ハードからソフトまで全体のサービスデザインをーーSassorが半導体商社から資金調達し新たなステージを目指す

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sassor

電力見える化サービス「Energy Literacy Platform(ELP)」の運営・開発をしているハードウェアスタートアップSassor(サッソー)が、半導体商社のイノテックを割当先とした第三者割当増資を実施した。調達金額については非公開となっている。

Sassorは、2010年にOpen Network Labの起業家育成プログラムを経て法人を設立。同年、Samurai Incubate Fund1号を割当先とした第三者割当増資を実施している。最近では、中国・深圳拠点のハードウェアアクセラレータプログラム「HAXLR8R(ハクセラレータ)」にも参加していた。そんなSassorが提供するELPの仕組みは以下の映像をご覧いただきたい。

ELP for Business from sassor on Vimeo.

Sassorは、電力管理サービスであるELPを家庭向けにスタートさせた。だが、リリース後、食べるスープをコンセプトにしたスープ専門店「Soup Stock Tokyo」から問い合わせがあり、飲食・小売業・オフィス向け電力管理システム「ELP for Biz」を提供するようになった。

ビジネス向けのELPでは、電気機器ごとに消費電力を管理し、消費電力と業務オペレーションを最適化することができるようになっている。Sassorの宮内隆行氏は、

ELPのプロダクトの提供だけではなく、店舗のスタッフが消費電力を抑えるためにどのようにアクションしたらいいのかのアドバイスもほしい、と言われています。Sassorでは、コンサルティングにまでリソースを割くことはできないので、システムを開発することによって対応したいと考えています。

と語った。プロダクトの提供だけではなく、そこに合わせてサービスの提供も行っていくことになる。ELP for Bizの導入店舗数は現在約50店舗。今後営業によってここを伸ばしていきたいと考えている。

さらに、Sassorではハードウェアの導入の他に、メーカー向けに電力管理システムの販売を行ったり、海外メーカーからの問い合わせ来ているなど、新たな領域への対応が求められるようになってきている。

今回、Sassorに出資を行ったイノテックは、短期的に何かシナジーが生まれればということは考えておらず、将来的なシナジーの可能性を考えて投資をした、とコメント。Sassor側はイノテックの知見からロジスティクスや倉庫管理など、これまでSassorで課題となっていた部分を支援してもらっているそうだ。

Internet of thing領域のサービスデザインへ

これまでSassorは、ELPというクリーンテックと考えられる領域で活動を行ってきた。だが、これまでにも紹介してきたように、Sassorの領域はハードウェアだけではなくサービスの提供にも広がり始め、さらに次のステージを見据えている。

これまでハードウェアの開発で培ってきたナレッジを使い、「Internet of things(モノのインターネット)」の領域でサービスを提供していきたいと考えています。

技術ありきのプロダクトではなく、ハードもソフトも合わせて一つのサービスとして、人々の生活の質を変えられるようなものを提供していけたらと。

Sassorがこれまでやってきたのは電力消費の見える化。電力以外、たとえばヘルスケアなどの領域においても、これまで可視化されてこなかったものを見える化するソリューションを提供していきたい、と宮内氏は語る。

ソフトウェアからハードウェアまで自社で。全体のサービスをデザインしていきたいと思います。

注目度が高まるInternet of thingsの領域にも挑戦していきたいと語る宮内氏。現在は、その挑戦のためのメンバーも募集している。Sassorがデザインする領域はますます広がっていきそうだ。

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