サイバーエージェント子会社でスマートフォン向けのカメラアプリmy365を運営しているシロクは8月7日、スマートフォンアプリ向けのプッシュ通知解析サービス「GrowthPush(グロースプッシュ)」を開始すると発表した。SDKタイプでアプリ開発者に提供され、プッシュ通知を基軸に文言によるA/Bテストや取得データの解析などが実施できる。
初期費用は無料で、プッシュ配信の50,000リクエストまでは月額無料、それ以上についてはリクエスト毎に月額費用と1リクエスト毎の配信料がかかる。詳しくはサイトの料金リストを確認して欲しい。まずはiOS向けに提供され、8月中にAndroid版への対応や配信機能拡充などを予定している。
いわゆる「グロースハック」と呼ばれる分野だ。国内では500Startupsに参加したAppSocialyがユーザーの招待などを通じたグロースハックサービスを提供していることで先行しているが、そろそろ他のプレーヤーも動き始めたということになるだろうか。シロクで同プロジェクトを推進する取締役の向山雄登氏は狙いをこう語る。
「my365やpipul(ピプル)といったアプリ運営を通じて、こういったツールの必要性を感じていました。広告などでユーザー獲得する方法は揃いつつありますが、今後はユーザーのリテンションをどのように効率的に保つかが勝負になってくるでしょう。
従来のウェブサービスでメール配信があったように、アプリ時代はプッシュがそれに取って代わると考えています」(向山氏)。
実際に同社が運営するpipul(ピプル)でGrowthPushをテストしたところ、起動率の向上が見られたという。さらに文言によるA/Bテストが可能なので、課金、無課金などのユーザーセグメントに応じて結果を把握することができる。
「A/Bテストの結果や起動率、課金率などを測定、解析し、さらに効果がよかったものを自動化して効率化をはかれるのが特徴なんです。対象はiOSゲームとコミュニティサービス。リテンションという課題に対して解析から改善に繋げることができる」(向山氏)。
学生ベンチャーとして独立の道を選ばずサイバーエージェントへの参加を決定したシロク。1年ほどが経過した今、やはり同様のアプリサービスを多数運営しているため、どのように販売すればいいかというノウハウをもっている営業面での恩恵は大きかったと語る。そして今回のサービスに関してもそこへの期待は大きい。
「親会社となるサイバーエージェントのアメーバが提供しているアプリ・ラインナップが数百万ダウンロードの規模であり、まずはここをベースに配信量を伸ばしていこうと考えています。海外も含め3ヶ月で1,000アプリへの導入、1億配信を目指していきます」(向山氏)。
my365は現在300万DLを達成、一日に3000人ほどの新規ユーザーを獲得、DAUも6万人と順調に成長を続けている。その経験を元に新しいチャレンジがどう実を結ぶのだろうか。
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