友人の〝リアルな興味〟をもとに、モバイルアプリをレコメンドしてくれる「Apps for Me」がローンチ

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ベルリンを拠点に活動するスタートアップ Xyo は、リアルの世界の興味をもとに、今まで知らなかったモバイルアプリをレコメンドしてくれるサービス「Apps for Me」をリリースした。

Apps for Me は、自分の Facebook の友人の 「いいね」の情報を元に、独自のアルゴリズムでアプリのレコメンデーション・リストを作り出してくれる。既存のアプリストアのカテゴリは数が多くて探すのに時間が必要だったが、Apps for Me 上では、iPhone / iPad / Android / Windows Phone のそれぞれのプラットフォーム毎にカテゴリが数少なく絞り込まれており、ユーザがおそらく入手したいと考えるアプリに、短い時間でたどり着けるように設計されている。キーワード検索も可能なので、具体的な言葉が頭に浮かべばそれで検索することもできる。さらに、Facebook 上の友人に、その人の興味に合ったアプリをお薦めすることもできる。

気になるのは、このレコメンデーションの確度がどの程度のものかだ。自分へのレコメンド結果もさることながら、友人にアプリを薦めてはみたものの、それが的を外していたら単なるスパムになってしまう。このアルゴリズムの精度を上げるために、Xyo のチームは1年以上の歳月を要した。昨年、筆者はベルリンを訪れているが、その際も、Xyo の共同創業者 Matthaus Krzykowski は、アプリの出力結果精度の向上に注力していた。

Xyo の CEO を務める Zoe Adamovicz は次のように語っている。

Apps for Me のアプリのレコメンド機能は、クローズドベータ版として3週間前に公開し、多くの初期ユーザに利用してもらっていることがわかっています。電子書籍アプリを探そうとして、アプリの検索結果と共に友人の顔が表示されれば、人間関係をもとにして、アプリに対する興味も増大するでしょう。こうすることで、私たちはユーザが新しいアプリを見つけられる、ロングテールのアプリストアを実現できるわけです。

Facebook 上の友人の興味に応じて、600種以上のアプリ、120種以上のゲームタイトルから、アプリがレコメンドされる。以下は共同創業者 Matthaus Krzykowski の談だ。

インターネットの利用がモバイルに進むのにつれ、検索ボックスにキーワードを入れていた時代から、レコメンデーション・ウェブの時代へと移行するでしょう。したがって、将来は「Google(従来検索型)」から「Google Now(レコメンド型)」になっていくわけです。この流れの中で、我々は Apps for Me でモバイル界の新しいレコメンド・サービスをリードしたいと考えています。

現在、多くのユーザは、アプリの「レコメンド欄(いわゆるトップに表示される一連のアプリ)」からアプリを選んでいるとされる。全アプリの1割が、全ダウンロード数の9割を占めるという、実にロングテールな世界だ。現在のアプリストアは、ユーザが今置かれている状況を判断する要素は持っていないので、決してユーザが欲しいアプリを探しやすいとは言えない。このレコメンデーション技術は今後、電話、タブレット、テレビ、その他のさまざまな家電への実装も期待されている。

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アプリのロングテールを克服する手法としては、SearchMan に代表されるアプリストアSEO が世間を賑わす中、レコメンドというアプローチは久しぶりに興味深い。この分野においては、方法やアルゴリズムは異なるが、同様にアプリをレコメンドするサービスとして、VOYAGE GROUP(当時、ECナビ)が2011年に AppMon を公開している(対象は Android  アプリのみ)。

Apps for Me を開発したスタートアップ Xyo は2012年8月に創業した。これまでにシリコンバレーのシリアルアントレプレナー Rick Thompson が率いる Signia Venture Partners や、モバイルゲームデベロッパ Flaregames の CEO Klaas Kersting らから出資を受けている。

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