モバイル広告とリワードサービス、新進気鋭スタートアップ3社が考える、イノベーションとアジア展開 #bdash

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(左から)Fun & Cool Ventures CEO Ganesan Velayathan 氏、Aarki CEO Sid Bhatt 氏

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、B Dash Camp 2013 in 大阪の取材の一部だ。

B Dash Camp in 大阪の2日目、午前中2つ目のセッションでは、スマートフォン広告の最新動向についてのパネル・ディスカッションを聞くことができた。このセッションでは、Fun & Cool Ventures の CEO Ganesan Velayathan 氏、Aarki CEO Sid Bhatt 氏、Skype 経由で Kiip の共同創業者 Brian Wong 氏が登壇した。

あわせて参照されたい: Fun & Cool Ventures に関する記事はこちら、Kiip に関する関連記事はこちら

Kiip のことを広告会社でなく、リワード会社と呼んでほしいという、22歳の Brian Wong 氏は、このパネルを面白いものにした。彼はブランドを消費者と結びつけるだけでなく、ブランド・エンゲージメントを再定義しようとしている。

Kiip は、人々は「幸せの時間」の中でエンゲージされるという、我々の観察から生まれたものだ。ゲームで高得点を得られれば、そこに感情が生まれる。しかし幸せの時間は、広告の出現によってしばしば阻害される。代わりに、そういった時間をリワードによって置き換えたいのだ。

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Aarki CEO Sid Bhatt 氏

Kiip は現在、およそ1,500のアプリに採用されている。彼らはゲームアプリへの提供から始めたが、現在はフィットネス、音楽、タスク管理、食べ物など、6つの分野で展開している。広告予算の多くは、普通ならビデオ広告に使われていたものだ、と彼は言う。

アプリ・デベロッパーとユーザとの関係を双方向にしたいと考えている。声を上げるのではなく、ギフトを与えるところから始めようというのが彼らの考え方だ。

現在、我々はアメリカで Hulu の3大集客パートナーの一つだ。結論は簡単だ。正しいタイミングで正しいことをやれば、人々は(従来の広告よりも)高い確率でコンバージョンしてくれる。

Kiip は現在、プレミア・パートナーの一つとして Yahoo Japan と協業している。ローソン、三井住友カード、デルなどとも協業しており、今後もパートナーは増えるだろう。日本は特に Kiip のようなサービスには環境が非常に合致しているのだという。

日本のモバイルリテラシーはすばらしい。モバイルでモノを買うこともできる。これはアメリカではまだ、SFのような話だ。日本では、そんなSFのような話が現実化している。我々のプラットフォームは、日本でより加速されるだろうと思った。

Kiip と同様、モバイル端末で消費者をエンゲージするという点で Aarki のアプローチも非常にクリエイティブだ。CEO の Sid Bhatt 氏は、Landrover のリッチメディア広告など、いくつか面白いデモを披露した。この広告では、ユーザはモバイル端末を回して、Landrover の車内を360度見渡すことができる。リッチメディア広告で消費される時間は2分間を越えており、これは最近、広告主が探し求めているものに他ならない。

従来のバナー広告は、急速に姿を消しつつある。人々はまだバナー広告を使っているが、将来、必ず使わなくなるだろう。

Sid 氏は Aarki のプラットフォームについて説明を始めた。Aarki は複雑な広告をウィジェットのドラッグ&ドロップだけで、よりうまく、速く、安く作成することができる。日本へのオフィス開設も検討しているが、日本市場を理解するのには依然苦労しているとのことだ。

アメリカで我々が作ったプロダクトが、アジアでは意味をなさない。

Ganesan 氏も同じことを指摘した。新しい広告技術を生み出すチャレンジに加え、アジアでビジネスをするのは多くの障害を伴うと述べた。

アジアでは、国によってスタイルが異なる。日本では広告代理店が市場を支配している。東南アジアは多言語多文化で、それぞれの国には市場を支配する事業者が存在する。つまり、(チャレンジとは)それらをどう動かし、どうやってベストな結果を導き出すかだ。

Ganesan は、デベロッパと広告主がつながることのできる、アジアに特化したマーケットプレイスを運用しており、彼はアプリを選ぶアルゴリズムではなく、広告が出稿されたアプリをどうやってユーザに選んでもらうかに言及し、このサービスの価値を説明した。

モデレータを務めたスクラム・ベンチャーズの宮田拓弥氏は、パネリスト達がこれまでにもたらしたイノベーションの重要性を説明すべく、いくつかの数字を披露した。

モバイル広告消費は、2011年の全広告消費の1%に過ぎない。2017年までに、この数字は約17%に達し、従来のメディアを追い越すだろう。

モバイルでの消費者エンゲージメントを理解した企業にとっては、このトレンドは歓迎すべきことだろうが、アジアでこの問題を解決できるスタートアップは、市場で大きな報いを得られるだろう。

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