Evernoteと連携するブログ・プラットフォームPostachioは、日本のブロガーに受け入れられるか?

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

近年、ブログを始める方法は数多くある。個人のブログやカジュアルなブログは、データベースを動かすサーバが不要との理由から、Scriptogr.amGhost のような、〝静的な〟ブログサービス環境に取って代わられつつある。[1] DropBox を使えばウェブ投稿もできるので、その機能を利用して、例えば、Calepin のようなソリューションは、ブログの構成ファイルを提供することもできる。

Postachio のアイデアもそれに似ている。カナダのバンクーバーを拠点とする Input Logic 社が生み出した新プロダクトで、ブログのコンテンツを Evernote で作成し、素晴らしいテンプレートな中からブログのデザインを選ぶことができる。同社は Evernote のアクセラレータ入所を経て、今年の Evernote Devcup で優勝を果たすなど、順調なスタートを見せている。これまでに、Postachio を使ってブログを始めた人は21,000人に上るそうだ。

この種のサービスの最大の強みは、既に広く使われているプラットフォームと連携することで、そのプラットフォーム上にいるユーザをそのまま取り込める点だ。 Postachio は Evernote と連携しており、Evernote ノートブック上に「published」というタグが付いたノートを追加するだけで、Postachio 環境に容易にコンテンツが投稿できる。

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Postachio の数あるテーマのうちの一つ「Apex」

巨大な日本市場

Evernote ユーザの約20%は、日本にいると言われている(そして、Evernote 売上の約30%は日本からもたらされている)。NTTドコモは、Evernote の初期の頃の出資者で [2] 、ドコモのユーザに対して Evernote の有料サービス Premium をプロモートしてきた。このような提携関係が、海外展開を強化するために Postachio にも締結されたようだ。もちろん、私は日本国内で Postachio がブログサービスを強力に推進していくつもりかどうかについても興味がある。

Input Logic 社の共同創業者でデザイナーの Shawn Adrian は、向こう一年の計画について話をしてくれた。[3]

サービスの国際化を進める計画で、その中には日本語版の開発も含まれます。(中略)我々のテーマや、その周辺にあるコミュニティをより深く掘り下げて改善を図ろうと思います。ブログを書くユーザが読者を増やせる新しいソーシャル機能や、プロブロガーや企業向けのツールもローンチさせる予定です。

Postachio のチームは、シリコンバレーにいるNTTドコモ・ベンチャーズの担当者とも既に会っているようで、日本語版の準備が整えば、それがいつであれ日本市場には歓迎されるだろう。

Evernote 以外のプラットフォームとも連携を検討していて、それが実現すれば、ユーザはどこからでもコンテンツを投稿できるようになる。私は Evernote のEメール経由の投稿機能を使って、Markdown で書いたコンテンツを投稿できる機能が気に入っていて、iOS アプリの Drafts から送信したりしている。Postachio は Markdown をサポートしていない。

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Evernote のアジア太平洋地域マネージャー Troy Malone のPostachioを使ったブログ

静的なブログ環境が最近流行っているが、JekyllPelican、前出の Scriptogram など多くのソリューションは、平均的なユーザにとっては難しいものだ。しかし、Evernote を理解している人にとっては、Postachio は簡単で使いやすい。[4]

アジアを担当する Evernote の担当者に連絡をとり、Evernote 社内で Postachio がどの程度受け入れられているかを聞いてみた。具体的な数字は得られなかったが、Evernote のアジア太平洋地域ゼネラルマネージャー Troy Malone は Postachio の熱狂的なファンで、彼自身のブログも Postachio を使って運営されている。Evernote の東南アジア地域ブログも、Postachio で動いている。

THE BRIDGE の同僚たちも、しばしば Evernote を使って、サイトに投稿する記事をシェアしている。これは Dropbox を使うことが多い私にとっては興味深く、他にも、ウェブ投稿に Evernote を使いたい日本のユーザがどのくらいいるのか関心を持っている。おそらく、小さな違いに私がこだわりすぎているだけだが、この種の(投稿コンテンツを共有しようとする)嗜好は、Postachio にとっては良い流れが起きる前兆である。

Postachio について詳細は、以下のビデオデモを見てほしい。


  1. 少なくとも、サーバ費用を払う理由はなくなる。
  2. 正確を期すなら、出資者はドコモ・キャピタルである。
  3. もう一人の共同創業者はプログラマの Gavin Vickery、3人目のメンバーはプログラマの Brandon Brown である。 
  4. 私自身は、自分の個人ブログを Drupal から Pelican に移行する計画だ。Postachio もいいのだが、現在、私は Python を勉強中で、Pelican の方が都合がいいからだ。WordPress に訣別するには好機かもしれない。WordPress も最初はよかったが、WYSIWYG エディタが不用意に span や div タグを挿入してくるので、もうたくさんだ。THE BRIDGE では WordPress を使っているが、私は編集作業中によく汚い言葉を吐いてしまう。 

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