
2013年には多くのモバイルゲームを試した。しかし、中でも、何度も試すことになったのは、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホーと略す)のパズル&ドラゴンズ(以下、パズドラと略す)だ。このゲームが最も人気あるのは日本市場で、これまでに2,300万件ダウンロードされている。しかし、多くの日本のオンライン・サービスと同様、パズドラにとっても国内市場は飽和状態であるため、ガンホーは海外進出に努力してきた。北米版(私がプレイしているバージョン)は、11月現在で200万ダウンロードと、日本ほどの成功は見せていない。
しかし、売上面では少しずつ前進を見せているので、この機会に詳しく見ておきたいと思う。
パズドラは最近、ホリデーシーズンに売上を大きく伸ばした。主に、2つのプロモーションによる結果だ。
- 48 Hour Godfest – 今年新年冒頭に展開されたプロモーションで、この期間中は、レアガチャ(レアモンスターカードを獲得するための、ゲーム内のくじ引き機能)を使って、神タイプカードなど、レアかつパワフルなカードを通常の3倍の確率で獲得できた。レアガチャを使うには、魔法石(パズドラのゲーム内通貨)を5つ集めるか、現金を払って魔法石を購入する必要がある。AppAnnie のグラフを見てみると、この魅力的なプロモーションのおかげで、アメリカとカナダの両国では、パズドラの売上が新年冒頭に突出しているのがわかる。
- レアガチャのリニューアル – このリニューアルにより、星3カードの確率が下がり、星5カードの確率が上がった。このリニューアルは12月10日に実施され、その結果は、アメリカとカナダの両市場で以下のグラフの通り明らかだ。(見やすいように、それぞれのグラフはスケール幅を変えているので注意してほしい)


参考までに述べるが、パズドラのフォーラムやディスカッションページだけでなく、Facebook ページでも英語圏のファン達がアクティブに投稿しているのには感心させられる。それは実質的なパズドラの成功を意味するものではないが、コンセプトにおいてもデザインにおいても、極めて日本的なこのゲームの楽しさが、英語版への翻訳を経ても何ら失われていないことを示している。
ホリデーシーズンに見られたアクティビティに加えて、昨年はブランドを跨いだ多くのコラボレーションが、パズドラの成長を助けた。中でも特筆すべきは、フィンランドのゲームメーカー Supercell と実施したクラッシュ・オブ・クランとのプロモーションだろう。
しかし、この一年のパズドラの成績について、売上だけを見ても(下図)、ガンホーにとって、どれだけ生産的な一年だったかは一目瞭然だろう。
同社の2014年の動向に注目してみよう。

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