「この人と腹を据えて働きたい」:フリーランスからブラケットに転職し、女性取締役として活躍する塚原文奈さん【前編】

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Ayana-Tsukahara塚原文奈さん@ブラケットのオフィス

フリーで働くと、会社にいる時よりいろんなタイプの人と一緒に仕事をするじゃない?でも、「この人ともっとガッツリ働きたい、腹を据えて働きたい」って初めて思ったの。

サイバーエージェントなどで会社勤めをした後、フリーランスになり、2年前に代表の人柄に惚れ込んでブラケットにジョインすることを決めた塚原文奈さん。2013年4月には同社の取締役に就任。

ブラケットと言えば、THE BRIDGEでもこれまで何度も取り上げてきた、いま最も注目される会社。誰もがたった数分でオンラインストアを開設できる「STORES.jp」は、次々に新しいことを仕掛けている。

一緒にブラケットの舵取りをする文奈さんについて、代表の光本勇介さんはこんな風に話してくれました。

「僕やブラケットが思い切ったチャレンジが出来ているのは、彼女が支えてくれて一緒に闘ってくれるからです」。

そんな文奈さんのこれまでのキャリア、ブラケットでの今、尽きることの無いチャレンジ精神について伺ってきました。前編・後編でお届けします。

直感で選んできた「ゼロをイチにする」仕事

三橋:ブラケットに入るまでのキャリアについて教えてください。

塚原:2003年4月に新卒でインテリジェンスに入社しました。個人の方の転職をサポートする仕事を1年ほどやって、サイバーエージェントに転職しました。EC事業部の新規事業部で、バイヤーやウェブディレクターのような仕事をやった後、事業部が解散してからは広告代理店事業部に移動して。マーケティングや営業、事業開発なんかをやらせてもらって、トータルで6年くらいサイバーエージェントにいましたね。

三橋:前の会社からサイバーエージェントに転職した理由は?

塚原:新卒の頃から新規事業をすごくやりたくて、当時のインテリジェンスには会社として若手に任せる風土もあったので良かったんです。でも、当たり前だけれど会社がちゃんとしていて…個人的にはもっと動物園みたいなカオスっぽい感じが良かった(笑)。

ちょっと物足りなさを感じていた頃に、たまたま知り合いが声をかけてくれて転職を決めました。当時はまだアメブロもない時代だったけれど、サイバーエージェントはすでに上場企業でもちろん知っていて。本当は転職するならもっと小さいところって思っていたけれど、新規事業がやれそうだなと思って決めました。

三橋:新規事業へのこだわりがあったんですね。

塚原:将来、絶対この職業、この事業ドメインで勝負したいっていう土壌とかは特になかったんです。でも、いずれ何かできるかもしれないから、その時にいつでも対応できるビジネススキルを早く身につけたかった。それをするなら、何もないところから、ゼロをイチにするところをたくさん経験できる方がいいなと思っていました。

三橋:こう進みたいっていうキャリア設計はあった?

塚原:どっちかというと本能のまま、直感で動く感じかな。こういうことがもっとできるようになりたいなっていうボンヤリしたものはあっても、判断軸は一緒にやる人だったり、結局本能で決めてるかも。

三橋:じゃあフリーランスになったのも本能のまま動いた感じなのかな?

塚原:サイバーではいろいろやらせてもらっていたけれど、会社の中にいない自分の力量が知りたくなったから。チャレンジできるうちにしようと思ったのが、たまたま29歳の終わりの頃で。会社はすごく良い会社だったから不満はなくて、でも不満がないとずっといちゃうじゃない?もう30歳になるし、いずれ子どもを産むとしたら区切りのいい30歳でと思って独立しました。

ブラケットに入って役立っているこれまでの経験

三橋:フリーだった期間は?どんな仕事をしていたの?

塚原:結局2年弱くらいフリーランスだったかな。当時はなんでもやっていました。プロモーション、Webマーケティングのお手伝い、TV出演のキャスティングをしたり、声をかけてもらった仕事は何でもやっていた。途中からはネット系の人から声がかかるようになって、収益を生み出せるプロジェクトを立ち上げる事業開発が多かったかな。考えたものを形にするのが好きで得意だから、ちゃんと遂行していけるところまでまるっとやるとか。

三橋:フリーランスの経験でブラケットで一番役に立っているのは?

塚原:お金の感覚ですかね。例えば、会社員だった頃は毎月お給料がでて、自分のプロジェクトの収益が対価に直結することってなかったから。フリーになるとそれがリアルになるし、やるかやらないかも自分次第。私が初めてブラケットにジョインした時はまだ3人規模だったから、自分がやる仕事がお金に直結する感覚は小さい会社でより活かせていると思う。

三橋:じゃあ、サイバーの6年間で学んだもので大きかったのは?

塚原:スーパー雑食になれたこと。スペシャリストっていうよりは、その時々の求められるものになることが多かったから。同時進行で複数のことをやっていたし。やったことがないことにチャンレジしやすいマインドになった気がする。

三橋:雑食でいると、このままでいいのかって悩まない?

塚原:それは、今も本当にそれがいいのかわからない。20代の時は、このままでいいのかなってもっともっと悩んでたかな。いろいろできるけど、何かで一番か?というと、それぞれ別に一番じゃないなって。ただ、本当に柔軟にいろいろできるところは今も活かされてるかなって思う。

フリーへの名残惜しさに勝る「この人と、とことん働きたい」

三橋:フリーからブラケットに参加した決め手は?

塚原:本当に人のご縁で、勇介さんと共通の知り合いの人から声がかかって。出会ったその日に入社するって決めちゃったの。本能で生きてるから。やっぱり決め手は、勇介さんの人柄だった。それ以外の何ものでもない。フリーで働くと、会社にいる時よりいろんなタイプの人と一緒に仕事をするじゃない?でも、「この人ともっとガッツリ働きたい、腹を据えて働きたい」って初めて思ったの。

三橋:フリーランスが名残惜しいっていう気持ちはなかった?

塚原:身動きが取りやすいし、どうせ一人だからチャレンジできるし、まったくそういう気持ちがなかったかというと嘘になるかな。でも、逆にフリーだから歯がゆいことも多くて。私って思い入れが強くなってすごく仕事にコミットしちゃう方だから、お客さんにとって絶対にいいと思うことでも結局は相手が決めて叶わないこともあって。良くも悪くも自分は責任がとれない立場だから、自分たちの会社、サービスならそこが変わる点は魅力だった。

三橋:ブラケットに入社したタイミングではどんな仕事を?

塚原:入社したのは私で4、5人目くらいだったから、本当に何でもやりますっていう環境で。残念ながら、私は絶対これがやりたいっていうタイプじゃなくて、どちらかというと、目指すべき方向とかゴールに対して、私がやることで一番効果が出るなら何でも良いタイプ。職種とか役割に関して執着がないというか。

三橋:サポートしたいっていう気持ちが強いのかな?

塚原:サポートしたいって気持ちは強いし、強いていえば世の中のためになることがしたいんだけれど、何より成果を出すってことに執着してるかな。成果を出すために自分が何をしたらいいのか。結果的にそれがサポートにもなっているのだと思うけど。

自分がイニシアチブをとって決断した方が良ければそうするし、サポートに回った方が良ければサポートに回る。その環境によってどっちにもなれる。だからこそ、この人なら信頼できる、この人のためなら何があってもいいって思える人でないと一緒に働けないかな。

後編につづく。

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