以前、初めて取材を受ける起業家に向けて、記者が起業家に質問したいと考えていることを紹介した。
今回はその続編のような形で、起業家が取材を受けるときに抑えておきたいポイントを紹介したいと思う。これは筆者がたまたま取材を受ける機会があり、その中で感じたことをまとめたものだ。
起業家にむけて多少アレンジはしているが、起業家以外で取材を受ける人にとっても参考になるかもしれない。取材を受ける際、事前に整理し、おさえておきたいポイントは以下の3つだ。
- 媒体がおもしろがりそうな点はどこか
- 自分たちが絶対に伝えたいこと
- 掲載されるのを避けたいこと
それぞれのポイントについて、もう少し詳しく説明していこう。
媒体がおもしろがりそうな点はどこか
まず、メディアにコンタクトをとって、記者に取材に来てもらうとき、そのメディアがどういったメディアなのかを知っておくことが大切だ。
その媒体に掲載されている記事や、その媒体で記事を書いている記者は、どういったトピックに関心を持っているのか。記事を読んでいくと、どのあたりに興味を持つのかが見えてくる。
規模が大きくなりそうなビジネスの話を好むかもしれないし、世界を変えそうなビジョンのもとに作られたサービスの話を好むかもしれない。はたまた、起業家のパーソナルヒストリーを好むということもあるだろう。
各メディアに合わせて、関心を持ってくれそうなトピックや切り口を用意できると、記者の関心をひきやすくなる。IT系の媒体であれば、それほど違いは大きくないかもしれないが、他ジャンルの媒体になってくると、関心を持つポイントも多様化する。
Amazonではプレスリリースから考える「Working-Backwards」という開発手法を実践しているという。自分たちの活動が、記事に掲載された状態をイメージして、刺さりそうなポイントを考えてみてもいいかもしれない。
自分たちが絶対に伝えたいこと
さきほどは、媒体に合わせてトピックを用意しておくべき、ということをお伝えした。だが、そればかりに気を取られてしまうと、媒体ごとにいろんなことを言っているようになってしまう。
そうならないように、絶対に自分が伝えたいこと、譲りたくないポイントは整理しておくべきだ。メディアに合わせてメッセージを作りつつ、自分たちが絶対に伝えたいことを含めていく。核となるようなメッセージは何か把握しておくことができれば、軸を作ることができる。
掲載されるのを避けたいこと
最後に、「これは掲載されたくない」と考えていることがあれば、それは事前に整理しておくほうがいい。メディアの人間は聞きたがりなので、あれこれ質問する。そのときに、まだオープンにはしたくない情報なのであれば、それを伝えるべきだろう。
業界の関係者が読んだら良い印象にならない話題や、ブランドのイメージに良い影響を与えない話題などもあるかもしれない。それらのリスクを考え、予め判断しておくことをおすすめする。
取材となると、聞かれるままに思い浮かんだことをあれこれ全部伝えてしまいたくなるかもしれない。そうならないよう、今回紹介したようなポイントを参考にしてもらえればと思う。
以下の記事と一緒に、取材前の準備の参考にしてもらえれば幸いだ。
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