「決断経験を増やし、やりたいことにはまず飛び込んでみること」ーー20代はどのように働き、経験を積むべきか #IVS

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6月末に開催されたインフィニティ・ベンチャーズ・サミットのサマーワークショップ、初日の第3セッションのテーマは「20代の働き方、経験の積み方」。ますます将来に対する不確定な要素が増加していく中、これからどのような経験を積んでいくべきか、気になっている参加者は多かったのではないだろうか。

20代前半のころに、GREEやサイバーエージェントといった、数名から十数名だったベンチャーに飛び込んだゲストスピーカーたちのセッションに、これから20代の期間を過ごしていく学生たちは耳を傾けていた。

ゲスト紹介:

  • 株式会社オールアバウト 代表取締役社長兼CEO 江幡哲也氏
  • グリー株式会社 社長室室長 島田 敏宏 氏
  • 株式会社サイバーエージェント 取締役人事本部長 曽山哲人氏
  • 株式会社ミクシィ 執行役員 経営企画室長 朝倉祐介氏

モデレーター:

  • インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小林雅氏

若い時、やってよかったこと、悪かったこと

朝倉氏:
小中学生のころは、やりたいことや将来の夢は日替わり、週替りで変わるもの。大学生になっても日々の妄想が尽きることはなく、本当に自分のやりたいものかどうかを知りたかったら、実際に飛び込んでみるしかない。大学生というノーリスクな状態を利用して、どんどん飛び込んでみるといいと思います。

会いたい人がいたら、飛び込んで話を聞いてみる。すると、自分が思い描いていたイメージとの差異が明らかになる。その繰り返しで少しずつ自分がやりたいことはわかっていく。やってよかったことはありますが、やってみてから後悔したことは何ひとつありません。やりたいことが何かあるなら、グズグズ考えるよりもやってしまったほうがいいと思います。

曽山氏:
決断経験を増やすというキーワードをよく使っています。たとえば、今日ここに来ようと思ったことも決断になります。決断には増やし方が2つあって、決断の量と質。それを増やしていくことが重要です。

魅力ある学生というのは、決断を重ねてきた人。自分がこれまでにしてきた決断をリストアップしてみると、必ず自分の周りの学生がしてきた決断とは異なるものがあります。それは一人ひとりの指紋が異なるように、ひとによって異なるもの。自分の決断を大事に。

島田氏:
偶然の出会いの質や、成功する確率を高めることはある程度可能です。私が初め、GREEに入ることになったとき、これほど大きな会社になるとは思っていませんでした。出会いと偶然が重なって、今ここにいます。この偶然性と出会いの確率は高めていくことができます。

私はインターネット業界には必ず入りたいと思っていました。ただ、これといった強みが大学2年生のときにはなかったので、インターンシップで実際に働いてみようと思ったのです。

江幡氏:
今、自分の力を持って22歳のころに戻れたとしたら、間違いなく起業すると思います。冷静に今の自分の知識やリソースを考えて、今の日本の企業で働くことのリスクを考えると企業を選ぶと思います。ただ、現時点での知識があればの話なので、それがなかったとしたら、考え方は2つに分かれると思います。

まず、自分にやりたくて仕方がないことがあるかないか。睡眠時間が惜しいほどやりたいことがあるのであれば、もう起業したほうがいいと思います。やりたいことはあるけれど、それほど強い思いでないのであれば、誰か面白いと思う人の側にいったり、自分を鍛えられる場所に入るのがいいと思いますね。

成長する人材像

曽山氏:
「わくわくビジョン」型か、「がむしゃらMAX」型のどちらかが伸びるタイプですね。「わくわくビジョン」タイプは起業家の方に多いですが、サイバーエージェントや企業内で伸びるタイプには「がむしゃらMAX」が伸びたりします。がむしゃらに頑張ることが差別化要因になり、伸びていったりしますね。もちろん、両方備わっているといいんですけれど。

朝倉氏:
ミクシィに入ったばかりのころは、自分がミクシィの社長だったらどうするだろうと常に考えていました。ミクシィの社長になった今は、日本のインターネット業界をこれからどうしようかと考えています。持つ視野の高さはとても大事ですね。

サイバーエージェントの藤田氏や、グリーの田中氏は、決断経験の量と質が半端ではなく、大きな決断をするたびに成長しているとともに働いている登壇者たちは語っていた。決断することはメンタルの強さにつながる。

江幡氏:
素直な人、吸収しやすい人。あとは意思の強さ。これは行動力に現れてきます。成長する人の特徴はポジティブであること。

曽山氏:
やりたいことがある人は、「やりたい」と口に出すこと。口に出していく人はチャンスを手に入れやすくなります。

自分の会社を立ち上げ、事業を大きくしていきたいと考えているような人々は決断の機会を意識的に増やすことから取り組んでみるのもいいかもしれない。

人は周囲の人から受ける影響も大きい。起業を志すような人は、頻繁にコミュニケーションをとる相手に、ポジティブでビジョンの大きな人物を選ぶようにするといいだろう。

20代前半の方々には、ぜひ大きなビジョンをもって、がむしゃらに走っていってもらいたい。

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