2月12日に、「3D Printshow」というイベントがニューヨークにて開催された。このイベントは世界の四大ファッションショーの一つである「ニューヨークファッションウィーク」の期間中に、米3DプリンターメーカーのMakerBotが主催した。
このファッションとテクノロジーが融合した、3Dプリンターが生み出した新時代のデザインを紹介した同ファッションショーについて、PUNTAが紹介していた。
ショーではデザインカンパニーのThreeFormがデザインした3Dデータから生み出されたユニフォームを、体操チームであるThe Purple Knightsが着て登場した。
このユニフォームの3Dプリンティングを担当したのは、Shapeways。3Dプリンター関連のサービスをいくつも手がけるニューヨーク拠点の会社だ。
Computational Fashionという言葉
ニューヨークのチェルシー地区に拠点を構えるアート&テクノロジー・センター「EYEBEAM」がイニシアチブをとっている新たな言葉に「Computational Fashion(コンピュテーショナル・ファッション)」というものがある。
コンピュテーショナル・ファッションとは個人の身体をスキャンし、その人に合ったファッションアイテムを3Dプリンターを用いて製作するファッションだ。コンピュータを用いて作り上げるものであるため、デザイナーやアーティストだけではなく、コンピュータサイエンスの科学者やエンジニアなどもこの領域には関わっている。
デジタルファブリケーション関連のテクノロジーのおかげで、「パーソナライズ」された商品でありながら、「量産」することができるようになった。実際、個人に最適化された靴やネイルなども登場している。
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ファッションとは少しずれるが、先日紹介した下半身麻痺の女性を歩けるようにした外骨格も個人に最適化されて生み出されたものだ。
進歩を続ける3Dプリンティング
近未来を描いた映画やアニメーションでは、登場人物が膨大な量の衣服のデータから、その日の気分に合ったものをダウンロードして、着用するシーンが描かれることもある。
3Dプリンターはカーボンファイバーでプリントできる「mark one」が登場したり、ゴムなど柔軟性を持つ素材でマルチカラー出力が可能な3Dプリンター「Stratasys Objet500 Connex3」が登場したりと、進歩を続けている。
印刷の仕方の進化や扱える素材が発展していけば、先述したSFのワンシーンに近いことも可能になるかもしれない。3Dプリンターは単に3Dデータを印刷するものだと思われがちだが、生活に大きな変化をもたらす可能性を秘めたものだ。
特に、ファッションのように人が身に付けるものとの相性は良い。本誌では引き続き、デジタルファブリケーションの動きには注目していきたい。
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