来る3月14日から16日の3日間、日本で初となる「Startup Weekend Tokyo Women」(SWTW)が開催される。世界最大級の起業家コミュニティ「Startup Weekend」は2009年に米国で始まった。都市単位で始まったイベントは急速に拡大し、現在では110ヶ国500都市、1万人以上のコミュニティリーダーとボランティアを数える。
Startup Weekend Tokyo Womenで審査員を務めるのは、IMJインベストメントパートナーズの岡洋さん、AsMamaの甲田恵子さん、TechWaveの増田真樹さん。メンターは計8名で、サイバーエージェント・ベンチャーズの佐藤真希子さん、papelookの小澤一郎さん、ネットイヤーゼロの倉重宜弘さんなどその多くが自らも起業体験を持つ。
Cinnamon は、Naked Technology(2011年、ミクシィによって買収)のメンバーであった平野未来氏や堀田創(はじめ)氏によって2012年に設立され、サイバーエージェント・ベンチャーズやエンジェル投資家からシード資金を調達した。読者の中には、彼らが2013年4月に開催された Startup Asia Jakarta で、彼らの写真共有アプリ「Seconds」のピッチが、審査員や聴衆を魅了したのを覚えている人もいるだろう。
この種のアプリでは、ベトナムや韓国はカカオトークなど韓国アプリの天下で、我々は日本・台湾・タイの市場を穫りたいと思っています。そのユーザ・ビルディングを確実なものにするため、アジアのトップ大学の学生をインターンとして採用しました。Facebook がハーバード大学をはじめとする Ivy League の学生から浸透していったように、我々も学生のバイラル・マーケティングの力の可能性を信じています。
ロシア版シリコンバレー「スコルコボ」が主催するスタートアップ・コンペティションの全国ツアー Startup Village や、モスクワ周辺のスタートアップ関係者が運営するインキュベーション・プログラム Generation S など、ロシアのスタートアップ・コミュニティは、ここ数年で急速に活気を帯びつつある。 1月の下旬、出張の合間にモスクワを立ち寄る機会を得た。滞在期間が短く土地勘も無かったの…
CC BY-NC-SA 2.0 via Flickr by rcolonna
ロシア版シリコンバレー「スコルコボ」が主催するスタートアップ・コンペティションの全国ツアー Startup Village や、モスクワ周辺のスタートアップ関係者が運営するインキュベーション・プログラム Generation S など、ロシアのスタートアップ・コミュニティは、ここ数年で急速に活気を帯びつつある。
Red October と聞いて、Sean Connery の映画を思い出す人が多いかもしれないが、モスクワでは150年以上続く菓子製造会社として有名だ。モスクワ市内を流れるモスクワ川の中洲には、赤レンガでできた壁が印象的な Red October のチョコレート工場があった。工場は数年前モスクワ郊外に移転したが、跡地がリノベーションされて現在はデザインカレッジやイベントスペースとして利用されている。
CC BY-NC-ND 2.0 via Flickr by Emmanuel Vivier
この工場跡の一角にある、Digital October はモスクワのスタートアップの聖地だ。名前はもちろん、Red October に由来する。Digital October を訪問すると、キュレータを務める Maria Adamian と Peter Tatischev、それに、自身も起業家で Startup Digest Moscow のキュレータを務める Dmitry Kabanov が迎えてくれた。Digital October では TechCrunch Moscow 2013 など、これまでに多くのスタートアップ系イベントが開催されてきたので、私はインキュベーション・スペースかコワーキング・スペースだ理解していたのだが、Maria や Peter によれば、厳密にはイベント・スペースであって、インキュベーション・スペースではないとのことだ。
実際、訪問したこの日もカンファレンス・ルームを覗いてみると、スタートアップではなく現地の銀行がイベントを開催していた。しかし、Maria や Peter は、シリコンバレー発のグローバル・インキュベータ・プログラム Founder Institute のモスクワ版のディレクターを務めているし、最寄りの地下鉄駅からは20分以上も離れた立地なのに、Digital October 内のカフェバー Progress Bar には仕事している起業家は数多く見受けられた。
モスクワ市内にも Flacon など、いくつかのコワーキング・スペースは存在するが、起業家でもある Dmitry でさえ特定の活動場所を持たず、いろんなカフェなどを転々としながら仕事をしているとのことだ。入国手続が煩雑である分、外国人の往来も多くないこの国では、コワーキングやインキュベーションの波が来るのは、まだ数年先のことかもしれない。ただ、日本の言語障壁や中国の Great Firewall(金盾)などもそうだが、テック界では、欧米圏からの市場参入に一定の障壁があることで、その国の中にビジネスチャンスが生み出される傾向があるのも事実だ。入国手続という障壁があるロシアに、日本のスタートアップが今進出すれば、新興分野の市場を独占できる可能性があるかもしれない。
MegaLabs はアプリのパブリッシャであって、デベロッパではない。オフィスの中も、デベロッパ特有のデザイナや開発者があふれるクリエイティブ・スタジオというよりは、さまざまな国からのパートナーを受け入れる居心地のよいビジネスの場の雰囲気が漂っていた。2012年には、ロシアの Google と言われる「ヤンデックス(Яндекс)」と共同でアプリストア「GetUpps」を立ち上げており、ロシア国内に数千万人いるメガフォンの契約者に、Android アプリを届けるプラットフォームとして定着しつつある。
Alexander Semenov は生粋のロシア人だが、彼の流暢な英語や理路整然とした物言いは、アメリカ人かと見間違う程だ。事実、2010年に Internet Retail Solution(IRS)を創業するまでの十年間、彼はイーライリリーやメドトロニックなどいった、アメリカの大手製薬会社でキャリアを積んでおり、彼のグローバルな…というよりはむしろ、アメリカンなマインドセットは、この間に形成されたと考えるのが自然だ。