購入者の6割がスマホからーー3万店舗突破のBASEが公開したiPhoneアプリにみる「キュレーション・モール」戦略

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2013.7.3

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矢継ぎ早にオプションサービス実店舗キャンペーンを繰り広げるSTORES.jpに対し、しばらく沈黙を守っていたBASEだが、ここに来て大きなアップデートを発表した。iPhoneアプリの公開だ。

無料でインスタントにオンラインショップを開店できるBASEは7月3日、同サービス公式のiPhoneアプリをリリースした。アプリではBASEで利用できる機能の内、BASE Appsで提供するプラグインを除いた全てが利用可能で、iPhoneひとつで店舗開設から運用までを可能としている。アプリ利用は無料。

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また、これまでには用意されていなかったモール的なインターフェース「BASE Curation」が新たに加えられる。BASE Appsから掲載依頼が可能で、運営側で選ばれたものが表示されるようになっている。

BASEの公開は2012年11月。約8カ月の運用で開店されたショップの数は3万店舗を超えたそうだ。

さて、やはり気になるのはモールだろう。しかし楽天などのモールと違い、あくまでこれはBASE側で選んだ店舗一例に過ぎない。また、私は以前からインスタントなコマースサービスについてはいくら無料であっても売れなかったら続かないのでは、という考えを持っていた。

そこでこのモールはその戦略の一環なのかとBASE代表取締役の鶴岡裕太氏に聞いてみたが、彼らの着眼点は少し違うところにあるようだった。

「他のショッピングモールと違って検索は出来ません。あくまで視点は自分が出店したくなるかにあります。アプリを開くと店舗が並んでいるのでそこからもちろん購入も出来ますが、同時にそこからすぐに出店も可能になっています。

スマートフォンだけで商品写真の掲載やデザイン変更、店舗管理まで全てを可能にしたのは、自分だけの経済圏をより多くの人に作ってもらえる環境を提供したかったからです」(鶴岡氏)。

BASEの店舗設計や思想は非常にミクロな経済圏の集合体にあると思われる。

巨大ポータルではなく、BASEではソーシャルで可視化された自分の繋がりを導線に小さな売買を成立させ、それによるロングテールを成立させようとしている。「購入者の6割がモバイルから」(鶴岡氏)という状況も重要なファクターだろう。

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取材時に念入りにアプリをチェックする家入一真氏

この「ザ・インターネット」的な考え方はもちろん、BASE共同創業者の家入一真氏の思想を色濃く反映した結果と言えるだろう。言うまでもなく、彼が生み出した小額課金サーバーは世の中を変えた。

そんな家入氏に今後の戦略として、大手ECやカートASP、類似サービスなどあらゆる競合との戦いについて尋ねたところ、敵意を剥き出しに独特の表現で話してくれた。

「敵はね、象とかカピバラ(※)とかなんですよ。でもね、こっちはアリ。アリが象とかカピバラに戦いを挑んでるわけ。

でね、アリが中途半端にカピバラとくっついても象に勝てるわけないじゃないですか。だからね、一生懸命アリは穴を掘るんです。それも大量のアリが。そしたらいつかは象の足下をすくえるかもしれない。ね。わかります?」(家入氏)。

BASEは初月にアプリの50万ダウンロードを目指すそうだ。


※カピバラ:現生齧歯類の中で最大種。南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息する。(Wikipediaより引用

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