減速したBaidu(百度)、勢いづいたQihoo(奇虎)、衰退したGoogle。これは2013年に中国で起こった検索エンジン争いの概要だと言えよう。2013年は大きく劇的に変化した年であった。
Baidu(NASDAQ:BIDU)の下降は、2012年夏、ポータルサイト企業でソフトウェア開発も手がけるQihoo(NYSE:QIHU)が新たな検索エンジンをローンチした頃に、その動きを見せ始めた。Qihooの大きな躍進は、インターネットエクスプローラー風ブラウザに起因するインターネット検索によってBaiduの脅威となった。
中国における検索エンジンの大手であったBaiduは2013年初めには71.7%のページ閲覧シェアを誇ったが、その年の暮れには63.1%と下降した。一方Qihooは、CNZZのデータによると、2012年12月には10.4%であったシェアを2013年12月には22.5%と大きな躍進を見せた。
どん底を見つめるGoogle
シリコンバレーの巨大企業Google(NASDAQ:GOOG)は、中国メディア検閲法の適用を受けないよう検索エンジンGoogle.cnを閉鎖した2010年初めから苦労していた。そしてGoogle Hong Kongが中国の巨大検閲によって部分的に妨げられ、Google.com.hkページが読み込まれるかどうかは運まかせのようなものであった。
中国においてGoogleは、検索エンジンとしては2010年12月の11.25%と比較して、2013年12月にはたった1.6%のシェアしかなかった。2012年期ですでに急激な低下を見せていたが、2013年期はGoogleが記憶の彼方へ追いやられた年であり、せいぜいBingやYahooを上回っているのがやっとである。
以下のチャートで2013年の目まぐるしい変化が見てとれる。
先述した検索エンジン争いの中、CNZZが発表した最新の展望(2013年12月)
モバイル検索の勝者は誰か?
懸念事項を抱えているBaiduであるが、競合ひしめく中で最高のスマートフォン市場戦略とモバイルアプリエコシステムがあるおかげで安心感を得ているようだ。およそ5年は市場曲線から遅れをとっているモバイル検索エンジンを扱うQihooよりは確実に先を行っている。
下の図が示す通り、Qihooの検索エンジン(so.com)は、携帯電話で「スターバックス」と検索をかけると多くのリンクを提供するだけであるが、Baiduは現在地から1番近いスターバックスとすぐさまその店に電話をかけられる便利な(最初のページを少しスクロールダウンする)ボタンを同時に示してくれるという役立つ検索結果を提供している。
私が何かを携帯電話で検索する際、たいていの場合はローカル情報を必要としているからであるが、Qihooは未だその情報を検索結果として提供できていない。
2014年はBaiduとQihooの競争が激化される年になるであろう。それは検索エンジンユーザにとってだけではなく、ウェブユーザや、アンチウィルスアプリ、ウェブブラウザ、Androidアプリユーザや音楽ストリーミングなどといった多くの分野におけるアプリのダウンロードにとっても言えることだ。これらは現在両者が競い合っている分野であるが、2014年はさらに多くの競合企業が現れてくるに違いない。
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