経営資源をクラウド化するーーエンタープライズビジネスで注目すべき23+αのスタートアップたち

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2013.6.21

以前、私はクラウドで変化する経営資源について書いた。人、モノ(設備)、金。ここに情報と時間を加えた5つの要素を眺めてみると、この経営資源をインターネットで効率化しようとしているエンタープライズ向けのスタートアップ・プレーヤーが多いことに気がついた。

SIerや古参企業の主戦場で相手が巨大企業であることが多く、それに対抗しうるだけの実力者が並んでいるのが特徴だ。本稿ではそれぞれのカテゴリに挑戦するスタートアップをDATA情報や過去記事などと共に整理してみたいと思う。

またこういう切り口でカテゴライズすることはあまりないと思うので、抜けや漏れについて何か気づくことがあればぜひコメント等で教えて頂ければ幸いだ。

人資源その1:ソーシャルリクルーティングの誕生

主要サービスDATA:WantedlyソーシャルランチJobShare

人材という巨大企業がひしめき合う戦場に、ソーシャルやテクノロジーで挑戦しようとしているのがここ数年誕生してきたソーシャルリクルーティング系のサービスだろう。まだ大きな成果は聞こえてこないが、人材のミスマッチ、高コスト化という状況に満足している企業は少ないはずだ。

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人資源その2:クラウドソーシングの躍進

主要サービスDATA:ランサーズリアルワールドクラウドワークスMUGENUPココナラ

また、人材というより人的リソースをクラウド化したのはやはりクラウドソーシングという概念だろう。プラットフォームから特化型まで形態もバリエーションが出始めて、若干の混戦状態に突入しつつある。

既に何度も伝えている通り、彼らは必ず近い将来に人的リソース供給源のスタンダードになるだろう。

モノ(設備)資源その1:インフラ資源のクラウド化

主要サービスDATA:ミドクラ

ネットビジネスは工場や店舗、装置(印刷機や工作機械)などの大型設備資源が不要という点が、大きな利点とされてきた。唯一といってよい大型リソースがサーバーだ。海外ではDropboxなどのスタートアップが生まれているが国内はミドクラがネットワークの仮想化にチャレンジしていることを除き、目立った動きは感じられない。

【企画】メガベンチャーに必要な3つのステージとは?--ミドクラ加藤氏が語る「ロングスパンの事業構想とイノベーション」

モノ(設備)資源その2:広告インフラを司るアドテク

主要サービスDATA:フリークアウトジーニースケールアウトメタップス

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一方でネットビジネスに欠かせない広告インベントリ(在庫リソース)をコントロールするアドテクでスタートアップするプレーヤーは多い。なかなか表に出てこない存在だが、ここ数年で大型イグジットを果たしているのも実はアドテクだったりする。最近ではスマホ・アプリに注力するメタップスの活躍が目立つ。

モノ(設備)資源その3:課金・決済インフラに挑戦するスタートアップ

主要サービスDATA:CoineyWebPay

また広告と並んで決済、課金はウェブビジネスにおける重要なビジネスインフラだ。スマートフォン決済の料率競争で大手が浮き足立つ中、この二社はオープン化で独自の展開を進めようとしている。

金資源:クラウドファンディングの可能性、会計管理の革命

主要サービスDATA:freeeクラウドファンディング各社

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ここにも書いたが、事業資金としてのクラウドファンディングはまだ法的な整備が整っておらず、購入型のサービスが乱立しつつあるというのが今の状況だ。もし法整備が整えば、資金調達シーンは変わるかもしれない。

またお金に関する話題で、会計管理のfreeeが果たした役割は大きい。会計がクラウドで効率化されるメリットはボディーブローのようにじわじわ効いてくるだろう。マネーフォワードは個人向けだがもし今後、法人向けの展開があればここに入ってくることになる。

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情報資源その1:溢れる情報の取捨選択と整理

主要サービスDATA:UZABASEGunosyVingow

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爆発する情報と整理についてはこの記事でお伝えした通りだ。効率化を進めるテクノロジーの存在意義はまさにここにある。一方、ビジネスで利用する情報はさらに正確性を求められる。従来ブルームバーグやロイターが担ってきた戦場に攻め込んでいるのがUZABASEの提供するSPEEDAだ。高レベルのデータベースサービスが「今」のクラウドサービスの使い勝手で生まれ変わるインパクトは大きい。

情報資源その2:社内コミュニケーションの変化

主要サービスDATA:リンクナレッジ&Eightトークノート

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社内のコミュニケーションも変わってきている。これまではサイボウズのような統合型のイントラネットが中心的存在だったが、名刺管理やコミュニケーション中心など、機能をシンプルにした特化型でスタートアップし、成功を掴む事例に注目が集まっている。

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時間:乱立するプロジェクト、柔軟に対応するタスク管理

主要サービスDATA:Backlogチャットワーク

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ネット時代、数年という年月をかけるようなプロジェクトをあまりみかけなくなった。市場の反応をみてプロジェクトを柔軟に変化させ、チームとタスクをそれに合わせて最適化していく。24時間という限られたリソースを効率的に管理してくれるのがタスク管理サービスだ。

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