BASEの決済を三井住友カードが担う意味ーーBASEと三井住友カード、スマートリンクネットワークが業務提携

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このニュースは少々ややこしい。しかし創業一年の小さなスタートアップが獲得した意味はとても大きいものだ。

インスタントにコマースが開設できるBASEは1月31日、三井住友カードおよび決済代行を運営するスマートリンクネットワークとの業務提携を発表した。これにより、従来Paypal経由で実現していた同社サービスの決済部分を独自サービスとして提供することになる。決済サービスの変更は2月中旬を予定している。またこれに伴いBASEでは商取引にエスクローを導入する。

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冒頭にも書いた通り、この業務提携の意味が分かる人はよほどこのインスタントなコマースサービスに注目してきた方だろう。

従来、コマースを立上げる際、クレジットカードや代金引換など決済に関するサービスは「決済代行」というサービスを使うことが一般的だった。店主はユーザーからいちいち銀行振り込みや代金引換のやりとりをせずにこの代行会社を通せば一括で処理できるからだ。

しかし、この手続きには審査が必要で、大体1週間から1カ月ほどの期間が必要だった。これが非常にめんどくさい手続きだということは、コマースを立上げた経験のある方ならよくわかるはずだ。

ところがBASEやSTORES.jpはこの壁を取り払ってしまった。審査を一括でプラットフォーム側で受けてしまい、店子となる店舗の審査を不要にしたのだ。結果として店舗は数十秒で立ち上がり、しかも複数の決済手段も最初から使えるという画期的なサービスが生まれた。

しかしこれ、実はかなりグレーな状況だったのだ。通常、一店舗一店舗審査していた内容がブラックボックスになってしまう。それを通したのがPaypalだった。

ただ万が一、店子となる店舗で不祥事(反社会的勢力の利用など)が明るみになれば、BASEの契約をまるごと切られてしまう。そうなれば数万店舗すべての決済が止まってしまうことになる。このあたりの話題は彼らがサービス開始した当時にインタビューしている

さて、BASE代表取締役の鶴岡裕太氏は前述のような状況のなか、綱渡りを繰り広げ、粘り強く三井住友カードとの交渉を続けた。以下、鶴岡氏との一問一答。

ーー結構グレーな状況だったんですよね。

「(交渉に)1年かかりました。創業当時は誰も(決済関連事業者)相手してくれない状況だったんです。海外の代行業者だと審査はゆるいです。しかし料率が高い上にトラブルがあったら「根元」から切られる可能性があったんです」。

ーーどういう条件で三井住友カードとスマートリンクネットワークが決済代行の「保護者」になってくれたのですか?

「とにかく安全性の担保です。例えば今回エスクローを導入するのですが、商品が届かないとかそういうトラブルが発生した場合、1週間届かないとBASEが仲介に入る、などの取り決めをしたんです。ただ、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standards/クレジットカードのセキュリティ基準)などの取得は時間がかかるので、その点はスマートリンクさんに委託しました」。

ーー何が変わって、何が変わらないのですか?

「まず、ユーザーさんの使い勝手は向上します。従来Paypalに遷移していた画面はBASE独自の決済画面になります。また明細は従来BASEから一律で発行してましたが、各店舗さんの名称での発行に変更されます。変わるのは店舗に対する監視です。特に反社会的勢力や無免許営業など「悪いこと」をした人には一発退場もしていきます」。

ーー速攻で消すの?

「イエローカードとレッドカードがあって、例えば免許がいるのに明示せず酒販をやってるお店にはこちらから免許の提示をお願いしていきます。これはイエローカードです。薬物販売などもう明らかな場合は通知だけして一定期間後に店舗を消してしまいます。これがレッドカードです」。

ーー石とか売ってる人は?

「(共同創業者であっても)それが本当にその人のものか確認します(笑」。

残念ながら、三井住友カードが保護者になったということで、JCBは使えなくなるのだそうだ。しかし、ほんの一年前、学生ノリで始まったスタートアップが成長を重ね、味方を付けながら大人の階段を登っていく姿というのはみていて気持ちがいいものだ。

さて、まだまだ熱くなりそうなECの世界。2014年はどう動くか。