8villagesはインドネシアで成長しているスタートアップの1つで、多くのスタートアップがあまり目を向けていないニッチな市場に取り組んでいる。誰もがスマートフォンを持っている土地、シリコンバレーに注目するインドネシアのスタートアップからすれば、農家とフィーチャーフォンというのは、クールな組み合わせではないかもしれない。
インドネシアの市場は明らかに異なり、今もフィーチャーフォンが主要なモバイルデバイスである数多くのアジア諸国の市場と似ている。だが、フィーチャーフォン市場だからといって、マネタイズが不可能なわけではない。mig33のもつビジネスモデルがフィーチャーフォン市場でのマネタイズが可能なことを示している。
同サービスは、農家が抱えるすべての制約を考慮し、彼らが畑で苗を植えて育てるために必要な情報 ——例えば、天気予報、降水量、消費者のニーズ、価格変動、そしてすべての関連コストなど—— を提供するために構築されている。
8villagesはMathieu Le Bras氏とYusep Rosmansyah氏によって設立され、彼らが情熱を持って開発したことは明らかだ。なぜなら、彼らが提供するデータはインターネットから簡単に入手できる以上のものだからだ。同サービスはネットワークオペレーターと事業計画を見出し、情報を配信するSMSメッセージをもとに収益を分配している。また、高等教育機関と提携して運営するLisaと呼ばれるデータベースも構築し、農業全般に関するディスカッションフォーラムとしても提供されている。
大きな消費者を獲得できるという可能性と、同サービスが高等教育機関などをパートナーとして選択していることを考えると、同スタートアップは正しい道をたどっているようだ。8villagesは、農家がインドネシアと同様の問題に直面しているベトナムやフィリピンなどにもサービスを拡大できるかどうかを模索している。この分野における大きなポテンシャルは、Nokiaが発展途上国のまさにこの市場をターゲットにしたLife Toolsという一連のアプリを提供していることで後押しされている。
8villagesはインドネシアのスタートアップ業界の多くの人にとって、消費者と解決すべき問題を理解することの重要性について大事な教訓を提供している。インドネシアの消費者の特徴はスタートアップの発展を決めるものだ。問題を解決するためのソリューションを情熱を持って実行すれば、スタートアップの生き残りそして成長を助長するはずだ。
フィーチャーフォンを利用する消費者が大きな難題をもたらすことはないだろう。というのも、SMSの活用はスマートフォンのアプリを通じてマネタイズするよりも明らかに簡単だからだ。フィーチャーフォンが広く利用され、大きなトラクションを得ることができるとともに、消費者に多額の利用料がかかることもないので、雪だるま式に利用は増えるだろう。
1つの州の農家の70%が同サービスを利用すると考えてみよう。利用する州がさらに2~3か所増えたらどうだろう?もちろん、それがインドネシアでテクノロジー系の企業を構築する唯一の理由ではないのだが。
スタートアップ業界に属するものとして、自分たちが提供するサービスが実際にコミュニティのためになるのか、利益だけを考えているのではないかということを自分自身に聞いてみるべきだ。8villagesがすべての人に何らかの影響を与え、何かを教えてくれることを望むばかりだ。
【via DailySocial】 @DailySocial
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