「お金」にまつわるスタートアップの勢いを感じるニュース、本日二件目だ。
家計管理ツール「マネーフォワード」は10月28日、ジャフコが運営するジャフコSV4共有投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達する金額は総額で5億円で払込日などの詳細は非公開。
これに合わせ、マネーフォワードでは新たな展開として個人や法人の会計管理ができるクラウド会計サービス「マネーフォワードクラウド会計」やウェブマガジンの提供を開始するとしている。なお、マネーフォワードはこれまでにも2013年3月に個人などから総額約1億円の資金調達を実施している。
1年間での蓄積データは1億件、毎月43%の成長率
マネーフォワードは口座情報を登録すると家計簿を自動作成、各種クレジットカードや個人資産などを管理、アドバイスしてくれるクラウドサービスだ。1300社を超える金融機関に対応し、ウェブ版の他、iOSとAndroidのアプリを提供している。
サービスのベータ版提供は2012年12月。7月16日には正式版のリリースを発表している。同社代表取締役社長の辻庸介氏によれば、このベータ版からの約1年間で、蓄積されたユーザーのデータ件数(入出金や株式などの資産登録情報)は1億件を突破、月次の成長率は43%と急上昇を続けているという。
金融機関登録しているユーザーの30%に2日1回利用
「7月に公開した個人資産シミュレーションのよそQは関心も高く、使い倒している方が多数いらっしゃいます。DAUが予想以上に高く、金融機関の情報を登録して頂いているユーザーの30%が2日に1回利用されているような状況です」(辻氏)。
特にクレジットカードのレコメンデーションは人気サービスで、ユーザーの支出額を分析、ポイントやキャッシュバックなどの情報を整理してユーザーに最適なカードを提案してくれるので、利用者の満足度も高いそうだ。「全体の利用ユーザーは男性6割、女性4割という比率」(辻氏)だそう。
クラウド会計で事業利用ユーザー獲得、「全てのお金のプラットフォーム」へ
事業者向けのクラウド会計は国内ではFreeeが開拓する新たな成長カテゴリとしても注目を浴びている分野だ。ここにマネーフォワードも新サービスで参戦することになる。マネーフォワードが11月末から新たに展開するクラウド会計「マネーフォワード(青色申告・法人決算)」 もやはり、金融機関データを自動取得、仕訳などを自動的に実施するサービスとなる予定だ。
辻氏に改めて今後の展開を聞くと、全てのお金に関するプラットフォームを目指すと話してくれた。
「アカウントアグリゲーション(口座アカウント統合)という仕組みがあって、個人資産の管理、シミュレーション、事業者のクラウド会計、ウェブマガジンと様々なサービスがこのマネーフォワードというプラットフォーム上に生まれていくことになります。お金に関して困ったことがあればマネーフォワードにくれば全て解決する、そういう存在になりたいですね」(辻氏)。
生命保険や住宅ローンなどお金に関する話題は幅広い。辻氏は前例のないチャレンジなだけに、順序やサービスの組み立てなどに難しさを感じつつ、今回の調達でさらに人員を強化して挑戦を続けたいと話してくれた。
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