ベトナムが支援する脳波制御式ヘッドセット「Emotiv Insight」がKickstarterで100万米ドル以上を獲得

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Emotiveは、Kickstarterで現在残り20日以上で、新規プロジェクトのための資金100万米ドル以上をクラウドファンディングで調達した。ベトナムが支援する同スタートアップ(アメリカ拠点)は、ベトナムのスタートアップコミュニティでは有名なNam Do氏が、現在のCEOであるTan Le氏とともに、出資・設立した会社だ。

Emotiv Insightとは、ベトナムとオーストラリアの国籍を持ち、共同設立者でCEOのTan Le氏が2010年のTEDで紹介したEPOCヘッドセットだ。同氏によるプレゼン以降ネット上で話題になり、華やかな宣伝の最中、EmotivはEPOC向けアプリのサードパーティデベロッパーとひそかに繰り返し開発に取り組んできた。

Emotiv EPOCは、ユーザが文字通りコンピュータに対するコマンドを考えることができるよう設計されている。下の2分という短いビデオの中で、4歳の小さな子どもが頭の中でコマンドを出し、コンピュータスクリーンにある四角いボックスを動かす様子を見ることができる。

もちろんEPOCの問題点はそれが最初のバージョンだったことだけではなく、ビデオからも分かるように、ややスムーズさに欠けていることだった。Insightは現在ではよりスムーズなデバイスで、元々規定されたコマンドをただ実行するだけでなくユーザ個人のデータを集めることも可能となっている。

これら全てに加え、ユーザは(自分がまるで実験動物か何かのように感じさせるような)食塩水を使用する必要がなくなり、ただ新しくなったデバイスを頭につけるだけですぐに使用することができるようになった。

Kickstarterのバッカーは200米ドルほどでEmotiv Insightを手に入れることができるが、現在では既にそのオプションはなくなってしまっている。このデバイスを入手するための次の最も安い選択肢は229米ドルだ。デバイスのほとんどは2014年3月までに配送されるのでまだ少し待つ必要がある。

だが、700米ドルさらに払っても同デバイスが欲しいという人については、2014年1月までに送付してもらうこともできる。現在のKickstarterプロジェクトの様子からすると、Emotivの調達資金額がキャンペーン期間の最後には100万米ドルにまで上ることが予想される。

情報アップデート:もしEmotiv Insighが100万米ドルという金額を集めることができた場合には、同社はデバイスにおまけとしてジャイロスコープと加速度計を追加装備する予定だ。これらによって、デバイスそのものの性能が上がり、様々な機能を楽しむことができる。

脳波か脳死か?

Insightの素晴らしい機能とクールな新デザインにも関わらず、私には何がInsightのベストな使用法なのかはっきり分からなかった。EPOCは障害を持っている人がコンピュータインタフェースを操作したり、車椅子を前後に動かすなどの単純な指示を出す際には大きな助けとなったが、一般的なユーザにとっては、私には現実的な使用法が思い浮かばなかった。

もちろん自分の思考でコンピュータ環境を動かすことができるデバイスなので、ゲームに使用するといいのかもしれない。とすると、コントローラーやキーボードを凌ぐだけの速さがあるのか?という疑問が浮かぶ。それは時が経てば分かるであろう。

とは言うものの、Google GlassやJawbone Up、その他着用可能なデバイスがより一般的になっている中で、Emotiv Insightは人が自分の身体(と脳)のデータを追跡できるような着用可能デバイスの仲間入りを果たすことができるだろうか?Insightには脳波や心拍数の変化も読み取ることができるという点から大きなアドバンテージがあるのだが。

いずれにしても、来年、デバイスが自分たちの脳とコンピュータを同時に試してみたいと思っている意欲的なデベロッパーやユーザの手に渡った時に分かることになるだろう。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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