみるといいかもしれない。
競合サイトからコピペ
実はこのコピペ問題、よく出会う。利用規約をそのままコピペして事業者名が残っている、なんていうのもあったし、HTMLやデザインなども「あれ…これはもしかして」とひやひやすることもしばしばだ。書けないよ。
特にクーポン共同購入やクラウドファンディングなど、様式が一定しているものは「いや、そもそもそういうものでして」という言い逃れもできなくはないが、取材しててこっちの気分が乗ってこないのは言うまでもない。
個人情報の管理方法が雑
つい先日、(彼らはスタートアップでもなんでもないけれど)あるWifiレンタル事業者がクレジットカード番号をバラまいて大変な騒ぎになっていた。
ここまで脇がガラ空きだとやっぱり失うものも大きい。一方で、まだ立上がってもいないのにプライバシーマークだ、セキュリティ専門家だと大騒ぎするのも少しナンセンスだ。
オススメなのは、管理方法を決めておくことだ。プライバシーポリシーを作ることはもちろん、そこにルールが載っていれば、取材で突っ込まれてもそれを守っていると表明できる。
PRは記者にお金を払えば何とかなると思ってる
過去にTechCrunch(もちろん米国版ね)にどうしても掲載したいと思ったスタートアップがTCのブロガーにお金払うから書いてくれと言って晒されるという間抜けな事件があった。まあ、似たような話をしてくる人もたまにいる。何かをあげるから、融通するから書いてくれという話だ。
これを言った時点でまず「自分のプロダクトはクソですごめんなさい」と言ってるのと同義だということは理解したほうがいい。
真面目にプロダクトを作っていれば必ず何かに引っかかるのでご安心を。
提携や資金調達の情報が漏れる
取材中に「この話は絶対に漏れてはいけない情報なので」と前置きされて話を聞くことがある。特に提携や資金調達関連に多いし、相手が公開企業であればなおさら慎重になる必要がある。
でも、たまにこういう話が必要以上に出回って、結果的に信用なくしてお蔵入りする、ということがある。嬉しくなって色んな人に話しちゃうんだろうなと想像できるが、ハンコ押すまでは我慢だ。
情報を出し過ぎないともちろん話は進まないし、出し過ぎるといらぬところで足下すくわれるのでご注意を。
ーーさてさて、ちょっと冗談ぽく書いた箇所もあるが、スタートアップにとって余計なミスは時間の無駄になる。偉そうに書いてる私もまた一歩間違えればミスする側に回ってしまう。
書いてて怖くなってきたので、SDも脇の甘いところがないか、調べてみることにする。
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