拡大する個人向け3Dプリンター市場とエコシステムーーフィギュアの3Dデータ共有サイト「DELMO(デルモ)」のティザーが公開

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株式会社アドウェイズのグループ会社である株式会社アドウェイズ・ラボットは、個人向け3Dプリンター用のフィギュアデータ共有サイト「DELMO(デルモ)」を8月下旬に提供開始するにあたって、ティザーサイトを公開した。ティザーサイトでは、3Dプリンターで出力可能なフィギュアの3Dデータ(STLファイル)などの配布が行われる。

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3Dプリンティングは、ラピッドプロトタイピングとも呼ばれ、デザインや建築会社で利用されてきた。Makerbot、CubifyやPP3DP等、各国のスタートアップは低価格で、より効率的でユーザーフレンドリーな3Dプリンターの開発を行っている。個人向け3Dプリンターメーカー「MakerBot」は、最近世界最大手の3Dプリンターメーカー「Stratasys」に4億300万ドルで買収された。アジアでも、Pirate3DPがRed Dot Venturesから48万2000米ドルの投資を受け、3Dプリンターの普及を目指している

国内でも、家電量販店のビックカメラが2013年8月1日、Robotma.com(ロボトマドットコム)製の「CellP 3Dプリンター」の販売を開始した。一方、ヤマダ電機は2013年8月2日、3dsystems(スリーディーシステムズ)製の「Cube」の販売を開始し、上位機種である「CubeX」の取り扱いも予定している。また、ノジマでも、同社のWebショップ「ノジマオンライン」にて、3Dプリンター「CubeXシリーズ」3機種の取り扱いを開始した。店頭においても8月上旬より取り扱いを開始していくという。

個人でも手に入れられる安価な3Dプリンターが登場してきており、それに合わせて3Dプリンター関連のサービスも数多く登場している。アドウェイズ・ラボットがティザーを公開した「DELMO」もこうした潮流に合わせたサイトだ。DELMOでは、ユーザー同士で作品作りにおけるノウハウを共有したり、作成した3Dデータの交換を無料で行える場が提供される。

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これまでにも作品を公開するオンラインコミュニティには、イラストコミュニケーションサイト「Pixiv(ピクシブ)」や、オンラインコレクションギャラリー「WONDER!」などが存在していた。3Dプリンターが普及すれば、自分たちが作ったデータを公開したり、そのノウハウを交換しあう共有サイトのニーズは高まるだろう。

東洋経済オンラインが、最近MakerBotを買収したStratasys社CEOのDavid Reis氏に行ったインタビューによると、MakerBotがウェブ上に公開している3Dデータのライブラリーには月に100万人が訪問し、ダウンロード件数も月に8万件に上るという。MakerBotでは特に、教育分野において成長が見られているそうだが、フィギュアにおいてどの程度成長を見せるのかは気になるところだ。

作品の共有サイトも、3Dデータのライブラリも過去の成功事例を持っていることから、DELMOにも期待したいが、作品の共有サイトとしても、3Dデータとしてもニッチになっている同サイトが日本だけで多くのアクセスを集めることは困難だろう。だが、日本のオタク・カルチャーコンテンツを海外に向けて発信しているTokyo Otaku Modeが人気を博しているように、DELMOも海外を視野に入れて展開するのであれば、大きな人気を獲得できるかもしれない。DELMOのティザーサイトはこちら

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