タイ政府、1500万人いるLineユーザーのチャットテキストを監視へ

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編者注:同様の動きはベトナム政府にも見られる(英語記事)。ベトナムではLINEだけではなく、ViberやWhatsappなども対象となっているようだ。


先日、タイ警察は、Facebook上にクーデターのうわさを投稿し、それにより「混乱を招いた」として、国家コンピューター法第14条及びタイ国刑法第116条に違反したとされる4人の容疑者に出頭命令を出した。さらに、メッセージを好んで共有した者についても、同法に違反するとみなされ、有罪となれば拘留される可能性がある。

最近、テクノロジー犯罪抑制部門(TCSD)長官のPol Maj Ge Pisit Pao-in氏率いる警察は、タイ国民のLineでの会話を監視する計画を発表した。mthaiの最新ニュースでは、警察当局が日本のLine Corporationに対し協力要請したことを確認している。これが同意されれば、タイの全1500万Lineユーザの名前のほか会話情報が警察に送られることになる。

The Nationの報告記事によると、警察はWhatsapp、Facebook、Twitterなど他のソーシャルネットワークウェブサイトにも同様の依頼をしたが、同意を得られなかったという。これらほとんどがアメリカの企業であり、そのような捜査を認めていないからだ。

警察の主張では、タイにいる多くの人がソーシャルネットワークを利用しているなかで、今回の措置は予防的な行為にすぎないという。結局のところ、誰が違法行為をし、国家安全を脅かしているかを調査するのは警察当局の仕事だからだ。

もちろん、今回の発表はオンラインコミュニティ上で、タイ人に対する権利侵害だとして怒りの声が上がった。私のFacebookフィードやTwitterのタイムラインでも不平・不満のコメントがあった。もしLineのアカウントが検閲されるのであればWhatsappやWeChatなど別のソーシャルチャットを代替的なサービスとして検討するとコメントした人もいた。

タイのソーシャルメディアで影響力のあるKafaakYokeKungはこの件に関して懸念を表明した最初のサイトである。


情報アップデート:最近では、タイの首相はまだLineのプライバシー侵害の詳細について実際には「知らない」とのことである。閣議の後、首相はTCSDがタイ国民のLineでの会話を監視する計画の手段について話をしたが、首相はこの件についてまだはっきりとした情報は得られていないとも述べた。ただし、首相はタイ国民の権利が侵害されないことを保証したいとしている。

Lineアプリは同国にとっての脅威ではないにしても、もし警察が誰かを調査したいと望むようであれば、それはケースバイケースで対応することになるだろうと述べた。さらに、Oak Pantongtae Shinawatra氏(前Thaksin Shinawatra首相の息子で、ゆえに「赤シャツ」隊が耳を傾ける人物)もまた、この取り組みを支持しないと述べた。同氏はLineをコミュニケーションメディアと見ており、そこでは法律違反をしないのは個人の責任であるという。しかし、警察は国民のプライバシーを侵害すべきではない。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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