起業のゴールを見据えろ−−ベンチャーユナイテッド丸山氏が語る「企業価値と投資のポイント」

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投資を受けたスタートアップはIPOやM&Aをゴールとして企業を成長させなければいけない。そうしたゴールをしっかりと見据え、それに応じた経営判断というのは大変な困難を伴う場合もある。

ベンチャーユナイテッドの丸山聡氏は、チーフベンチャーキャピタリストとして日本発のメガベンチャー創出のための支援をしている。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、企業価値と投資のポイントについてまとめた。

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企業価値の「評価判断軸」はステージによって違う

上場企業の価値、IPOの企業価値、M&Aの企業価値、ベンチャー投資の企業価値など、それぞれのステージによって価値判断を決める評価軸が変わってくる。それぞれのステージに応じて、投資家と起業家それぞれが見ている視点の違いを理解しよう。

IPO後のイメージを共有する

投資家の多くは、IPOやM&Aなどのゴールを意識しながら投資を実施している。起業家も、自身のサービスのIPOなどのイメージを持ち投資家と共有しておくことで、納得のいくコミュニケーションを図ることができる。

IPOの企業価値は、申請期の税引後当期純利益と類似上場企業の平均PERの掛けあわせで決まってくる。市場環境の変化によって平均PERが変化し企業価値は変化していく。競合他社やベンチマークしている企業の企業価値評価がわかると、ベンチャー投資時の企業価値評価の参考にしやすいので、起業家としてそうした企業を意識しておくことも大切である。

自身のサービスがM&Aとして通じるサービスかどうか

M&Aは、買収直前期の利益と直近の純資産額の算出によって導き出される。買収する側がどのような意識で買収を実施しているか。ポイントは二つある。買収後にバリューアップし利益回収をするか、それとも利益ではない別の価値を買収先に見出すかだ。

前者の場合は、買収金額を何年で回収できるかを買い手は意識して企業価値を試算する。後者の場合は、ユーザベースやデータが、買収企業にとってメリットがあるかを買収のポイントとしている。細やかなユーザ情報やコンテンツに紐づくデータであれば企業価値が高まってくる。価値のあるデータやユーザーベースがあれば、M&Aを見出すことができる。

自身のビジネスがM&Aに適したサービスなのか。M&Aを実施する際は、どこが買い手になるかを意識し、そうした買い手候補が実際にM&Aをしているのかどうかなどの動向を把握しながら事業を展開して欲しい。

事業計画の実現可能性を見据えているか

ベンチャー投資における企業価値の判断は、事業計画が実現することで得られる企業価値と事業計画の実現性を参考にする。サービスが持っているポテンシャルが最大限発現した時に、ユーザやアクティビティがどの程度か、売上規模や利益率がどの程度なのか。これらを基準に、IPOやM&A時に想定される企業価値の最大値を計り、投資採算を考えてベンチャー投資を実施する。

ゴール設定とその目標に対する自身の現在のステージに応じて、投資家はベンチャーの価値を見出していく。山登りで例えると、ゴールとして見据えている市場価値の最大としての山頂の高さがどの程度なのか、そして、山頂と自身の現在の距離がどの程度なのかを見定めることが大事だ。

ベンチャーキャピタルの採算性

投資時の企業価値と、イグジット時の企業価値の差が利益となる。投資先のポートフォリオ全体の中で、利益のパフォーマンスをあげなければいけない。ベンチャー投資の企業価値を高め、日本でFacebookなどのようなメガベンチャーを輩出するには、IPOやM&Aにおける企業価値を高めることが必要だ。

投資のポイントーーサービスのポテンシャルがあるかどうか

ベンチャーユナイテッドの投資の視点は、上記のようなポイントを抑えつつ、5つの評価項目をもとに投資を実施している。

1つは、サービスとしてポテンシャルを感じさせるサービスで、いかに先行者利益を持てるサービスかどうかだ。サービスが持っているポテンシャルが最大限発現した時に、ユーザやアクティビティがどの程度になるのか。どのくらいの売上規模になるのか、利益率がどうなるのかを細かく分析して欲しい。

投資のポイントーユーザに愛されているサービスか

2つ目は、ユーザに愛されているサービスであることだ。ユーザのライフスタイルに溶け込み、日常の中で違和感なく使ってもらえるサービスとならなければいけない。熱量の高いユーザをすでに抱えているかで、その後の伸びが大きく変わってくる。これは、投資において大きなポイントだ。

投資のポイントー成長する経営チームか

3つ目は、その事業をやりきれる経営チームであるかどうかだ。事業目標に向かい、そのために必要な成長を意識できるチームであるか。企業は、経営者の器以上に大きくならないと言われている。器を大きくしていくためには、事業拡大に伴い経営者が成長できるかどうかが大きなポイントだ。

投資のポイントー事業の実現可能性を持ち行動できるか

4つ目は限られた経営資金を最大限に有効活用し、未来のためにすべきアクションができるか。そして最後に、IPOやM&Aなどのゴールを見据えて企業を経営できるかだ。先にも述べたように、イグジットをしっかりイメージしてもらいたい。

こうした5つのポイントをもとに、投資の判断をしている。これらの要素を考えて事業を作り上げてもらいたい。

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