フィリピンの大型台風を教訓に生まれた災害時に家族や友人を探してくれるサービス「iCalamity」

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先日フィリピンを襲った超大型台風Haiyanが教訓となり、数多くのスタートアップや企業が災害時に役立つ災害対応オンラインプラットフォームを構築した。今後の災害に備えて、ダバオに拠点を置くデベロッパーチームが携帯電話を利用して居場所や状況を家族や大切な人に伝えることができるアプリを開発した。

そのアプリがiCalamityだ。Smart Developer Networkが先日ダバオで開催したハッカソンAngelHackで誕生した。このハッカソンは「Hack2Help」がテーマで、同地域のソフトウェアデベロッパーやモバイルプログラマーには緊急時に役立つアプリやシステムを24時間以内に構築することが課せられた。

このハッカソンで他の18のモバイルアプリプロジェクトを抑えて優勝したのがiCalamityだ。iCalamity開発チームの1人Christopher John Cubos氏は、このアプリで目指すのは「災害時に誰一人として孤立無援とならないこと」としている。そして彼は次のように付け加えている。

「レイテや他の地域では、多くの人々が孤立し見捨てられたと感じていました。台風に襲われた時もすぐさま彼らの救助に向かう人はおらず、生存者の多くは自力で状況を脱しなければいけませんでした。」

国内の別の地域からだけでなく、国外で働くフィリピン人でさえも家族がどこにいるのかトラッキングすることができる。携帯電話の番号によって家族の正確な所在地を知ることができ、位置情報はインタラクティブマップに表示される。

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シグナルがない?心配無用

iCalamityシステムでは、モバイルフォンユーザの位置を的確に捉えるためにGPSとジオフェンシング、マッピングテクノロジーを連動させている。さらには通信企業Smart CommunicationsのYouphoric SMS APIやコンテンツプロバイダーのYouPhoric Labsも活用している。

シグナルやバッテリーの不足が原因でシステムが機能せず、対象者の位置情報が得られない場合には、自動的に家族の他のメンバーや友人で特定されている所定のリストをチェックし、アクティブなシグナルやデータ接続が回復するまで探し続ける。

Cubos氏は、同アプリが対象地域で救助・救援活動を行う側にとっても、より緊急を要する救助対象者を即座に識別することができる点で役立つとしている。

パートナーマネージメント・デベロッパー部門のスマートシニアマネージャーを務めるJim Ayson氏によると、iCalamityや他の参加者とも連携し、「Yolandaからの救援活動や今後起こり得る活動のために、彼らを後押ししていきます」としている。

iCalamityはウェブで無料提供されている。iOSおよびAndroid向けアプリは現在開発中である。

【原文】

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