本稿は、シンガポールで開催されているテックスタートアップ・イベント「Echelon 2013」の取材の一部だ。会場で進行されているセッションの一部を、ライブブログでお届けする。なお、一連の Echelon 2013 関連の記事はこちらから。
本日の Echelon 2013 でのスタートアップ・ピッチ本選に先立ち、東京、台北、香港、シドニー、バンコク、シンガポール、クアラルンプール、ホーチミン、マニラの各都市で予選が開催された。各国でのピッチ審査をパスしたスタートアップ10社は、ファイナリストとしてり投資家の目前でピッチを繰り広げ、トップの座を競う。
本選における審査員は次の通りだ。(敬称略順不同)
- Dave McClure – Founding Partner, 500 Startups
- Edgar Hardless – Chief Executive Officer, SingTel Innov8
- John Scull – Managing Director, Southern Cross Venture Partners
- 百合本安彦 – 創業者兼CEO, グローバルブレイン
- Raphael Strauch – Founding Partner & Managing Director, Nova Founders
- Joel Sng – Angel Investor
- Kee Lock Chua – President & CEO, Vertex Venture Holdings
1. GridMarkets(マレーシア)
CPUの余剰能力を、よりコンピュータの能力を必要としている他組織に販売できるマーケットプレイス。販売側は減価償却をマネタイズでき、購入側はパブリッククラウドの市場価格で、必要なコンピュータの能力をアウトソースできる。マレーシアのサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
2. MathSpace(オーストラリア)
https://produs.mathspace.com.au/
本拠地はシドニー。クラウドベースの数学学習ソフトウェア。オーストラリア・ニューサウスウェールズ州とビクトリア州の15校で試験運用中。非常に高いコンバージョン・レートを持ち、売上を稼ぎ出している会社である。オーストラリアの Ignite イベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
3. MyLegalWhiz(フィリピン)
MyLegalWhiz は、弁護士や法律従事者のための情報源。法律のための Google と言えるだろう。Kickstart によりインキュベートされ、2012年10月、Garageheads の第1回インキュベーションプログラムで、LaungchGarage からシード資金を獲得した。現在、MyLegalWhiz は弁護士、法律学生、法律従事者など1,300人の有料ユーザを獲得している。月額料金は、500フィリピンペソ(約12.50米ドル)。MyLegalWhiz は、フィリピンのサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
4. POP(台湾)
台湾で最も勢いのあるスタートアップの一つ。昨年ローンチした。紙の上にデザイナーが書いたスケッチを動くモックアップにすることができる。37Signals で取り上げられ、彼らのベースキャンプiPhoneアプリの開発にも用いられた。シリコンバレーの AVOS に加わり、500 Startups の最新加入スタートアップの一社でもある。
5. Stamp(タイ)
https://www.facebook.com/getmystamp
Stamp は、店舗が顧客誘導をしやすくするデバイスを開発している。特許出願中。100%タイ国内で開発され、不正を防ぐため毎回特別なコードが発行される。店舗にとっても使いやすい。電話の画面の上にそのデバイスを押し付けるだけ、紙の顧客カードでスタンプを押すのと同じことができる。2012年10月以来、75,000回ダウンロードされ、55の店舗で利用可能。タイのサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
6. TanyaDok(インドネシア)
本拠地はインドネシア。Gregorius Bimantoro 医師が始めた、オンライン・ヘルスポータル。200人の医者や療法士を紹介している。包括的なサポートを提供しており、専門的で頼れるアドバイスをオンラインで受けられる。診断が終了すると、患者と医者はそれまでの過去の診断を参照することができ、医者は患者からの医学的な質問に対して、適切なアクションやアドバイスを提供するこができる。インドネシアのサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
7. TradeHero(シンガポール)
2012年12月にローンチした、金融取引アプリ。アプリのコミュニティ上で、これまでに50億米ドル分(仮想通貨)の35万件の取引が実施された。登録ユーザ数は5万人。アプリを使うと、ユーザは仮想通貨で取引の練習ができる。アプリ内のボードには、成績優秀者の名前が掲示される。シンガポールのサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
8. TopAdmit(台湾)
今回出場した、もう一つの台湾のサービスだ。TopAdmit は45人以上の英語話者のチームが提供する編集サービスだ。TopAdmit は、研究報告書やビジネス文書の編集にまで領域を拡大したいと考えている。スポット依頼の場合は英語1ワードにつき30セントで、月極支払の場合は500ドルがチャージされる。日本のサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
9. WayGo(台湾)
OCRを使った翻訳アプリ。スマホのカメラを中国語にかざすと、インターネットにつながっていなくても翻訳して読み取ることができる。アプリ内課金によるマネタイズ。500Startups を今年2月に卒業した。台湾のサテライトイベントで、最も将来あるスタートアップとして評価された。
10. NoonSwoon(タイ)
本拠地はタイ。NoonSwoon は、友人の友人である独身者に、あなたを紹介してくれるモバイルアプリ。毎日正午、アプリが友人の友人に紹介してくれるので、双方の気が合えば、連絡を取ることができる。タイのサテライトイベントに入賞し、タイの通信会社 AIS のスタートアップ・ブートキャンプに参加した5つのチームの一つに選ばれた。
最終審査の結果、優勝者はWayGo に決定した。
優勝した WayGo をはじめ、今回ファイナリストに残った各スタートアップの詳細については、追って、SD Japan でも詳しい情報をお伝えする。
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